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今回紹介いたしますのはこちら。

「鮫島、最後の十五日」第6巻 佐藤タカヒロ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、超巨漢、巨桜丸との激戦を終えた鯉太郎。
ですが小兵の鯉太郎の体はもはやボロボロ。
鯉太郎はその体で、勝ち星を積み上げていくことができるのでしょうか……?


五日目。
鯉太郎は、幕下優勝決定戦でも対戦した岩の藤との戦いに挑んでいました。
どちらもぶちかましを得意とする力士だけに、立ち合いは

やはり両者真っ向勝負!!
頭と頭がぶつかり合う、ド迫力の開幕となった勝負に、観客は沸き立ちます!!
さらにお互い、二度、三度とぶちかましでぶつかり合います。
しかし三度目のぶちかましは、岩の藤独特の横からはいるぶちかましで、これを喰らった鯉太郎はたまらず体勢を崩されてしまいました。
勝機と見た岩の藤は、さらに追撃!!
鯉太郎はすかさず体勢をもとに戻し、再び二人はぶちかましでぶつかり合う形となります!!
が、その瞬間、鯉太郎は左の廻しをとっていました!!
直後、勝負は決まります。
吽形直伝、鯉太郎必殺の下手投げがさく裂!!
鯉太郎が見事に勝利を決めて見せたのでした!!

その取り組みを見て、控室の力士たちは好きなことを言っておりました。
この調子ではまた途中で休場口をはさんでくる一人の力士がいました。
あんたら、あいつと場所で取ったことあるの?あればそんな言葉は出ないか。
確かに仲日以降に休場することが多いが、それでも幕内にとどまっている。
不戦敗で星を落としても、戦って星を落とすことはめったにない。
番付だけで測れる男じゃないよ。
そう言ったのは……今や関脇にまで上り詰めている、かつてのライバル・天雷でした!!
関脇にそう言われては平幕の彼らは黙るほかありません。
さらにその言葉に、鯉太郎によって大関から陥落させられた大ベテラン、明王山もわかってるじゃねーかと大笑いしながら同意します。
そう言えばお前らは同期だったっけ、という明王山に、天雷はうなずきました。
その他にも王虎に、先日引退した飛天翔と、曲者ぞろいだった鯉太郎の同期。
ですがそのトンパチ(ムチャクチャ)ぞろいの同期組の中で、鯉太郎異常だったかもしれないトンパチな男もいました。
同期の中で一番出世が早く、一番ギラギラしていた男……
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蒼希狼!!

その蒼希狼と鯉太郎は、廊下で今まさにすれ違おうとしていました。
「バカー」くらいしか日本語が使えず、そして相撲に関しては誰よりもどん欲に打ち込んでいた蒼希狼。
ですが今の彼からは、かつて見られた比率くような闘志が一切感じられません。
蒼希狼はボロボロになって引き上げてくる鯉太郎に、なぜそんなになってまでしがみつくんだっみっともない、と言う言葉を投げかけてきます。
そして、まあ俺も一緒か、と言い残してその場を去ろうとします。
そんな変わり果てた蒼希狼を、鯉太郎は思わず大声で呼び止めてしまいました。
テメー、つまんねー奴になっちまったな。
蒼希狼はその声を聞いて一瞬立ち止まったものの……
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ならお前がとどめを刺すか?と答え、振り返りもせず立ち去ってしまったのでした。

蒼希狼は、出世街道を登っていく間に起きたある出来事によって、焦燥しきってしまっています。
それを見て歯がゆい思いを抱いていたのは、鯉太郎だけではありませんでした。
蒼希狼が所属する山ノ上部屋の親方、山ノ上と、蒼希狼の兄弟子、大山道です。
完全に腐ってしまった、かに見えた蒼希狼。
ですが大山道は見逃していませんでした。
いつ髷を落としてしまっても……引退しても不思議ではない状態の蒼希狼。
そんな蒼希狼が唯一、わずかながら反応を見せた瞬間を。
それは……鯉太郎の名前を聞いたとき!
やはり蒼希狼の中でも、鯉太郎の存在は特別なようです。
そして、その鯉太郎と六日目に取り組みが予定されているのが……この大山道!!
親方は、大山道に問いかけました。
できるか?と。
大山道ははっきりと、答えます。
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はい。もう一度蒼を奮起させるのは、兄弟子である俺の役目ですから。


というわけで、鯉太郎と蒼希狼の兄弟子、大山道の取組が決まった今巻。
今巻の巻頭で繰り広げられる岩の藤との対決は、短いながらも手に汗握る熱戦となりました。
この大山道は、ベテランらしい老獪な戦い方をするくせものです。
前へ前への一辺倒である鯉太郎は苦戦を強いられることでしょう。
今までとは違うタイプの相手ですが、今回もおそらく簡単には終わらない名勝負となること間違いなし……なのですが、その戦いは次巻へお預けとなります。
今巻はこの後、蒼希狼の「それから」を描く展開に。
鯉太郎と戦った時には、とんでもない闘志を見せていた蒼希狼。
そんな蒼希狼に何があってあの抜け殻のような姿になってしまったのか……?
蒼希狼に秘められた、残酷な出来事が克明に描かれるのです!!
残酷な現実、というのもバチバチには欠かせない物語の柱。
蒼希狼にもたらされたそれも、見逃すことはできませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!