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今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄の教頭」第2巻 大沼良太先生 

スクウェア・エニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行です。

さて、学校の秩序を守るため、表でも「裏」でもその辣腕を振るう教頭、近衛。
様々な事件を硬軟織り交ぜた手段で解決していく彼ですが、それでも学校に問題と言うのは起きてしまうもので……


学校は夏休みに入っていました。
補修を担当する教師、部活を監督する教師、強化や授業の会議をする教師。
そして、夏休み中に問題を起こす生徒やその問題に直面する教師、その問題に迅速な対応をするため学校に常駐していなければならない管理職の教師……
夏休み中でも、「学校」は休んでいないのです。

補修を終えた女教師、新藤は男性教諭につかまっていました。
新藤先生はエネルギッシュで良い、補修のことだけでなく、いろいろ自分から進んでやってくれる、学校説明会の準備や研修、会議の予定もあるだろうし……と長い感じのお話が始まりかけています。
そこに割り込んできたのが、近衛でした。
新藤先生に用事があるから、と言ってその話を中断させ、男性教諭から解放。
彼につかまると長くなるから気をつけてください、と耳打ちしたのです。
私が困っているのに気が付いて割り込んでくれたんだ、と近衛の気づかいに笑みがこぼれる新藤。
そんな彼女に近衛をもう一言、こう声をかけて立ち去っていきました。
有給は使ってくださいね、管理する立場から言わせてもらうと、新藤先生は少し働きすぎですよ。
……その言葉には、新藤も苦笑いするしかないのでした。

そのあと新藤は、自分のクラスの様子を見に行きました。
クラスでは、文化祭の準備のために学校に来ている生徒がいるはずなのですが……いたのは実行委員を含めた二人だけ。
実行委員に「された」女子は、私に人徳がないからだれも来ないんだ、この仕事も押し付けられただけだし、とうなだれています。
唯一付き合ってくれている彼女の親友は、気にするな、たまたまみんな都合が悪かっただけだ、また自分がみんなに声かけるから大丈夫だよと彼女を励ましています。
実行委員の女子箱のお友達のおかげで気持ちを立てなおすことができそうですが、文化祭の準備を二人で続けるのはさすがに大変すぎます。
そこで新藤は、部活で学校に来て、まだ残っている生徒を探してお願いしてみることにしたのでした。

さんざん探したものの、新藤のクラスの生徒は全然見つかりませんでした。
ぐったりしていたところで、ようやく一人発見しました。
ソフトテニス部の多田さんです。
わらをもすがる思いで彼女に縋りつき、文化祭の準備を手伝ってあげて、とお願いする新藤。
ですが多田は、今日は家におじさんが来るんだけど、自分が返らないと家に誰もいないから帰らないといけない、と断ってきました。
まだ部室に暇そうな子が二人いるからそっちに当たってみて、明日は私も参加するから、今日はこれで勘弁して。
そう笑って、多田は立ち去っていってしまうのです。
新藤は彼女を見送ります。
どうしても新藤は、生徒の笑顔に弱いようで……
彼女に強く出ることもできず、逆に自分の元気がわいてきて、近衛のもっと安めという言葉とは裏腹にもっと頑張ってしまうのです。
ですがそれでも新藤は後悔していません。
それでも、生徒にいつでも笑顔を与えられる教師でいたい。
新藤はそんな目標に向かい、その日もさらに頑張るのでした。

翌日になると、文化祭の準備にいそしむ生徒も増えてきました。
ですが、友達にも後で絶対に行く、と言っていたらしいただの姿はありません。
クラスの委員長を務め、ソフトテニス部の部長もしているしっかり者。
そんな彼女が、行くと約束した作業に参加しないまま、黙って帰ってしまうとが考えづらいのです。
何か急用でもできたのか、などと考えながら外を見まわっていますと……
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多田は一人、ベンチに座って何やら暗い顔をしていたのです。
話しかけてみると、なんでもない、作業のことはちょっと忘れていたと明るい顔で答える多田。
ですがどう見ても、彼女の様子は普通ではないのです。

何か思いつめた様子を感じた新藤は、明日多田としっかり話してみようと考え、メモした付箋を突くに這って仕事を続けていたのですが……
その付箋を、さりげなく近衛がチェックしています。
今日は早めに帰ると新藤が帰宅していった後も、近衛はその付箋を見つめていました。
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近衛はそのメモに何かを感じているようです。
今まで彼が、手段を選ばず解決してきたトラブルと同じような、匂いを……

多田は、自宅であの思いつめたような表情をしていました。
そんな彼女の両親は、明るい顔で明日から出発する3泊4日の旅行の話をしていました。
それは多田のお父さんの弟である、豊から送られた旅行とのことで、今までさんざん迷惑をかけてきたお詫びにとプレゼントしてくれたのだそうです。
話だけ聞けばすごくいいお話なのですが……ただの顔は、そのおじさんである豊が近づいてきたときに最もこわばるではありませんか。
どうやら両親が留守にしている間、この豊がこの家に泊まるようで……
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明日から叔父さんと二人なるけど、よろしくね。
そう語りかけてくる豊の目に、不気味な闇が見えるような気がするのは……決して気のせいではないでしょう……!!


というわけで、またも新たな事件の香りが漂ってきた本作。
思いつめたただの表情の原因は、豊にあるとみて間違いないでしょう。
豊が何を狙っているのかは、何となくわかるかもしれませんが……とにかくそれはこれから明かされていきます。
生徒の、学校の問題を一つとして見逃さない近衛が、多田に問題があるらしいと知った以上、豊を放置することはないでしょう。
近衛が見せる、情け容赦ない「指導」がこの後下されることになるのです!!
その近衛の指導の内容も非常に気になるところですが、もうひとつ目を引くのが今回の指導の相手が豊だけではないということ。
その指導する相手は、なんと……!!
このエピソードは、今までの教頭がひそかに問題をねじ伏せていくという形を少し変える転機となる話の様子。
ある人物がこの後、近衛と対立するか、あるいは並び立つような大きな存在になるかという雰囲気を見せ始め……!
さらにこの後描かれるエピソードでは、近衛の過去に迫るような重大な物語になる様子!!
今までのような、仕事人めいたお話から、変化を見せる予感のする本作。
今後の展開からも目が離せませんね!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!