ss0
今回紹介いたしますのはこちら。

「屍囚獄」第3巻 室井まさね先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。

さて、土砂崩れによって山奥の村の中に閉じ込められてしまった女子大生たち。
100年以上にわたって女性が生まれてこない不可思議なこの八坂村では、外から女性を連れてきて、四肢を切断して監禁し、「宇受売」と呼んで、村の男たちの子供を産ませるという許されない凶行が繰り返されていました。
逃げ惑う女子大生たちですが、謎の天狗の面の男の暗躍や、あまりの恐怖にタガが外れてしまった者の凶刃などで、多くの犠牲者が出てしまい……
女子大生たちの中でも、2名の死者が出てしまったのでした。


このはは形態の電波が入る場所を探して、フラフラと村の中を歩いていました。
そのあとを、ずっと伊助が付いてきます。
何か会話をするでもなく、ただ押し黙ったままこのはの後をつけてくる……
伊助が何かしてくるわけではないのですが、やはり薄気味悪さは隠せません。
このはは思いたち、いきなりさっと駆け出し、森の中へと入っていってしまいました。
伊助はその巨体通り、素早い動きができません。
あっという間にこのはにおいていかれてしまい、木の陰に隠れたこのはを見つけられず……
自分を探し回ってうろうろする伊助を見て、少しかわいそうかなとも思うこのはでしたが、気を取り直して部屋に戻ろうとするのでした。
が、そんなこのはの耳に、見つけた!!という声が飛び込んできました。
その声を上げたのは、村の男二人組です。
おぞましい「宇受売」の真実を知らないこのはは、彼らが何の目的で自分を見つけたというのか分かりません。
ですが男たちは、早い者勝ちだ!と柄の長い鎌を振り下ろして襲い掛かってくるのです!!
なにすんねん、とその一撃を避けて身構えるこのはですが、その直後に彼らが言った「猿田彦さんのお許しが出た、捕まえた娘は好きにしていいってな!」と言う言葉を聞き、自分が狙われているということに気が付きます。
すかさず逃げ出すこのはですが、男の一人が猟銃を構え、迷うことなく発砲したではありませんか!!
直撃こそ免れたものの、左足の腿をかすったこのは。
痛みと衝撃で転倒してしまうこのはに、ゆっくりと近づいていく二人組……
逃げられると思ったのか?
まず俺のうちに運ぼう、そして当分二人で楽しまないとな。
ss1
そう言って、いやらしく笑い……!!


伊助が天狗の面をかぶり、人々を惨殺している。
そう確信した比奈は、こっそりと屋敷を逃げ出していました。
ですがもう走る体力も残されておらず、そもそも道もわからないのでどこをどう逃げればいいのかがわかりません。
比奈はたまたま廃屋らしき小屋を見つけ、外に設置されていた水道でのどを潤します。
そして、その小屋に人がいなければ休んでいこう、と恐る恐る中へ入っていったのですが……その小屋、ひどいにおいが充満し、なにかがたくさんぶら下がっているのです。
目が慣れてきて、薄暗いその小屋にぶら下がっているものが見えたとき……ひなは戦慄します。
それは
ss2
逆さにつるされた、腹や喉笛を切り裂かれ、躯となった男たちだったのですから!!


そのころ、ようやく美琴が目を覚ましていました。
10時過ぎまで寝てしまっていた美琴、その周りには誰の姿もありません。
みんなはまだ戻っていないと言うことなのでしょうが、このははどこにいったのだろうか?
美琴はこのはを探そうと屋敷の中を歩き回るのですが、通りがかりに猿田彦の声が聞こえました。
お前が伊助にやらせたんだろう、自分の子供なのにどういうつもりだ。
あの娘どもを助けたところでお前の立場は変わらん。
お前は何をしようが、もうだれ一人逃がさない、全員お前と同じ宇受売になるんだ!
お前もあのガキももう用済みだ!
猿田彦がそう言い放った相手は、妻である宇受売でした。
宇受売はその黒い欲望を何とか咎めようとしたのか、布団からはい出てうめき声を上げます。
その四肢は……やはり切断されていて……!!

思いもよらないものを見てしまった美琴は、慌ててその場を離れます。
このままここにいてはまずい、逃げなければ。
美琴はこのはを探しますが、いまこのはがとんでもないことに巻き込まれていることを美琴は知りません。
しかし、もしかしたらこのはは捕まってしまったのではないか?と連想することはできるわけで……
顔を真っ青にして恐怖する美琴ですが、その時背後から何かの音が聞こえました。
音の出どころは……階段の先、2階の小部屋です。
もしかして2階にいるのか?と上に上がっていく美琴ですが、そこにいたのはこのはではありませんでした。
ss3
不安げな瞳でこちらを見つめる、小さな少女……
彼女は貴彦がかくまっているらしい謎の少女、うずめ。
女性が生まれないはずのこの村で隠れて暮らすうずめはいったい何者なのでしょうか。
彼女と出会った美琴がとった行動は……!


というわけで、まだまだ惨劇の続く本作。
今巻ではもうこの村の男たちは完全に本性を現し、美琴たちを単なる獲物としか見ない状態になってしまっています。
捕まれば痛めつけられる、と言う生易しいものではない「宇受売」としての恐ろしい運命が待っているでしょう。
とらえられてしまったこのはは、もはやなすすべなく宇受売にされてしまうのでしょうか……
そして気になるのは、村の男たちの凶行だけではありません。
本来生きたままとらえなければ意味がないはずの女子大生たちでも容赦なく惨殺してしまう天狗の面の男は何者なのか。
つるされた死体は天狗の面の男の仕業で、それは本当に伊助なのか。
謎の多いうずめ、その正体はなんなのか。
正気を失いつつあるさよりの動向は……?
様々な要素が絡み合い、おぞましい惨劇が繰り広げられてしまっているのです!
そしてこの後も新たなる犠牲者が……!!
まだまだ目の離せない惨劇の続く本作、これから先の展開も気がかりになりますね!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!