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今回紹介いたしますのはこちら。

「スメラギドレッサーズ」第4巻 松本豊先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、気弱な少女のりかが、ツクヨミの幹部のゆりかごだったという真実を知ったかなで。
ですがかなでは、破壊の限りを尽くすもう一つの人格だというまりあも、りかも両方を助けると約束し、助けるための戦いを続行するのでした!


助けを求めたのは、まりあがりかに戻るスイッチである、「頭を撫でる」前のこと。
つまりかなでに助けてと縋ってきたのは、りかではなく、まりあだ……
そう語ったかなでに、まりあはうろたえながらも否定をします。
違う、私は助けてなんて言ってない、私は破壊の化身なんだ。
みうみうだって、私はすべてを壊さなく阿自分を保てないって言ってた、壊さなきゃ壊れちゃうって!!
そう必死に自分を破壊の化身だと言い聞かせようとしているまりあ。
そんなまりあに、かなでは言うのです。
違いますよまりあさん。
たとえ破壊の力を持ってたって、それだけがあなたのすべてじゃない。
あなたはりかさんのお姉ちゃんでもあろうとしてるじゃないですか。
全部壊すために生まれてくる人なんていない。
あなただってりかさんを守ろうとしてるじゃないですか。
かなでの言葉を聞き、まりあは戸惑い始め……その体から立ち上る殺気もうせていきます。
そんなまりあを優しく受け入れようとするかなで……ですがその時、窮地に追い込まれていたみうみうが最後の手段を使ったのです!
まりあも自分も、すべてツクヨミの首領であるスメラギアに利用されるべきなんだから、まだ奪われるわけにはいかない!
そんな歪んだ考えとともにみうみうが押した謎のボタン。
そのボタンを押した瞬間、まりあの首元のアクセサリーから刃が飛び出し、まりあの体を深く傷つけたのです!
飛び散る鮮血……そしてまりあの目や口から、今までをはるかに超える量のどす黒い力があふれていくではありませんか!!
まりあは絶叫とともに、かなでに逃げるよう懇願……そして同時に、助けを求めようとしたのですが……あふれだすそれによって言葉にはならず……!!

あふれだしたどす黒い力は、やがてまりあの体を覆い尽くします。
そしてそれでもまだ止まらない力はさらにさらに大きくなっていって……
あの大きな観覧車よりも大きい、真っ黒な巨人へと変化してしまったのです!!
あまりにも大きすぎるその体は、遊園地のどこからでも確認できるほど。
その姿を見た芽伊は戦慄するのですが……
かなではそれでもなお一切ひるむことはありません!
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助けますよ、りかさん、まりあさん。
そう言って、桜ドレスへのドレスチェンジを行うのです!

すでに下着姿だったかなで、今の精神状態ならば気が得に戸惑うこともありません。
100%の状態でのドレスアップに成功し、巨大まりあに立ち向かいます。
かなでには、勝算がありました。
以前のハンナとの戦いで知った、サクラドレスの「回避」の力の使い方。
この力は、対峙する力が強ければ強いほど大きくなる……
巨大まりあの力はとんでもない威力を持っているため、サクラドレスの回避の力も絶大になっているのです!
攻撃を鮮やかにかわした後、目にもとまらぬスピードで飛び上がります!!
目標は……巨大まりあの頭部!!
まりあがりかに人格を変えるスイッチである、「頭を撫で」ようとしたわけです!!
巨大すぎるまりあは、そのかなでの素早い動きに対応しきれません。
かなでは見事にまりあの頭をなでることに成功したのです!!
……が、まりあは元に戻る様子を見せません。
その様子を見ていたみうみうは、いやらしく笑いながら叫びます。
このボタンは、まりあの超能力と肉体とを完全に融合させる最後の手段!
そうなってしまってはもうもとに戻る方法はない!
さあ私が与えたすべての闇を解き放て、破壊の化身!!
まりあの破壊の衝動はもはや対象を選ぶことはありません。
巨大な鉄槌は、みうみうの上へと振り下ろされ……
とんでもない破壊力を見せつけたその一撃ですが、かなでが驚愕したのはそこではありません。
まりあが触れているところが、攻撃していない部分までどんどんと崩壊していくという目を疑う光景に、なのです!
いまや本当に破壊の化身と変わってしまおうとしているまりあ……
うわごとのようにコワレロと繰り返すだけのまりあですが、その瞳からは一筋の涙が流れていて……
それでもかなでの表情に焦りは見られません。
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でも今度は、切り札はこっちにある!
刀を構えるかなでの周りに、桜の花びらが舞い散ります。
かなではハンナの言葉を思い出しています。
サクラドレスの力は最も強く、最もか弱い力。
すべてを包みすべてを散らす刹那の桜。
心で見据えろ、あいまいな敵意ではその花びらは開かない。
……自分がハンナに押し負けたのは、力の意味を理解ていなかったから。
そして、「見極め」ができていなかったから。
ですが、今は違います!!
散らすのは、呪われた力。
包むのは……!!
もはやかなでの瞳に迷いはありません!
りかとまりあを助ける。
その強い決意とともに解放されるドレスキル……
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桜万象歌!!
その一撃は巨大まりあの体をすべて覆い尽くし、そして……!!


というわけで、クライマックスを迎える本作。
物語も戦いも二転三転し、見どころ満点だったゆりかご編が完結。
そしてなだれ込むようにスメラギアとの決戦へと突入していきます!!
が、同もこのスメラギアとの戦いは予定になさそうなものだったような気が……
本作は残念ながら今巻で打ち切りとなり、その完結の前にラスボスとの戦いを描いておこうという……そんな感じなのです!
とはいえ、だからと言って手抜きバトルというわけではないのでご安心ください、
本作の売りである熱い展開とどう転ぶかわからないバトルは健在!
スメラギアの圧倒的ラスボス力は震えるほど強大ですし、そんなスメラギアに対抗するかなで達の戦いも過去最高の激しさで繰り広げられていく、見どころ満点の内容になっているのです!!

さらにラストでは思いがけないキャラクターも登場し、一気にフィナーレへと向かっていきます。
最終話でかなではとうとう、あの決心をしてくれて……
物語が最後まで描かれなかったのは残念ではありますが、それでもきちんと一つの節目を迎えて完結を迎えるのです!!

巻末に収録されたおまけ4コマや、作者さんの後がきにもかかれていますし、なにより最終回のラスト7ページくらいからあふれてくるこれから先も描きたかったんだろうな、という思いもまた見逃せない(?)本作。
本巻の表紙と、最終回の二コマでしか描かれなかった芽伊のドレス姿なんかもみますと、この後の展開もみたかったという気持ちがもりもりわいてきてしまうのですが……
松本先生には、今後のさらなる活躍をお願いし、いつかこの続きを、と願うばかりです……!!
ともかう、ただの萌え&エロス要員ではない熱い展開が見どころの本作、未読の方は全4巻とお手に取りやすい巻数なので、一読いかがでしょうか!?


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!