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今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女サイト」第5巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、魔法少女サイトの本当の狙いはまだわからないものの、その過程において魔法少女をだれ一人生き延びさせるつもりがないことに気が付いた彩たち。
そこで別の魔法少女サイトの魔法少女たちと協力し、魔法少女サイトの管理人を捕獲しよう、という作戦を実行することになりました。
が、その魔法少女の動きに気づいた管理人たちは、いちはやくよくない動きを見せている魔法少女たちの暗殺を開始!!
彩たちも襲われ、瀕死の重傷を負うこととなってしまったのでした!!


彩、露乃、梨ナの3人にとどめの一撃を放とうとした魔法少女サイト管理人・漆。
じゃ、さよーならー、と言うあまりにも軽い言葉とともに、無情な一撃は放たれた……と思いきや、突然その体が硬直!!
そしてゆっくりと、3人に照準を合わせていた腕が下に降ろされていったのです!
その動きは、漆自らの意志で行ったものではないようです。
体が勝手に動く……まさか、と漆が露乃の顔を見ると、魔法のステッキ使用時特有の瞳になっています。
ですが露乃は身動き一つできていません。
彼女のスマートフォン型ステッキを使った様子は見てとれませんでしたが……漆には、そして梨ナにもにも心当たりがありました!
体をうごかさずに効力を発揮でき、体の自由を奪う能力を持つステッキ。
……それは、にじみんの持っていた、強制的に命令を聞かせるパンツ型ステッキ、魔着!!
以前露乃は、にじみんにそのステッキを待たせたままにしているのは危険と感じてうばい、ある場所に隠したと言っていました。
その隠した場所とは……ほかでもない、自分のスカートの下!!
自ら穿いていたわけです!!
確かに一番安全が確認できるところですし、こうしていざというときに効力は発揮できました。
が、露乃はすでに自分のステッキの乱用によって、力の源、寿命が残りわずかになってしまっています。
放出される魔力も弱く、早くもその効力は切れかかってしまっていて……漆は、ゆっくりではあるものの、再び腕を動かし始めてしまうのです!
機転は利いたみたいだけど、効力が解けるのも時間の問題だよ。
もうここまで動いた、今度こそお別れだね。
人を小馬鹿にしたような言葉で挑発しつつ、再び照準を合わせる漆。
露乃は必死に、もう一度声を出して命令しようとするのですが……口から吐き出されるのは荒い呼吸と血液ばかり。
ギリギリのところで助かった命でしたが、ほんのわずかな時間稼ぎにしかならなかった……
さすがにもう助かる見込みはない、かと思われたその時です!
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忽然と、漆の姿が消えてしまったではありませんか!!
残されたのは、ハートの形の煙だけ。
……この煙には見覚えがあります。
これは、彩が手にしたステッキ……瞬間移動の能力の発動した証!!
いったい誰が彩のステッキを使って、窮地を救ったのでしょうか?
……その人物は、襲撃された家の隣家の屋根の上に立っていました。
朝霧、借りは返したぞ。
そうつぶやいた彼女の首には、大きな傷跡が残っていました。
この傷は、まさか……!?

いっぽう、別の魔法少女サイトの管理人・捌に襲われていた小雨と清春も追い込まれていました。
管理人の戦闘力は絶大で、小雨と清春という直接戦闘に向かない二人ではなすすべなく殺されるしかないでしょう。
ですがそれは、戦えば、の話です。
清春は対象の人間の体を操れるという能力を持っていて、その能力を使ってテレポーテーション能力を持つあさひを操作。
そして戦闘能力に優れる紗雪とみかりを呼んできてもらっていたのです!!
すんでのところで応援は間に合いました。
紗雪とみかりは捌の前に立ちふさがり、他の3人に襲われている魔法少女の救助に向かうよう命じます。
どうやらこの二人、管理人一人なら自分たちだけで倒せると考えているようなのですが……管理人はそんな考えを持つこと自体が許せない様子。
何を調子に乗ってはるん、と静かな口調でうちに秘めた猛烈な殺意を現し、痛い目を見んとわからへんみたいやな、と言いながら……
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数十人という数に分裂したのです!!
それでも紗雪とみかりは、3人に別の魔法少女のもとへ向かうよう指示。
この場にいてもあまり戦力になれそうもない3人は、心配するな、行けといわれてしまえば従うほかありません。
3人の姿が消えると……紗雪は上着を脱ぎ去り、冷や汗を流しながらこう漏らすのです。
さて、どう戦うか……

自信ありげな態度を取っていただけあって、紗雪の力は相当なレベルでした。
大群に分裂した捌は猛烈な勢いで押し寄せてくるものの、不幸中の幸いにして、取り囲んでくるような動きはしてきません。
押し寄せてくる大群の先頭にいる数名を、紗雪は日本刀型ステッキで次々に切り捨てていくのです!!
が、いくら切っても捌の数は全く減っている様子なし。
いくら戦闘能力の高い紗雪といえどもさすがに無傷で倒しきれるものではなく、次第に押されていき・……とうとうすねに手痛い一撃をもらってしまいます!!
このままではジリ貧になってしまうところですが、そこでみかりが助け舟。
高速で飛行できるホウキ型ステッキを駆り、紗雪を引っ張り上げて空中へ離脱したのです!!
が、捌の猛追はとどまるところを知りません。
超高速のホウキを超高速で追いかけてくるのみならず、その大群で人間(?)の道のようなものを作りだし、空中にまで追いすがってきて……!
もう手に届くところまで来てしまっている捌を、紗雪はどんどんどんどんと切り捨てていきます。
が、捌の追撃を抑えることはできず……!!
どうやら逃げ切ることは不可能!!
二人はこのまま、捌の手によって殺されてしまうのでしょうか!?

窮地を逃れた彩たちは、手痛いダメージこそ負ったものの、ある重要な事実をつかむことができました。
それは、彩たち魔法少女たちの唯一の武器であるステッキの能力は、管理人たちにも有効である、ということ!!
つまり、きちんと作戦を立てて戦うことができれば、管理人を倒すこと……そして、捕獲することも可能だというわけです!!
厳しすぎる状況の中でも、わずかながらも見えた光明に彩たちは希望を見出すのですが……まさかその希望のことばに、絶望が聞き耳を立てていようとは!
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形を成した絶望……彩の兄、要は……唇をゆがめにやりと笑うのです……!


というわけで、サイト管理人との戦いという新シリーズに本格突入することになった、かに見えた本作。
ですがその前に、よこしまな欲望を溢れさせ始めた要の暗躍が始まってしまうのです!!
なんといっても、要の邪悪さは半端ではありません。
その邪悪な要に、魔法のステッキが渡ってしまったら……!!
どもども魔法のステッキは、どれをとっても危険な力を持つものばかり。
今までは彩をいじめることでストレスを解消していた彼が、その凶悪な力を手にしてしまえばどんな行動をとるか予測もできません!!
しかもよくないことに、要は悪知恵が働くうえ、にじみんが懐いてしまっています。
要の狙うステッキはどれなのか、そして手にしたときどんな惨劇が起こるのか。
想像するのも恐ろしい、要編が開幕するのです!!

その中でもさらに恐ろしい事実が判明し、クライマックスの近さも感じさせます。
邪悪極まりない要の暴走、管理人の襲撃、魔法少女サイトの謎、テンペスト。
それらのすべてが明かされるのは、そう遠いことではなさそうです!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!