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今回紹介いたしますのはこちら。

「男塾外伝 伊達臣人」第3巻 原案・宮下あきら先生 作画・尾松知和先生 

日本文芸社さんのニチブン・コミックスより刊行です。

さて、毒蝮との戦いが繰り広げられている本作。
毒蝮はその血の一滴までもが猛毒になるという奥義、凶毒血界の使い手で、攻めに回っていたはずの伊達のほうがその毒によって地に膝をついてしまいます。
しかしそこはさすがの伊達、体の血を噴出する奥義を使い、血ごと毒を放出して解毒して見せたのでした!!


解毒に成功した伊達はですが、なぜか毒蝮にとどめを刺しません。
不敵に笑う毒蝮、さあここを突け、自らの首を指す余裕を見せます。
なにせ毒蝮の血液は猛毒。
返り血を浴びれば当然再び毒におかされてしまうことは必至です。
しかも伊達は先ほどの解毒のため、自らの地の半分を放出してしまっているわけで……
もう一度同じことをすればさすがの伊達も生き延びられないでしょう。
ここを一突きすれば俺は終わる、そして貴様も道連れとなる!
毒蝮はそんなことができるはずもないと笑っているのです!
伊達はそんな毒蝮を見て、舌打ちするばかり。
お前ほどの男でも命は惜しいか、と高笑いした毒蝮、ならばその命を摘み取ってやろう!と立ち上がりました。
が、その直後、毒蝮は伊達の背後に回っていたのです!!
目にもとまらぬ俊敏な動きを見せた毒蝮、さらに伊達の肩口を手刀で切り付けていたようです!
あまりの速さに、戦いを見守っていた僧たちも戦慄……!!
異常ともいえるその身体能力の理由は、毒蝮の奥義「凶毒血界」にあるのでした。
他人に降りかかれば必殺の毒薬となるその血液は、脈々と受け継がれている蝮一族にとっては妙薬そのもの。
その毒の力によって筋繊維は肥大化、神経の伝達速度も向上し、常人の三倍以上の身体能力を有するに至っていたのです!
飛び散る血液は触れるだけで死へ直行。
さらに増強された身体能力で、目にもとまらぬ攻撃を仕掛けられる……
凶毒血界は、まさに攻防一体の奥義なのです!!

すんでのところでかわしているのか、伊達の受けている傷が浅いものです。
が、浅手とは言え血液は流れていってしまい……
このままではもうギリギリともいえる失血が限界を突破し、命を失ってしまうことでしょう。
攻撃もできず、動きも見きれない貴様にもはや勝機はない!
そう言って毒蝮は、その動きを一層素早くし……伊達の背後へ!!
とどめの一撃を放とうとしたのですが……その直前、伊達が動いたのです!!
貴様の動きは目では追えねえ、だがはっきりと見えたぜ!!
そう言ってのける伊達の瞳は、しっかりと瞑られていました!!
目に頼らず、気配で相手を捕える……
覇極流、心眼滅殺槍がさく裂したのでした!!

槍の柄尻で腹部を痛打された毒蝮は悶絶。
完全にその動きは止まってしまいました。
そして伊達は、命欲しさに攻撃をためらったわけではないと毒蝮を一喝したのです。
己の命など惜しくない、無抵抗の奴はやらないだけだ。
三面拳が俺を信じ、おのれの意思を託したのだ。
この槍に奴らの思いを込め、貴様を射つ!!
渾身の力で投擲された伊達の槍!!
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その槍は、毒蝮の口中につきたちました!!!
大の字に大地にたたきつけられた毒蝮に、伊達は吐き捨てます。
その槍はくれてやる、冥土の土産に取っておきな!!

追い込まれる瞬間もあったものの、ふたを開けてみればやはり伊達の圧勝。
歓喜に沸き立つ僧たちは、王に勝利認定を早くしてくれ、と伊達の治療に備えるのですが……
王はこんなことを言いだすのです。
まだだ、両者の生存を確認!
……その時のことです。
顔面を貫かれたはずの毒蝮が、立ち上がったのは!!
しかも毒蝮の体は、不気味などす黒い色へと変化しているではありませんか。
この槍は俺の命にまでは届かなかったな。
そう言って毒蝮が槍を吐きだすと……
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なんとその槍、突き刺さったはずの矛先が解けてなくなってしまっているのです!!
毒蝮の体内に蓄えられているという極血、一族秘伝の「叡血」。
今まで以上のさらなる猛毒と、身体能力の強化をもたらす蝮流究極奥義、「全凶毒装」!!
王は漏らします。
もはや伊達に1%の勝機もない、と……!!
この全凶毒装はあまりにも恐ろしおすぎる奥義です。
触れれば布だろうと皮だろうと金属だろうと、その瞬間にドロドロに溶かしてしまう猛毒を全身から放出する子の技は、無敵の盾と言っても過言ではない防御能力を持っています。
同時に、その毒が少しでも体にかすりでもすれば、即、命に直結する致命打になる最強の矛ともなっていて……!!
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本来ならぶことのないはずである最強の矛と盾を併せ持つ存在となってしまった毒蝮。
まして今の伊達には槍もないわけで、その絶望的な状況はさらに絶望の度合いを深めています!!
魔は屋打つ手なしと言っても過言ではないこの状況、伊達に打つ手はあるのでしょうか!?
VS毒蝮編、最終局面です……!!


というわけで、三面拳編が完結する今巻。
男塾にはもはやつきものと言っていい毒ですが、ここまで毒に全振りした敵は今までいませんでした。
仲間が使えば流石、敵が使えば卑怯と言われてしまう男塾の毒ですが、ここまで大っぴらに堂々と使われてしまえばそんなレベルではないでしょう!
猛毒そのものとなった毒蝮に、槍のない伊達はどう立ち向かうのか!!
本編ともいえる「極!」ではもう味わえない(?)、ギャグなしのシリアス一辺倒、命懸けのバトルが味わえます!!

そして物語は新章へ!!
毒蝮との戦いで槍を失ったことから派生する物語となっています!
本作の特徴の一つとして、「男塾」キャラの見た目や使う技がそっくりそのままながら、別人というキャラクターの登場があるのですが、新章でもそんな新キャラが登場!
今回登場するそっくりさんキャラはどんなキャラなのか?
そしてそのキャラがどんな戦いを見せるのか?
新シリーズも見どころ満点になりそうです!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!