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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄牌のジャン!」第2巻 西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。

さて、老舗雀荘サンバンチに現れた無頼の男、ジャンが無敗を宣言して様々な相手と戦いを繰り広げる本作。
もともとの実力も去るものながら、いかさま上等のダーティな手も得意とすジャン、並み居る敵をなぎ倒していくのですが……?


麻雀道場、という看板が掲げられた大きなお屋敷。
そこにある雀卓の一つで、4人の男が対局しています。
その中の口ひげの男が、悩んだ末に力強くリーチを宣言!
力強く牌を捨て、リー棒を場に投げつけようとするのですが、その手をがっしりとつかむ謎の坊主が現れます。
強打は厳禁なり、と叫ぶその男、外間白道。
聴牌前のハク打ちは犯してはならない禁忌だ、という妙な主義を持っているようですが、どうやらこの道場を主宰し、おまけにそれなりに多くの生徒を抱える大物の様子。
健全なる運は健全なる麻雀にしか宿らない、しかし健全なる私の教えを守れば無敵の麻雀道の一端に踏み込める。
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そんな教えを標榜する白道のもとには、大谷との右腕的な存在のはずだった紅月もいて……?

その大谷ですが、白道のことを疎ましく思っていました。
白道は最近メディアでも知名度を上げてきていまして、雑誌などで麻雀のプロを否定するような宣言をしています。
大谷は自分の儲けの邪魔になりそうな白道を苦々しく思っており、マスメディアから提案された麻雀道場VS大谷のプロ組織、全雀連の対抗戦、という企画設けるべきかと考えている状況で。
ですが無策で勝負を受けるほど良くも悪くも素直ではない大谷、紅月を内偵にはなっていたのですが……
その紅月から罹ってきた報告の電話は、大谷をさらにイラつかせるものだったのです!
なんと紅月、文字通り「身も心も」白道に篭絡されてしまっていまして、電話口からは白道と相手をしている声を延々と聞かされることになったのです!!
自分の商売敵になるだけでは飽き足らず、女までもが奪われてしまった大谷は堪忍袋の緒が完全にkぃれてしまい……
全面戦争じゃ!!と怒号を上げながら電話を踏み壊すのでした!!

サンバンチでも、麻雀道場のうわさがささやきあわれていました。
白道という男は相当強いらしいけどどうなんだろう、でも麻雀は運ゲーだしな、などと好き勝手に言いあっているなか、ジャンは白道の顔を見て胡散臭い面をしている、と完全に他人事のように考えていました。
するとそこに、思いがけない来客が現れました!
少し前にジャンと、それはもうダーティな試合を繰り広げた九条蛇美です!!
蛇美が現れたのは、なんでもジャン用事があるからだとのこと。
前回はいきなり毒を飲まされた苦い経験があるジャンは警戒しながらその話を聞くのですが、今回はどうも喧嘩を売りに来たわけではなさそうです。
銀子には内緒で頼みたい、とお願いをしてくる蛇美。
そのお願いとは……自分と組んで、全雀連としてVS麻雀道場の対極に出てほしい、というものだったのです!!
何が何でも勝ちたい大谷は、知り合いの中で最も「勝ち」を追求する蛇美に白羽の矢を立てたわけです。
大谷のことは正直嫌いな蛇美ですが、ジャンを倒してみせるという約束を果たせなかったことをついてこられるとさすがに大きくは出られません。
パートナーを自分が好きに決めていい、と言う条件を出して出場を承諾したのです。
そして蛇美が選んだのが、ほかならぬジャン!
自分と互角以上にわたりあったという事実ももちろんあるのでしょうが、ジャンを選んだ理由は裏の世界でなの知れ渡った雀ゴロ、黒鉄幹二郎の孫だからだ、と言います。
幹二郎と白道は、同じようなことを言っているとか。
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「自分は麻雀で負けたことがない」と……!!
幹二郎に徹底した麻雀道を叩きこまれたジャンとしては、その言い草は放っておけません。
どっちが本物かわからせるために、叩き潰してやりたくなったでしょ?
そうウインクする蛇美に対し、ジャンはにやりと笑って頷くのでした!!

ジャンが急な休みをとったことにイライラしている銀子、小此木に誘われるがまま配信動画を見ることになりました。
それはあの、全雀連VS麻雀道場の対抗戦!!
麻雀道場の選手として登場するのはあの紅月と、もちろん彼が出なければ始まらない白道。
そして全雀連の
選手として紹介されたのは、九条蛇美と、期待のホープ、「黒井雀」!!
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……この黒井雀という女性……そう、ジャンがかつらをかぶって女装した姿!!
まさかの姿で行われるこの対局、荒れ模様の予感がビンビンしてきます!!!


というわけで、VS白道戦が収録された今巻。
麻雀で負けたことがない、と公然と吹聴するような男が、おまけにスパイを篭絡してしまうような男が、まともな麻雀を討つわけがありません。
さらに言えば、対局するのが蛇美にジャン、となればまともな麻雀になるはずもなし!
白道の麻雀無敗のからくりはどこにあるのか?
そしてジャン達はそれを看破し、打ち砕くことができるのか!?
激しいダーティな技の応酬になっていきそうなこの対局、今巻で完全決着!!
最後まで見逃せませんよ!!

さらにこのエピソードの前にも見ごたえあるエピソードがつまっています!
前巻から繰り広げられている、蛇美VSジャンの戦いの結末が描かれたあと、今度は「鉄鍋」の湯水スグル&刈衣さんコンビを思い起こさせる、温水スグル&加納さんのタッグが登場!!
スグルは「鉄鍋」よりもウザったさがよりアップ、加納さんはほとんど印象変わらずそのままの活躍を見せてくれますよ!!
さらにそのエピソードでは、思いもよらないジャンの弱点も判明!
「鉄鍋」でも弱点が判明して泣いてしまうエピソードがありましたが、キャラクターだけではなく、そんなエピソードや女装と言う一発ネタ的な部分まで今巻も再現してくれたわけです!!
麻雀漫画としての楽しみに加え、やっぱりこだわりを見せる料理シーン、そしてジャンファン感涙のファンサービスが今回も全開ですよ!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!