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今回紹介いたしますのはこちら。

「惰性67パーセント」第2巻 紙魚丸先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックス・ウルトラより刊行です。

さて、美大に通う吉澤達4人がだらだらと過ごす日常を描いていく本作。
果たして今巻で巻き起こる事件とは……?


吉澤の部屋を訪ねる西田。
インターホンを鳴らすと、ドア開いてるから勝手にはいれば?と言う声が聞こえてきました。
が、その声は吉澤のものではありません。
中に入って確認してみると、そこにいたのは北原でした。
なんでも吉澤はお菓子を買いに行ったんだそうで、その間北原が留守番をしているようです。
そして留守番とともに、市長も任されたのだとか。
北原が任された市長と言うのは……パソコンに入れられた、昔のゲームの話。
シティをシムするそのゲーム、彼らの世代では知らなくてもおかしくはありません。(まだ続編が出ている現役のシリーズですが!)
特に興味もなさそうな西田ですが、そこでおもむろに北原も席を外すのです。
煙草買ってくるから市長やっといて、と出ていこうとする北原に、西田はどうすればいいのかと尋ねました。
北原から帰ってきたアドバイスは実に簡潔。
アドバイザーの言うこと聞いてれば問題ないから。
でも税率下げろって訴えは全部無視ね。
……簗ゲームだな、などと漏らしながら、一人モニターとにらめっこをする西田。
西田はゲームをやらないわけではありませんが、こう言ったこまごまとしたゲームは苦手なようです。
海底都市でも作れれば面白いのに、と最初こそモニターに集中していたものの、すぐに意識は別のことへと向かってしまいました。
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しかしあれだな、女の部屋に一人でいるってスゲーな。
西田はそのセキュリティ意識の低さに感心(?)するのですが、その意識の低さをついてあるいたずらを思いつくのでした!

まず玄関に向かい、自分の靴を回収、そしてベランダへ隠しました。
そして今度は押し入れの扉を開き、そこに隠れたのです。
吉澤は北原に留守番を頼み、北原は西田に留守番を頼んだ。
ということは、吉澤はこの部屋に西田がいることを知らないわけです。
のこのこと帰ってきたところに押し入れから飛び出すことで、吉澤はびっくりする……
先日西田は吉澤にちょっとしたいたずらを仕掛けられましたので、これくらいのいたずらならトントンだろう、というわけです!
……吉澤はなかなか帰ってきません。
暗い押し入れの中で一人でいると、いろいろと考えてしまいます。
なんだかこれは思い描いていたキャンパスライフと違う気がする。
大学生ってもっとバー的なところでカクテルなんか飲んじゃったり、表参道のカフェでお茶したりすんじゃねーの?
なのに俺たちは基本的にラーメンか天丼の二択で、たまにする遠出は町田の電気店のおもちゃ売り場だ。
この全く色気のない空気はどうなんだろうか……
でも、この雑な距離感自体の居心地は悪くないんだよな……
などと考えておりますと、吉澤が帰ってきました。
北原いねーじゃん!などといいながら、わずかに開いた押し入れの戸から見える視界に入ってきた吉澤は
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あついあついとなんかいきなり脱ぎ始めてます!!
ブラまで外してしまった吉澤、見られてしまっているとも知らずに、ゲーム内で発電所が爆発していることに文句をつけていました。
市長もできねえのかよとぼやく吉澤の後ろ姿を見つめるしかない西田……完全に出るタイミングを逸してしまいました。
脱いでいることなんか知らないふりをして飛び出してしまえば、事故で押し通せたのかもしれない。
出も今となってはその言い訳もできず、ただの出刃が目になってしまっている……
どうしていいかわからない西田、押し入れの中を無意識にまさぐっていると、何か得体のしれないゴムの棒のようなものに触れました。
握ってみると、何かスイッチのようなものが付いていることに気が付き……?

ほどなくして北原も返ってきました。
トップレスのまま、鍵かけないままでかけるなよ!と文句を言う吉澤ですが、北原は西田に留守番も市長も任せたのにな、と首をかしげます。
が、そんなことよりシャツくらい着ろよ、と冷静に指摘しますと、吉澤は今着るところだよ!と反論し……押し入れを、開けちゃいました!
そこにいたのは……
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第1巻で手に入れたパージェス動物群を握りしめた西田で……!!


というわけで、今回もエロス要素がわずかに漂うどうしようもない日常生活を描いていく本作。
このほかのお話でも、徹底してだらしなくいい加減な吉澤を中心に、西田、伊藤、北原の4人があれこれいたします。
集まってカレーを作ってみたり、気になる看板の先を行ってみたりと言う何気ない一幕の他、みんなで海に行ってみたり、バーベキューをしてみたりと様々なイベントも巻き起こります!!
ですがいくらイベントを催したといえど、参加するのがいつもの4人なわけですから、そんな御大層な出来事が起きるはずもなく……
そんな場でもやっぱりだらだらとした日々が過ぎていくわけです!

そして今巻では巻末に、連載開始前に発表された、本作の原型ともいえる読み切り「多摩バリスティックゼラチン」も収録!
ちょっぴり違う絵柄、逆にすでに出来上がっている4人の関係などなど、必見の内容ですよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!