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今回紹介いたしますのはこちら。

「BERSERK(ベルセルク)」第38巻 三浦建太郎先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。

さて、3年ぶりの最新刊刊行となった本作。
海神を退けたガッツたちは再び妖精の島を目指して旅を再開。
そして安住の地を求めて旅をしていたリッケルトとエリカは、グリフィスの治める都・ファルコニアへと到着します。
そこで彼らはいったい何を見るのでしょうか……


リッケルトとエリカがたどり着いた都、ファルコニア。
そこは、怪物が跋扈する外の世界とはまるで違う、楽園のような世界でした。
そしてそこにいたのは、シャルロット王女をめとり、王として君臨しているグリフィス。
グリフィスは多くの民人を受け入れるばかりか、なくなった家族の魂を遺族と対面させる、と言う夢物語のような体験をもさせてくれるのです。
世界に魔界が溢れ、人々が土地を追われる……
そんなことよりも、死んだ家族の魂と対面できる、つまり死が「終わり」ではなく、その先があり、すなわち天国や地獄があり得ると知らしめることのほうが重大なのです。
そのいわゆる奇跡ともいえるような光景を目の当たりにすれば、人々はグリフィスのことを自然とあがめるようになり、ファルコニアがより一層堅牢な国へとなっていくわけです。

そんな光景を見たリッケルトは、驚愕するばかりなのですが……人と人とのつながりのおかげで、グリフィスと謁見することができそう。
ですがその前に見せたいものがある、と新生鷹の団の将軍の一人、ロクスによってあるものを見せられることとなりました。
連れていかれたのは、万魔殿と呼ばれる、一般の兵士たちは恐ろしがって近寄ろうともしない「戦魔兵」の巣です。
ロクスは気が付いていました。
リッケルトが、「蝕」に巻き込まれず、生き残っていたかつての鷹の団の一員だということに。
あの日何があったのか本人に問いただしたいのか?と尋ねてくるロクスですが、それはすでにガッツから聞いてはいます。
だからこそリッケルト自身も、今になってグリフィスと会ってどうするのかわからないのです。
ともかく、ロクスはそのことをグリフィスに問うにせよ問わないにせよ、見ておいたほうがいい、と万魔殿の中へとリッケルトを導きました。
そこで繰り広げられていたのは……
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闘技場で行われている、怪物同士の戦いでした!
その怪物は……使徒と呼ばれるもの。
グリフィスの率いる光の鷹の顎にして鉤爪だという戦魔兵をみて、リッケルトはさらに驚愕します。
こんな怪物たちと引き換えにするために、グリフィスは鷹の団を……!!
激情をあらわにするリッケルトですが、ロクスは言うのです。
死とはもともと人間、光の鷹が率いなければ、あれはただ欲望をむさぼるだけの存在だった。
そんな外道の者にすら、居場所を与えたもうたのだ。
戦は免れずとも人と人との争いはもはやなく、死は免れずとも恐れる必要はなくなった。
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峻烈なる理想郷、それがこの国、ファルコニアだ。

光の鷹……グリフィスは、お茶の時間を楽しんでいました。
シャルロットのふるまうハーブティーを、法王やソーニャとともにたしなみ、心を落ち着ける。
……そんな場所にリッケルトは訪れました。
シャルロットの記憶の中に、リッケルトのことはかけらもないようで、その来訪者が誰なのかわかっていないようです。
グリフィスはシャルロットたちに席を外すと告げると、ゆっくりとリッケルトのほうへ歩み寄ってきました。
リッケルトの頭の中では、様々な思いが渦巻いていました。
何を話す、縋るような瞳の人々の群れを、二度と目にすることがないと思っていた都の賑わいを見て。
……神のような、悪魔のような偉業を目の当たりにして。
こんなちっぽけな俺が……
グリフィスは、リッケルトの目の前まで来て足を止めました。
こうしてグリフィスが、かつての仲間を目の前にしたのはいつ以来でしょうか。
やがて彼は口を開きます。
それでも同じ夢を見るのか。
あの剣の丘での問いの答えは出たのか?リッケルト。
……その言葉を聞いた瞬間。
リッケルトは
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グリフィスの頬を張ったのでした!!


というわけで、リッケルトと「光の鷹」の再会を描いた今巻。
今巻の前半では、仲間を裏切って力を手にしたグリフィスが、その血で汚れた手で作り上げた理想郷の素晴らしさを描いていくことになります。
ですがその素晴らしさは、その裏にどす黒いものが内在しているのです。
リッケルトはグリフィスと出会い、これからの自らの行動の決断を強いられることになります。
その時エリカはどうするのか?
グリフィスはリッケルトをどうするのか、そしてグリフィスの部下たちは……?
知らずのうちに鷹の団の影を追い続けていたリッケルトに、とうとう決別の時が訪れるのでしょうか……

そしてガッツたち一向の物語も進行します。
ついにたどり着いた妖精の島、そこでガッツたちを迎えるものは?
決戦に挑むための準備は、この妖精の島にたどり着いたことですべて整うのでしょうか。
リッケルトたちのもとにも集まりつつある反グリフィスの力。
それらもやがてガッツたちと交わり、決戦へと向かっていくのでしょうか!?
これから先も目の離せない展開は続きそうですが……
とりあえず、次巻以降のなるべく早い発売をお願いしたいところです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!