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今回紹介いたしますのはこちら。

「池袋レインボー劇場」第1巻 えりちん先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。

えりちん先生は02年に「みたむらくん」で連載デビューした漫画家さんです。
その後10年に「描かないマンガ家」を連載、両作品とも4年ほど連載するヒット作となりました。
両作品に共通しているのは主人公がダメ人間であること。
そんなダメ人間を描くことに定評のあるえりちん先生が描く、最新作は……?


高速バスから降りてきた少女、ユキ。
彼女はこの池袋に初めてやってきたのですが、道に迷う様子はありません。
足取りも軽く進んでいき、たどり着いたのはアパートの一室。
インターフォンを鳴らすと、中から出てきたのは金髪の男性でした。
金髪の男性は、ユキがやってきたことに驚いた様子。
それもそのはず、ユキは彼に何も告げずにいきなりここにやってきたのですから!

家出してきた、と言うユキは、この金髪の男性と遠距離恋愛をしていました。
いろいろあって家を飛び出してきたユキですが、そのいろいろの中で携帯電話が壊れてしまって連絡が取れなくなってしまったそうで。
そこでノンアポではあるものの、愛する彼のもとに身を寄せようと、ネットの地図で覚えた道筋を頼りにこの家を訪ねようと思ったのでした。
が、なんだか金髪の男性はユキを家にあげたくない感じ。
ユキはその気配をあまり感じ取れなかったようで、これから自分も働いて支えていく、あなたの夢をかなえるのが私の夢だ、と彼に好き好きアピールをしていくのですが……
ほどなくその思いは全部きれいに消え失せてしまうことになります。
ユキは発見してしまうのです。
ベッドの布団の中に隠れていた、一人の女性を。
……その女性は、金髪の男性の「こっちの彼女」でした。
おまけに彼女、二股をかけていた、と言うことすら知っているようで。
そのうえで、どっちかを選べ、自分を選んだら「さっきの続き」をする、と言いだして……
追い詰められた(?)金髪の男性は、結局「さっきの続き」のほうを選んでしまうのでした!!


これからどうしようか。
公園のベンチでユキは考え込んでいました。
神戸の実家にもどるか?
でも「あの」おばあちゃんがいる家に帰ることを思うと、背筋がぞっとします。
かといって、こっちでも彼女を作ったあげく、自分があげたシャツをその女性に着させるような彼氏……もとい、元彼氏のお世話になる気もありません。
とりあえずできるだけのことはしよう、といろいろ行動を開始するのでした。

が、住所もない、学生だけに身分証もまともなものがないというこの身の上では何一つ満足にできません。
住む場所がなければ働きもできませんし、とりあえず一晩の宿にしようと考えた漫画喫茶も身分証なしでは最初の会員登録のようなものすらできないのです。
うろついているおまわりさんに警戒しながら、なんとか働き口はないかと探し回ります。
そんな最情報誌で見つけたのは、住み込みあり、未経験者歓迎、と言う「エステ」の広告。
これだ、と地図を頼りにそこに向かっていきますと……
足元に、コロコロとロール型のリボンが転がってきました。
ユキはそれを拾い上げ、落としましたよとその持ち主であろう老人へと手渡しますと……その老人のすぐ横には、たくさんの同じようなリボンが置いてありました。
売っているのか?誰が買うんだろう?とそんなことを考えながら、ついでにこの地図の場所はどこなのかと尋ねてみるユキ。
老人はその場所を教えて呉れた後、こう言ってきました。
なぁお姉ちゃん、「エステ」もいいけどさぁ、リボン拾ったんだもん、運命を感じないかい?
よくわからないその言葉に振り向くと、老人は頭上を指さしています。
その指さした先にあるのは
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池袋レインボー劇場、と書かれた。きらびやかな看板……!
その建物が何かはわかりません。
わかりませんが、ユキは……こう答えるのです!
何も感じません、と。

早速向かった「エステ」。
責任者らしい男性はにこやかに迎えてくれるのですが、どうやら、と言うか、やはりここは雪が考えていたようなエステではないようです。
うちは18歳未満でも偽の保険証貸し出せるからいつ病気をもらっても安心だよ、誰に聞かれても18歳ですけどって答えてね、病気持ってる?最初は体験入店してもらってから本格的に働くか考えてもらう……
わけがわからないままうなずいていると、公衆のDVDを見てもらう、と映像を流し始める責任者。
するとそこに映し出されたのは……まぁ、そう言うあれなわけで。
ですがユキは、高校も出ず、帰る場所もなく、夢も希望もない18で家でした女が一人で生きるって言うことはそう言うことなんだな、と、あきらめとともに運命を受け入れるのです……
が。
やっぱりそういう経験が全くないユキ、じゃあ実践してみよう、と男性のあれを見せられて完全にドン引きしてしまいました。
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絶対無理!と叫び、エステを飛び出してしまったのです!!
全力疾走で逃げ出しながらも、頭を駆け巡るのはこれからどうするか、です。
考えが甘かった、どうするんだ、生きられない、帰るところなんてないのに!!
そんな絶望と恐怖で何も見えていなかったのでしょう。
曲がり角で、ユキは一人の女性とぶつかってしまいました!!
派手に転倒する二人……と思いきや、ぶつかった女性は倒れず、ブリッジで耐えています。
そしてそのまま体を起こし……雪にこんなことを言いだすのです。
不意に激しく体当たりされたというのに倒れないアタシ。
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体幹、スゴくない?
……この謎だらけの女性はいったい何者なのか。
身寄りのない家出少女だったユキの運命がこの出会いで大きく変わることは、この場にいた誰もが予想すらしていなかったでしょう……!!


というわけで、ユキの人生の転機から始まる物語を描く本作。
後さき考えず家出をしてきたユキではありますが、彼女なりの事情もありまして。
ただ衝動的に言えsでしてきたわけではない、その背景も徐々に語られていくことになります。
そんな背景もあって家には戻れないユキが出会ったのが、この謎の女性、歩夢と「レインボー劇場」。
そのあとユキが見たものは、彼女の中でなりを潜め、くすぶり続けていたある感情を思い起こさせ、彼女にこれから先進む道を見出させることになるのです!!
その先に進む道とは……!!

漫画作品にはあまりない題材を選んだ本作、主人公がなんといいますか、放っておけないタイプと言いますか、応援したくなる感じで感情移入できることうけあい!
苦労してきた彼女が、夜の街でどのような人生を今後歩んでいくことになるのか?
成功するにしても失敗するにしても……怖くもあり、楽しみでもある本作の、彼女のこれからに目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!