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今回紹介いたしますのはこちら。

「VECTOR BALL(ベクターボール)」第1巻 雷句誠先生 

講談社さんのマガジンKCより刊行です。

雷句先生は91年に小学館さんの漫画賞を受賞しデビューした漫画家さんです。
その後藤田和日郎先生のアシスタントをして経験を積みながら読み切りを発表、01年より「金色のガッシュ!!」の連載を開始し、アニメ化、映画化を果たす人気作となりました。
が、その連載終了前後に小学館さんとのトラブルがおこり、連載終了後小学館さんと決別。
メインの活動の場を講談社さんに移し、09年から13年まで別冊少年マガジンで「どうぶつの国」を連載、16年より週刊少年マガジンにて本作で久しぶりの週刊連載を開始しました。

そんな雷句先生の最新作である本作は、学園を舞台にした能力バトル的な作品となっています。
雷句先生の持ち味であるコミカルさと熱い展開が本作でも楽しめます!!


奇妙な歌を歌いながら、立体パズルのようなものをいじっている男、米炊おかか。
スポーツ刈りの友人らしき人物があいさつをしてくるものの、おかかは依然その歌とパズルをやめず、無視を決め込んでいます。
たまりかねた友人は、おもむろに猛烈な勢いのキックとストレートをさく裂!
ものすごいダメージを受けるおかかですが、そのダメージを隠して指を振り、大したことないぜと言わんばかりのアピールで返します。
すると友人は、いきなりカバンからイカ焼きを取り出し、むっちゃむっちゃと食べ始めるのでした……

そんな謎のあいさつをした後、ようやく二人は会話を始めます。
おかかが興じているのは、昨日学校の中庭で拾ったというボール状のパズルです。
中央のぼんやり光っている球が外れるようにするパズルであろうと予想はできるのですが、知恵の輪やらルービックキューブやらと言うパズルが大得意なおかかをもってしても、クリアは困難なようです。
パッと見で解き方がわからないのは初めてだ、というおかかですが……こう門をくぐったところで突然友人は足を止めました。
その理由は……学校にあります。
近頃二人の通うこの学校は、奇妙な事件が頻発しています。
教室の場所を間違える。
一日前のことを思いだせない。
お昼休みの記憶だけが抜け落ちている。
そんな細かなことならば、たまたま奇妙なことが連続したで済むのでしょうが、ついにそんな中で男子生徒が「大きな刃物を持った男」に殺されかけた、という事件が起こってしまいます。
彼の恐怖におびえた顔や、壁につけられた巨大な傷跡などから、どうも嘘や冗談ではなさそうです。
が、男子生徒の語った「大きな刃物を持った男」の特徴はとんでもないものだったのです。
身の丈2メートル以上、顔は暗くてよく見えないが、避けた口から牙がたくさん見えた。
大きなナイフを両手に6本以上持っていて、芦は丸太のように太い……
そんな異様な情報が錯綜する学校には、恐怖だけが残されることとなったのでした。

昼休み。
おかかは、なんかクリーチャー的風貌の友人、魑魅くんに近頃の学校の情報を集めるようたのんでいました。
学校中がおびえている、と現在の状況を憂えたおかかですが、そこに肉まんとあんまんを食べながら楽しそうに歩いている2人の女子が現れます。
思わず、おびえろブス、と心の中で突っ込みを入れますと、二人の女子は心の声が聞こえたぞ!!と泥団子を作っておかかに投げつけてきました!!
が、魑魅がいち早くその前に立ちはだかり、どこを狙ってる!?と言いながらその泥団子を弾き飛ばしたのです!!
……おかかの顔面に。
そして女子と魑魅は、それが狙いだったかのようににやりと笑うのでした……

ともかく、魑魅は情報収集を引き受けてくれました。
おかかも教室に向かい、授業を受けようとしていたのですが……同じクラスの男子、高野の姿が見えません。
ざわめきに包まれるクラス。
高のは授業をさぼるやつじゃない、刃物の奴って本当にいるのか?
ざわつくクラスメイトの中には、恐怖のあまり震えているものも少なくなく……
本当に嫌な空気だな。
そう感じたおかかは、立ち上がって高野を探してくると教室を出ようとします。
先生もおびえているようで、勝手な行動をするなとおかかをしかりつけるのですが、そんなおかかの視界に、ひとり廊下を走る生徒が飛び込んできました。
それを見た途端、おかかは教室を飛び出します。
いるじゃないか、俺と同じ、何とかしたいって思ってるやつが!!
正体が見えないからみんな必要以上におびえてるんだ、刃物男の事件だって、2メートル以上の口が裂けて足が丸太のような奴なんているはずがないんだ。
そんなことを考えていると、前方にこちらに向かってかけてくる高野の姿が見えました。
見つかったと自然に笑顔を浮かべるおかかですが……その高野の背後には
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巨大な、トカゲのような怪物がいるではありませんか!!
しかもそのトカゲの片手には、すでにやられてしまい、ぐったりしている先ほどの生徒が。
目の前で起こったとんでもない出来事に恐怖し、硬直してしまうおかか。
高のはそのままおかかの横を走りさり、近くの教室に逃げ込みます。
ほどなくその教室からは多くの生徒が逃げ出していき……中に残ったのは、高野とトカゲだけ。
教室からは、高野の助けてくれと言う懇願の声だけが響いてきて……
誰がどうやったら助けられるんだよ……?
ガタガタと震えながらそう漏らすおかか。
ですが、その時先ほどのやられてしまった生徒が立ち上がり、その教室に入っていくではありませんか!!
おかかは、その教室に入るのか、やめろ、やられるぞ!と叫ぶものの、生徒はおかかに怒鳴り返してきました。
そんなことは百も承知だよ、好きでこんな血を流してると思うのかい!?
やがて生徒は、涙を流しながら教室に駆け込んでいったではありませんか!!
……ほどなく教室から聞こえてくる叫び声。
あれが断末魔か、と目を閉じてその声を聞くおかか……ですが、恐怖とともにもう一つの思いが沸き上がるのです。
すげえ。
高野は、あいつがどうしても助けたい親友だったのか?
いや、他人でも命をかけて人を助けられる、そんなやつなのか?
そのどっちでも凄い、どちらも俺には足りないものだ。
親友のために戦う、人の命が危ないから救うために戦う。
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……ああ、あんな友達が欲しいなぁ……

助けに入った生徒は、今まさにとどめを刺されようとしていました。
僕が助けないと、弱くても、僕しかみんなを助けられないから。
頑張らなきゃ……
そんな思いもむなしく、体は言うことを聞きません。
駄目だ、助けてくれ、誰か……
ついにはそう懇願するしかなくなった彼。
目の前に市が迫るその時……
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待てよトカゲ、と言う声とともに……おかかが、その教室の中に入ってきたのです!!


というわけで、おかかと一人謎の怪物と戦う少年・新太の出会いから始まる本作。
この後、謎だらけだった本作の形が明らかになっていき、より一層物語が盛り上がっていくこととなります。
このトカゲ男は何なのか、学校全体を襲っている異変の真実は、新太の正体は?
物語の鍵は、おかかのいじっていたあのパズル、ベクターボールにあることがわかり……
そして、この戦いがもはや無視することはできない、とんでもない真実が隠されていることも判明!!
おかかはそんな異常事態の中、戦うことを決意できるのか?
有無を言わさぬ事態がおかかに襲い掛かり、その決断を強いてくるのです!!

得体のしれない化け物に、立ち向かっていくおかかと新太。
その姿はやはり雷句先生作品らしい熱さを持っていまして、そこが最大の見どころと言えるでしょう。
ですが忘れてはいけないのが、隙あらばねじ込んでくる勢い任せだったり、シュールだったりするギャグ!!
ネットでも一時話題になった「おびえろブス!!」のくだりはもちろんのこと、シリアスなシーンでも牙をむいていくる怒涛のギャグは……何と言いますか、圧巻!!
今後のストーリーの展開などに加え、ギャグにも要注目です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!