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今回紹介いたしますのはこちら。

「奈落の羊」第2巻 きづきあきら先生+サトウナンキ先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、ホームレス同然だったメイと、動画配信で食っていこうとしている修二が出会った前巻。
動画のネタにしようと近づいた修二ですが、縋るもののないメイは次第に彼を頼るようになっていきます。
修二も動画のネタのためと言いながらも彼女に何かを感じ始めているようですが、修二の行動をひっかきまわして陰でほくそ笑む嘉門や、いかにも堅気ではない男・ギバも絡み始め、物語はますます混とんとしていくのでした。


メイの過去をえぐり取るような企画を試み、リスナーからの大反響を得ることのできた修二。
次はどうするのかと言うところですが、まずはメイを「改造」してみようと考えました。
美容院のカットモデルとして無料で整髪してもらい、化粧品を渡してメイクさせてみると……
メイは見違えるほど美しくなりました。
その豹変ぶりに思わずほほを染めて硬直してしまう修二でしたが、そこはそれ。
リスナーからの評判も上々で、彼女を応援するコメントが一気に増えました。
その中の、もっとお金を上げたら売りをやめられるのか?というコメントを見つけ……修二は思案を巡らせます。
そして、彼女に2万円を差し出しました。
リスナーが支援したいって言ってる、企画がうまくいったらもっとギャラを払うから、これで売りはやめられるだろう?
修二はそう言うのですが、メイはか細い声で答えるのです。
「お仕事」は続けます。
きっと、こんないい時はずっとは続かないから。
あっそ、とそっけない返事を返す修二ですが、内心は穏やかではないのかもしれません。
嘉門のリスナーが飽きれば終わりなんだし、メイの言う通りかもしれないという言葉にも、苛立ちを隠せないままそんなのわかってると語気を荒げるのです。
が、そんな修二の心を一番かき乱したのは、そのあとの嘉門の言葉でした。
綺麗になったし、人気でるんじゃない?
リスナーにも、売りのお客さんにも。

夜になり、修二は何をするでもなく一人部屋でくつろいでしました。
すると突然、嘉門から電話がかかってきます。
電話口の嘉門は、何やら焦っている様子。
なにやってんの?放送見てないの?今トップに来てる!
ただ事ではなさそうなその剣幕に押され、動画サイトに行ってみると……とんでもないことが起こっています。
迷彩服に帽子、マスク、と言う姿で統一した複数名の男が放送しているらしいその映像。
そこで男たちはこんなことを言っていたのです。
メイちゃんは俺ら「チーム・バックレ」と仲良しになりました。
メイちゃんのいるネカフェはリスナーのタレこみで簡単に見つかりましたよ。
画面の中には、拘束され、口をふさがれているメイの姿が映っていて……!!
男たちは修二に名指しで挑発的な言葉を吐いてきます。
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しゅーじ君見てる?連絡待ってるよ!
というのも、今から俺らとメイちゃんで、しゅーじ君より刺激的な企画をやっちゃうからでーす!

動画は続きます。
チームバックレは、メイを連れて何やら廃工場らしき場所へと入っていきました。
どうやらどこからかこの廃工場の内部に入れるという情報を強いれたらしく、工場内に入ってしまう一同。
その間もどんどん視聴者数は増えていき、チームバックレはほくそ笑むのです。
最近しゅーじ君人気あるって言われてるけど、それはメイちゃんのおかげじゃん?
メイちゃんはしゅーじ君卒業して、チームバックレのチムメンなんで。
何回も言うけど俺ら、しゅーじ君の凸待ち中だからね!
……事態はどんどんと深刻になっているようです。
修二は悩んだ末、自分も放送を開始。
リスナーに、リアル凸してメイちゃんを取り返したいから、場所特定お願いできますか、とお願いしました。
そして、動画越しに嘉門に声をかけ、彼を呼び出して……

嘉門に車を出させ、二人は徐々に集まりだした情報を頼りに走り出しました。
チームバックレはあまり人気はないものの前から存在している配信者で、こんな暴れるような感じのチームではないということ。
そして、問題の場所はある遊園地が映ったから多摩方面ではないか、と言うおぼろげなもの……
その間も、チームバックレの放送は続いています。
メイを水着姿にして、全身にローションを浴びせた状態で、モデルガンで射撃しながらの鬼ごっこ。
修二の放送とはまるで方向は違うものの、良くも悪くもリスナーの注目を集めています。
が、そのあまりのやりすぎともいえる行為に修二のいら立ちは募ります。
明らかにメイに入れこんでいることを看破している嘉門は、でも修二だって彼女にひどいことをさせているわけだし、これを機会に手を引いたらどうだ、と持ち掛けるのですが……
修二は、チームバックレと直接話す、と放送を介して会話を始めたではありませんか!!
やっと来たかと薄ら笑いを浮かべるバックレのリーダーに対し、修二は辛辣な言葉を並べ立てます。
安っぽい深夜番組のようだ、初回からこんな内容なんて戦略がない、こんな企画はできなかったんじゃなくてやらなかったんだ。
場所を教えろ、俺もいたほうが盛り上がるだろ?
お前らクズとしゅーじ様の誓いを見せてやるよ!
……そう言うと、チームバックレは突然会話を打ち切り、ほかのメンバーに指示をし始めます。
配信もういいよ、まだ頼まれた時間じゃないけど、しゅーじを困らせればいいんだろ?
一番嫌がることをやって、BANくらえばいいんだ。
……すると彼らは、
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メイに直接手を伸ばし、水着をはぎ取って……!!
じゃーね、しゅーじ君、バイバイ。
そんな言葉を残し……そこで映像は途切れました。
修二の言葉は完全に逆効果になってしまったようです。
メイを守っていたのはBANされない程度の配信のぬるさだった、バカはテキトーにいい気分にさせて特定を待てばよかったんだ、かわいそうだけどあきらめるしかない、売りをやってたんだからある程度は耐えられるはずだ、殺しはしない。
嘉門は修二にそう言うのですが……修二は顔面を蒼白にして、コメントだけが流れ続けるチームバックレの動画を見つめ続けるのです……
と、その時です。
突然目を疑うコメントがながれるのです。
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特定した。
祖のコメントともに流れる住所……!!
そのコメントの住所は、間違いなくあの廃工場!!
修二はこのまま警察に通報などしないまま、突撃するのでしょうか?
メイはどうなってしまっているのでしょうか……?
修二は、廃工場へ到着し……!?


というわけで、とんでもない展開となってしまった本作。
前半はメイの過去と、今の状況を確認する展開となり、その部分も十分……いわゆる「胸糞の悪い」展開が描かれているのですが、この後半の展開はもうそれ以上の最悪の展開といえましょう。
縋るもののないメイが、縋った先も、立場こそ幾分ましではあるものの、同じように溺れるものである修二で。
その修二と付き合いを深めていくうちに、メイもこうしてひどい事態に追い込まれていくことになるのです!!
この手にいやな汗を握る展開となっている本作ですが、この後さらに予想だにしない、とんでもないなどという言葉ですら生ぬるい驚愕の事態が巻き起こってしまいます!!
その事態の裏にいるのは……やはりあの男!!
怖気すら走る驚愕の展開……
修二は、メイはこの後どうなってしまうのか?
不安ばかりが立ち込めていく中で、唯一の希望は、わずかずつながら、確実に近づいている2人の関係。
果たして二人はお互いの中にある壁を取り除き、素直な気持ちのまま触れ合うことができるのでしょうか。
しかし立ち込める暗雲は、その希望すらも覆い隠してしまうのかもしれず……
息をのむ泥沼展開、これから先も間違いなく見逃すことのできない展開が続いていくはず。
二人の哀れな子羊の行く末を、見守っていくしかなさそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!