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今回紹介いたしますのはこちら。

「デッド・オア・ストライク」第1・2巻 西森生先生

一迅社さんのREXコミックスより刊行です。

西森先生は01年に少年サンデーの漫画賞で努力賞を受賞し、その後サンデー系の漫画賞を受賞、デビューを果たしました。
その後アシスタントされたのち、講談社さんの今はなきウェブコミックサイト、MiChao!にてラブコメディを連載。
イラストレーターとしての仕事を経て、15年より本作の連載を開始。
この度めでたく単行本刊行となりました。

そんな西森先生が描く本作は、その昔一世を風靡した魔球系の野球漫画。
ですが時代の流れに合わせ、本作ならではの要素が盛り込まれた作品となっているのです!


私立頂高校。
絶大な人気を誇る高校野球の世界で絶対的なネームバリューを持つこの高校は、そのすべてにおいて野球の実力がモノを言う、完全実力主義です。
そんな頂高校の入学式が行われるこの日、高校に向かう電車の中で「野球入門」を読んでいる男がいました。
野球がすべてのこの高校に入るものが、今から野球を覚えるというのでしょうか?
その割には、彼は入門書を読みながら、バットでボールをトスし続けるというとんでもない技術を披露しています。
一見すると矛盾したその姿、一人の女子が気になったようで、声をかけてきました。
突然女子から声をかけられた少年は、慌てて自己紹介。
初月和希、と言うらしい彼、学校内移動のためのモノレールがあるなんてすごい、この学校は自分の住んでいた島より広いと舞い上がった姿を見せます。
ですがそんな姿を見て、この学校の3年生だという彼女は言うのです。
頂高校で野球ができないってことは、死を意味する、と。
と同時に、目的地に到着したようです。
ゆっくりとドアが開くと、その開いた隙間から顔をのぞかせたのは……大量のボール!!
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野球のボールが雨あられのように電車に降り注ぎ、そしてその勢いのままボールの嵐はいつまで続くのかと言うくらい降り注ぎ続け……
やがてそのボールが止んだ後、そのボールをノックしていた男が言いました。
今のノック、キャッチできたやつだけ前へ出ろ。
電車から出てきたのは……和希ただ一人でした!
素手であっさりと球を受けたらしい和希ですが、その実力とは裏腹に「ノックって何?」と口走る始末。
歓迎のレセプションじゃない?ととぼけた返事をする先ほどの女子ですが、ノックをした男はその女子の姿を見て仰天します。
あなたは、一軍専属、雪村沙奈マネージャー!
すぐに地面に頭が付く勢いで最敬礼をする男。
沙奈が言うには、頂高校では1軍に所属しているものは校長や教頭よりも偉い存在で、もはや神と言っていい立場なのだそうです。
で、ノックをしてきた男はと言いますと……頂高校の野球部の大半が所属することになる3軍のキャプテン、碇山。
碇山は、先ほどのテストで和希の3軍入部が許可されたと宣言。
電車の中でボールにノックアウトされた、大半の新入生は3軍以下の掃除部に配属されるのだそうです。
このレベルが3軍、と呟く和希。
想像を絶するレベルの高さに驚いたのか、と思いきや……和希はこう言ってのけたではないですか!
俺、3軍ふっとばして1軍に行きたいんだけど、1軍に案内してよ。
……確かに補欠の補欠と言っていい3軍にいたいものなんていないでしょう。
ですがこの状況fでよくそんなことが言えたものです!!
碇山もその傲岸不遜な態度に苛立ちを隠せず、和希の顔のすぐ横に思いきりボールを投げつけた後……入部テストの続きを宣言するのです。
今のは守備テスト、まだ打撃テストが残っていた。
もちろんクリアせねば、3軍入部すら認めん!!

沙奈を含めた3人は、高さ30メートルのフェンスを備え、両翼は200メートルと言う超広大な球場にやってきます。
ですがやはり和希は余裕を崩さず、また入門書でバットの握り方を調べだして……
実は和希、先ほどのノックでも余裕を見せていまして、沙奈をかばいつつボールを受け止めていました。
女子を大事にするのは当然だ、じいちゃんもいつも言ってるし、とそっち関係でも余裕の表情を見せる和希、その余裕のままだ席に立ちました。
碇山は、純粋な一打席勝負で、ヒット性の当たりが出たら和希の勝ちだと説明するのですが……そのルールに沙奈がケチをつけだしました。
それじゃダメよ。
勝利条件はホームランのみ、それ以外は退学よ。
……一軍は神、神の言うことは絶対。
その神である沙奈によって、和希は一層の窮地に叩き落とされてしまうのです!!

その戦いで、和希はいきなりとんでもないことを言いだしました。
「魔球」を出してくれ、と。
一撃必殺の超絶奥義である魔球、一軍に上がる2はそれを跳ね返さなければいけないと考えたのですが……
碇山もそう簡単に魔球の安売りはしません。
魔球はそんなに安くない、と言うと、碇山の背後にずらりと三軍の選手が並び……
野次に散れ!と碇山が号令した瞬間!
球場中が3軍選手の大音量の野次で、空気振動を起こしたのです!!
おまけに空気振動が衝撃波を巻き起こし、和希の打席が爆発!!
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和希はそれを見きってジャンプでよけたものの、その隙にボールは投球されてストライクを取られてしまうのです!!
その調子であっという間に2ストライクとられてしまうのですが……
和希は、転がっていたボールがたくさん詰まったプラスチックかごを見て何かひらめいたようで。
そのプラスチックかごを思い切りバットで打つと、
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中のボールがすさまじいスピードで3軍の選手に直撃していき、一人残らずノックアウトしてしまったのではありませんか!!
なるほどこの技術、和希の自信の理由もうかがえます。
碇山もその実力がよくわかったようで……地獄を見せてやる!と、魔球投球の宣言をしたのです!!
和希は、待ってました、投げろよ、と碇山を挑発。
その裏で和希は、こんなことを考えていたのです。
俺は野球でのし上がって、この学校をぶっ潰す!!
……野球の頂点にいる頂高校に入部して、その頂高校を潰そうという和希。
いったい彼は、何者なのでしょうか!?


というわけで、魔球飛び交う高校野球の世界に飛び込んだ、和希の戦いを描いていく本作。
この入部テストも十分常識はずれな展開である本作ですが、この後さらにすさまじい常識外れぶりを見せつけてくれるようになっていきます!!
基本は魔球VS秘打(本作では魔振)的な、トンデモ野球マンがなのですが、本作で面白いのは新入生である和希以外は魔球やら魔振を使えて当たり前、というお話であるところ!!
魔球や魔振が当たり前のように飛び交う世界で、非凡なるセンスこそ持っているものの、それらを知らない和希が立ち向かいながら、それらを覚えていくという内容になっているのです!!

こう言った野球漫画で欠かせないのは、頼れる仲間の存在です。
本作でももちろんそう言った仲間が登場し、絆を作っていくという王道展開が用意されているわけですが、そこでネックとなってくるのは和希の目的です。
和希の真の目的は、頂高校を潰すこと。
ほかのキャラクターの多くは高校野球で上に登ることを目指しているわけですから、その事実がわかった時がどうなるのかと言う爆弾を抱えているのです。
飛び交う魔球や魔振、トンデモルールでの戦いを楽しむだけでなく、そう言った物語要素も見逃せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!