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今回紹介いたしますのはこちら。

「続ハーメルンのバイオリン弾き」第8巻 渡辺道明先生 

林檎プロモーションさんのココカラコミックスより刊行です。

さて、コンアモーレでの激戦が続く本作。
本性を現したギータによって、窮地に追い込まれてしまうコルネットでしたが、封印されてしまっていたクラーリィの復活もあり、なんとか生還。
ですがギータはさらに凶暴化し、スフォルツェンドやコンアモーレの民を恐怖に陥れます
そんな光景を、上空から怪しげの少女が見つめていて……?


ギータはさらに恐ろしい姿へと変貌しました。
三つ首の巨大な猛犬であったギータですが、今度はその三つ首が分離。
三体の犬の頭を持ち、羽を生やした悪魔のような姿へと変じたのです!!
三体になったギータは猛攻を繰りひろげます。
空を飛ぶ空中戦艦にしがみついて無力化したかと思えば、別のギータは逃げ惑う民衆の中に飛び込んで蹂躙!
その間も兵隊たちは、残ったもう一体のギータの相手をするのに精いっぱい……
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今までの逆転ムードはどこへやら、瞬く間にコンアモーレは地獄へと逆戻りしてしまったのです!

とにかくこの大ピンチをしのごうと、リュート、クラーリィ、そしてトロンとコルネットの3手にわかれ、それぞれギータの相手をすることにしました。
が、ギータは3体に分離したにもかかわらず、それぞれの戦闘力はほとんど変わらないまま!
クラーリィが切り落とした前足はさすがに再生できないようですが、それでも三体のうちの一体の片腕がないというだけで、そこをついて攻めることは難しく……
かつてはギータを打ち倒したこともあるトロンですが、今回のギータは以前のようにはいきません。
なんとか民たちを守りながらすしのぐのが精いっぱいで、攻勢に出るなどとてもかなわず。
リュートも真正面からぶつかれば、一方的に打ちのめされるばかりで、クラーリィほどの実力者でも追い込まれています。
……ギータは先ほどの分離前の姿の時、他者を踏みつける力など大した力ではない、とクラーリィに言われたことに怒りを感じていました。
力が弱いのお前のほうだろう、と叫びながらクラーリィを痛めつけるギータ。
その脳裏には、この世界での魔王軍でのやり取りがよぎっていました。

超獣軍を率いて人間の国を侵攻したものの、苦戦していたギータは援軍を回してくれるよう、魔王であるハーメルや、ほかの軍団長に懇願。
ですがそんなギータに帰ってきたのは、幻竜軍団長ドラムの踏み付けでした。
何人間なんかにやられてんだバカ犬が、だから人間どもになめられるんだ!
そう言ってガンガンとギータを踏みつけるドラムを止めようというそぶりすら見せないベースJrはそれどころか、なぜ我々が脆弱な貴様の軍の不始末を助成せねばならんのだ、と冷たい言葉と視線を投げかけます。
ハーメルはと言いますと、超獣軍は数だけは吐いて捨ててもいいくらいいくらでもいる、と興味なさげに吐き捨てます。
無数にいるその理由は……弱いから。
砲弾の弾除けに使いながら進めばいいだろうが、と言うハーメルのあまりにも冷たい言葉にも、ギータは従うほかなく……
ギータは、そうやってできた軍団の兵たちの屍の路を歩いてここまでたどり着いています。
冷酷無比、姑息卑劣なギータではありますが、身を挺して自分を守ってくれる、同族の忠実な部下たちの思いを前にしては……やはりその胸に去来するものがあるようです。
弱いと……弱いと、死ぬだけなんだよ!!
ギータはその全身から一層の怒気を噴きあげました。
その怒りのままに、ギータは空中戦艦を破壊しました!!
そしてその戦艦を破壊した後は、もう一隻の……女王ホルンが登場している空中戦艦へ攻撃!!
喰ったものの力を自分の者として取り込むことのできるギータ。
女王ホルンの血肉も食らい、その強大な放りきをものにしてやる!
俺こそが、この世界の王の歯車だ!!
そう叫び、ホルンの乗る戦艦を破壊しようと力を加えるのです!!
……が。
そこに、上空から成り行きを見守っていた少女が降り立ってきたのです。
愚図犬だと思ってたけど、なかなか強いんじゃない?
でも、あんたが強いとつまんないんだよね。
品がないっていうか、がさつで、必死すぎて面白くない。
せっかくのエンタに優雅さが足りないの。
だから私が面白くしてあげる。
そう自分勝手に謳う少女……
突然現れ、わけのわからないことを言いだすその少女を前にして、ギータをはじめとしたその場の全員が唖然としてしまいました。
そんな一同のことなどお構いなしに、彼女は「三つの運命の星(スリーフォーチュンスター)」なるものに願い崖を始めました。
……すると、なんと言うことでしょうか。
ただでさえ戦局の混乱したこの場に……
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巨人を搭載した、三基の空中要塞がいきなり姿を現したのです!!

それは、妖精巨人レプトンと言うとっておきの兵器を搭載した、グローリーの戦艦でした。
「三つの運命の星」の能力は、ひとつのステージで3つの願いをなんでもかなえる、というとんでもないもので。
その能力で、魔族への復讐に燃えるグローリーの戦艦を、ここへと転送したのです!!
彼らの心のうちに燃え滾るのは、とにかく魔族への恨みの気持ちのみ。
そんな一同の目の前に魔族軍がいれば……そう、戦争あるのみです!!
瞬く間に、戦局はより一層混沌に陥ることに……
その事態を招いた少女のことを、妖精のピロロはよく知っていました。
ピロロの暮らしていた妖精界の混沌を深めてめちゃくちゃにして、滅ぼしてしまった最低の女。
その名も、
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フリーズ=アイン=ツバィンバラライカ!!
あの妖精王バラライカの……娘なのです!!
驚愕の人物の登場により、混乱する戦場……
このとんでもない戦局の変化は、クラーリィたちの不利を覆すものとなるのでしょうか?
それとも……


というわけで、VSギータがクライマックスを迎える今巻。
さらなるパワーアップを果たしてしまったギータに翻弄されることとなる一同ですが、そんなギータをも巻き込んでさらなる混乱を招くフリーズが登場。
激戦を超えた、大乱戦となったこの決戦、果たして誰が勝利を手にすることになるのでしょうか?
いや、それとも勝者などいない、フリーズの求める混沌が深まる結果となるのでしょうか!?
クライマックスとなるこのコンアモーレ編ですが、この後混乱は収まるどころか、さらにとんでもない事態へと進展していってしまいます。
この戦いの中で新たな命を宿し、生み出そうとしているフィドル。
文字通り物語の「鍵」となるであろう鍵を持つチェンバロ。
そして……混乱などという言葉では生易しいこの大混戦の場に、降り立ってしまうあの男……!!
目の離せない展開の連続となる本作ですが、今巻でもその目まぐるしい展開は続きます!!
手に汗握り、背筋には冷や汗の伝う衝撃的な出来事も巻き起こって言う本作、まだまだ盛り上がり続けていきそうですよ!!

そしてもちろん渡辺先生らしい、シリアスと思ったところに現れるギャグもばっちりです。
展開上さすがに数のほうは控えめになっていますが、相変わらずの暴走ギャグに思わずくすりときてしまうこと間違いなし!!
そして恒例となった描き下ろしのおまけ漫画のあちらこちらに合計9ページ半収録されておりまして……
今巻もお腹いっぱい楽しめますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!