km0
今回紹介いたしますのはこちら。

「今日は死ぬのにもってこいの日」第3巻 むとうひろし先生 

秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、友人たちと合流することができたショウイチ。
ですが、恋人がらみの問題もあり、みんなの気持ちはバラバラになったままです。
そんな中、ショウイチとマッチョは車の鍵を手にするために自分たちの止まっていた部屋に戻ったのですが、そこにクレイマンが登場!
マッチョはショウイチの腕をつかんで窓から飛び降りて逃げようとしたのですが、飛び降りた後、マッチョは自分がつかんでいるのがショウイチの「腕だけ」であることに気が付いたのでした!


右腕を切断されてしまったショウイチ。
痛みとショックに悶えながら、ショウイチは今なお迫る恐怖におびえることとなります。
自分の腕を切断したクレイマンガ自分を見下ろし、自分に食らいつこうとしている……!
ショウイチは力を振り絞り、スコップでクレイマンを殴りつけました。
たまらずバランスを崩して転倒するクレイマン、ショウイチはその隙に立ち上がろうとするのですが、体を動かしたことで右腕の痛みが激しく襲い掛かったのです!!
たまらず絶叫してしまうショウイチ。
マッチョは窓から飛び出した際にカーテンをつかんでいまして、外でぶら下がっていました。
そんな彼の耳に飛び込んできた、親友の絶叫。
マッチョはすぐにショウイチを助けなければいけないと考えたのでしょう、ぶら下がっていた先にあった、一階下の個室の窓をたたき割りました。
そして鍵を開けて窓を開き、中に躍り込もうとしたのですが、そこでぶら下がっていたカーテンのほうに限界が来てしまいました。
カーテンレールがすべて外れてしまい、よりどころを無くしたマッチョは落下!
すかさず目の前にあった下の階のカーテンをつかんだおかげで、その衝撃はいくらか和らぎましたあ、結局地面にたたきつけられてしまうのです!

ショウイチは、苦痛に顔を歪ませながら、バッグをあさります。
クレイマンに対抗する武器になるものはないかと探るのですが、手に触れたのは多目的ライターくらい。
その間も、立ち上がったクレイマンは奇妙な声にならない声を漏らしながら、じっくりとショウイチに近づいてきていて……
もうだめだ、これが人生最後の光景なのか?
絶望に打ちひしがれるショウイチの脳裏に、同時によぎったのは「マッチョは自分だけ逃げた」と言う恨み。
ショウイチは、それが人生最後の想いなのか、などと考えていると……
km1
その意識は失われ、多目的ライターを握っていた手も力を失うのでした……

地面に落下してしまっていたマッチョ、さすがに痛みは走るものの、体を鍛えていることもあってどうやらけがもないようです。
ですがだからと言って、無事とは言えない状況に陥っていました。
落ちた先に、別のクレイマンが待ち受けていたのです!!
大口を開け、迫ってくるクレイマン!!
マッチョはとっさに、大事に抱えていたショウイチの腕でクレイマンを殴りつけます!!
ですが当然クレイマンがそんな程度で倒せるはずもなく。
わずかに体勢は崩れたものの、ダウンするには至らず、マッチョをにらみつけてくるクレイマン……!!
マッチョは、自分が落下した場所が、ちょうどみんなが隠れている部屋の前だと気が付き、窓を開けてと中に声をかけます。
が、クレイマンが待って暮れているはずもなく……!!
あわや、と言うところで突然そのクレイマンの体に無数の小さな穴が開いたではありませんか!!
km2
その穴は、散弾銃の跡!!
そしてその散弾銃を放ったのは、別の場所でクレイマンに遭遇し、逃げ惑っていたカップルでした!
彼らは、その逃亡の道のりの中で山荘を発見、そこで散弾銃を見つけて護身用に拝借してきたそうで。
クレイマンから逃げて、ようやく見つけた人のいるホテルもクレイマンの巣窟となっているという事実に直面した彼らの心中は穏やかではないでしょうが、マッチョたちにとっては心強い仲間となってくれそうです!
人間をたやすく殺してしまい、その中に潜り込んで同族に変化させてしまう、恐ろしい存在であるクレイマン。
そんな恐ろしい存在が、散弾銃をくらって動かなくなっています。
今まではほとんど逃げるほかなかったクレイマンも、散弾銃で倒せることがわかったのですから!!
そしてカップルのほうも、あながち損ばかりというわけではありません。
今までは二人旅だったため、仮眠やトイレなどを安全に行うのは非常に難しかったわけで。
クレイマンの巣窟にたどり着いてしまったとはいえ、人手が増えるのは助かるはずです!
協力関係築くことになる彼らとマッチョたち。
ですが今はこれで安心するわけにはいきません。
マッチョは、ショウイチの腕をリカに手渡します。
ショウイチの腕だ、救急車を呼んで、腕も冷やした方がいいのかちゃんと調べてくれ、言い残し、マッチョは再びショウイチのもとへと向かっていきます。
リカもマッチョも戸惑いやためらいがあったので手、お互い手が滑り、ショウイチの腕は布団の上に落ちてしまい……
リカはその腕をそっと拾い胸に抱き……
駄目で嫌な女、ごめんなさい。
ショウちゃん、本当に、本当にごめんなさい!
涙ながらに、謝罪をするのです。

ショウイチは、目を覚まします。
うつろな瞳の中に飛び込んできたものが、最初は何かわかりませんでした。
が、それが何なのかわかると、ショウイチは一気に目を覚ますことになります!!
切断されたショウイチの右腕。
その右腕と、
km3
あのクレイマンの体が融合しつつあったのですから!!
目を疑う光景を目撃し、ショウイチは考えます。
俺の名はショウイチ、と、言えるのだろうか?
死んだほうがマシ!
そんなこともこの世にはある!!!


というわけで、クライマックスを迎える本作。
突如として姿を現し、ショウイチたちを地獄へと叩き落としたクレイマン。
クレイマンの正体など、ショウイチたちが知るはずもなく、そしてそれが本作中で明かされることはありません。
本作は、クレイマンの恐怖、そしてショウイチたちの心の動きに焦点を当てて、それだけを描くのに終始したわけです!
命を拾ったショウイチではありますが、「死ぬにはもってこいの日」を心の一冊としている彼をして、死んだほうがマシと言ってしまう状態に追い込まれてしまいました。
そんな彼に、この後も次々に衝撃的すぎる事件が巻き起こることとなります!!
とんでもないことになってしまうショウイチは、ショウイチのままでいることができるのでしょうか?
リカたちと和解することはできるのか、そしてこの危険な場所から逃れることができるのか?
一同の絆が、この物語の大きな大きなカギとなるのです!!

全3巻でありながら、ひとつのテーマで見事にまとめ上げた本作。
物語の完全な解決、と言うタイプではないものの、こう言ったゾンビ系パニックホラーものとしては100点と言ってもいいんじゃないかと言うフィナーレを迎えます!
ぜひともそのエンディングを皆さんの目でご堪能ください!!


今回はこんなところで!
さx、あ本屋さんに急ぎましょう!!