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今回紹介いたしますのはこちら。

「超人戦線」第7巻 原作・青山広美先生 漫画・山根和俊先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。

さて、セブンズとの戦いが激化していった前巻。
次々に戦士たちは倒れていき、リンジたちの仲間で生き残ったのは心春、ブルースマン、葉のみ。
セブンズはリーダー格のレオと聖子、そしてもう一人を残すのみとなりました。
人類の命運をかけたこの決戦、果たして勝利をつかむのは……?


この戦いを完全に終わらせる協力をしてくれるという、アトラスに会いに向かっているリンジ達。
険しい雪山の道を進んでいたのですが、その体力も限界を向かえようとしていました。
この先に本当にアトラスはいるのか。
そもそもアトラスなどという人物が本当に存在するのか……?
そんないやなムードが一同を包み始めたころのことでした。
人一倍音に敏感であるブルースマンが、その音に気づいたのは!
吹きすさぶ寒風に混じり、かすかに聞こえる……羽音のような、衣擦れのような音……
その音を頼りに足を進めていきますと、やがて行く先に光が見え始めます。
たどり着いたその先にあったものは……ぐつぐつと煮えたぎる、温泉のようなものでした。
いわゆる泥火山というもののようですが、それにしても光を放っている、と言うのはどういうことなのでしょう。
一同が首をかしげていますと、それは空間が次元の壁で遮られる際の偏光だ、と解説する声が聞こえてきます。
謎の人物アトラス、こんなところに隠れていたとはな。
そう言葉を続けたのは……セブンズの最後の一人でした。
その男は、セブンズが進めている人類淘汰計画、ルネサンス2が発動段階に来ていることを明かします。
だからこそ、不確定要素は取り除いておきたい。
残り三ゲーム、今この場でカタをつける。
そう言って、男は名乗ります。
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エヴァリスト・ガロア、と!

稀代の天才数学者であるガロア。
彼は幾多の功績を残しながら、20歳と言う若さでこの世を去りました。
その死因は、決闘による負傷……!
リンジ達とセブンズたちの力の差は、あまりにも圧倒的です。
普通に能力同士をぶつけあえば、勝敗は火を見るよりも明らかでしょう。
ですがここまでの戦いは、リンジ達の2勝1敗1分け。
セブンズたちの圧勝どころか、リンジ達が五分以上の戦績を収めているわけです。
その戦績の理由は、戦いに参加している誰もがわかっています。
戦いの、経験値。
リンジ達はこのゲームにたどり着く前に、命懸けの戦いを経験しています。
その経験が、能力的な差以上の結果を産んだ……
そこで、セブンズ側が満を持して送り込んだのが、このガロアです。
セブンズとして生まれ変わる以前にすでに、命のやり取りを経験している。
つまり、経験値の少なさと言う唯一のウィークポイントが存在しないのです!!
強力な的になることは間違いないガロア。
彼は、最初の対戦相手に心春を指名しようかと手招きを行います。
戦いに備え、ガロアの情報を調べていた彼女にある種の敬意を払っての好意でしたが、不死の能力しか持たない普通の女子高生である心春に勝ち目があるとは到底……
そこで、一人目の対戦相手にある男が名乗りを上げます。
ギターを手に仁王立ちするその男は、ブルースマン!
上着を脱いだブルースマンの体には、奇妙な刺青が施してあります。
それは、不動明王の真言。
ブルースマンの目を覚まさせてくれた、アジャリへの敬意と、自戒を込めてこれを刻み込んだというのです!
その誓いにのっとり、二度と使わないと決めていた「悪魔のブルース」。
ですが今、その禁を破り、ブルースマンはギターをかき鳴らすのです!!
悪魔のブルース、地獄編。
その音を聞いたものはたちまち身体の異常をきたし、やがて死に至るという恐ろしいミュージック……!
それが、問答無用でガロアに襲い掛かったのです!!
アジャリと戦った時よりもパワーアップしているのか、その恐ろしい力が襲い掛かるさまが、誰の目にも見えるようになっていました。
三つ首の猛獣が、ガロアの頸に牙をつきたてる……
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はずが、ガロアが一枚の羽根を取り出した瞬間、その恐ろしい力が跡形もなく消えてしまったではありませんか!!
音楽とは、空気が織りなす周波数の信号だ。
俺の能力、「ガロアの羽」は、三次元空間そのものを数学的に変換することができる。
空間が変われば周波数も変わる、悪魔のブルースはもはや無害なBGMにしかならない。
ガロアの語る、悪魔のブルース無効化の種。
ですがブルースマンは、音楽は数学なんぞで割り切れるもんじゃない、と再び悪魔のブルースをかき鳴らそうとするのです!
が、そこでガロアは「ガロアの羽」を投げて、「キューブ・トランスフォーム」と言う技を放ってきました。
反応する間もなく、こめかみあたりにその羽根を喰らってしまうブルースマン。
すると……ブルースマンの顔面が、まるでだるま落としのようにずれ落ちてしまいそうになったのです!!
慌てて両手でそれを抑えるブルースマンですが、そんな変化はまだ序章にしかすぎませんでした。
ブルースマンの体は、みるみるとばらばらになっていき……無数のキューブ上の肉片になってしまい……!!
これこそがガロアの力の真価。
このまま空間を通常に戻せば、ブルースマンは即死です。
が、ですがそれでは面白くない、とガロアはブルースマンの肉塊を操作し、
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肉の十字架を作り上げたのです!!
もちろんそんな肉体となっては、生きていられるはずもありません。
ブルースマンは、何もできなかったとリンジ達に謝罪し……倒れたのでした。

あまりにも圧倒的すぎるガロアの力。
ブルースマンの手も足も出ないまま敗北した光景を見て、心春は震えます。
リンジは怒りに震えて拳を握りしめるのですが……それを葉が抑えます。
そう、次なる対戦相手は葉!!
しかしいくら拳法の達人と言えど、空間を自在に操れるガロアに打つ手などあるのでしょうか?
死が隣り合わせの戦い、その結末は……


というわけで、いよいよクライマックスを迎える本作。
このVSガロア戦の後、いよいよVSレオという最後の決戦を迎えることとなるのです!!
恐ろしい力を持つガロア。
そしてそんな恐ろしい力を持つ者たちをすべるレオの力も、おそらくすさまじいものでしょう。
そんなメンバーに対し、軽いものしか動かせない念動力と言う頼りない力のリンジ、憲法の達人ながら老体である葉、そして不死身なだけで何の特技もない心春だけで打ち破ることができるのでしょうか!?
壮絶な戦いは、激化の一途をたどるのです!!
さらに、謎の存在であるアトラスの正体や、アトラスから語られるFEEの正体などなど、物語に秘められた謎も続々と明かされていくことに。
超人たちの、血を血で洗う戦いはどんな決着を迎えるのか。
ただ楽しみたいだけだというFEE達の動向は?
数々の犠牲の上に立つ、最後の生き残りが見る光景とは……!?
エクストリームバトル、いよいよ今巻にて完全決着となるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





ところで、聖子さんの姿が途中で見えなくなったまま終わってしまったんですが……彼女は何をしてらっしゃるのでしょうか!
何かの時に巻き込まれてこっそり退場したのか、あるいはもしかしたらあるかもしれない続編への布石だったり……?