bk0
今回紹介いたしますのはこちら。

「ブラック彼女」第2巻 吉沢雅彦先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスアライブシリーズより刊行です。


さて、幼馴染の天宮さんが、時折見せる豹変に戸惑うばかりのテル。
いつもはかわいく優しい彼女が、なぜ突然ミッちゃんと名乗る別人のように豹変するのか?
その謎を紐解くカギは、おそらく彼女とテルの過去の関係にあるのでしょうが……
そんな生活を過ごす中現れた少女、火鳥リリ。
彼女もまた、テルに付き合ってくれと迫り、そのために路上でいきなり自分の髪を脱色したり、髪を切ってしまったりする異常な人物で……?


リリにせがまれるまま、プールでデートをすることになったテル。
とりあえずそのデートでは異常なことは起きず、リリがテルに付き合ってくれと頼んだ理由が、テルを見ていると今はもういない一番の友達を思い出すから、というものだということを知ることができました。
そんな彼女の思いがわかり、本格的にお付き合い……とは行かないものの、友達になろうと約束したテル。
ですがその帰り道に、とんでもない事件が起きてしまったのです。
携帯電話に、無数の着信あと。
テルの家の方角から立ち上る、黒い煙……!!
沸き上がる悪い予感は、的中してしまいます。
たどり着いた家は、跡形もなく……焼け落ちてしまっていたのでした……

テルは、「今日一日は恋人」というリリとかわした約束に甘える形で、リリの家に厄介になることに。
テルの荷物は、プールに持っていった身の回りのものと……家に帰る前に出会った、天宮さんが手渡してきたオルゴール人形だけです。
なぜ彼女が人形をおいていったのかはわかりませんが、そのまま打っ棄っておくわけにもいかず、一応持ってきたのです。

お風呂から上がった後、リリは夕食の支度を始めました。
テルはそれを手伝いながら、リリのことをほめ始めます。
自分でちゃんとしたご飯を作れるなんて、いいお嫁さんって感じ。
そんな言葉に顔を真っ赤にしてテレまくるリリですが、テルの言葉に大きな声で同意する人物が一人、その部屋にいるのです。
リリは最高のお嫁さんになるぞ、と彼女を抱きあげ、ますますママに似てステキになったね、と彼女をべた褒めするその人物は、リリのパパでした。
毎日のようにそうやってリリをほめちぎるリリのパパ、彼女を溺愛しているようで、彼女が欲しがっていたものをお土産にしっかり持ってきています。
その職業は、製薬会社の社長さんなのだとか。
小さな会社だけどと謙遜してはいますが、きっと相当な資産家なのでしょう。
火事で焼け出されたテルに同情を寄せるばかりか、気まずそうにこんばんは泊めてくれないかと切り出そうとするテルの先手を打ち、自分の家だと思って好きなだけいて遅れ、と余裕ある笑顔で答えてくれるのです。
感謝の言葉とともに、リリの作ってくれたカレーを口に運ぶテル。
リリはそれを見て、味は変じゃないかと尋ねてきました。
にっこりとしながら、テルはうちのお母さんより上手いかも、と称賛すると、リリはガッツポーズをしてよかった、と喜ぶのでした。

そのあと世間話をしていますと、少し予想とは違った事実が判明しました。
テルに似ていると言っていた、もうこの世にはいないリリの大切な友達。
それは、犬のことだったのです。
犬とはいえ、リリにとっては家族そのもの。
共働きで一人っ子のリリは子供のころからその犬が一番の遊び相手。
そして、ママが死んでしまってからはパパも変わってしまい、犬が唯一の心の支えになっていたといいます。
リリの左手首につけられていたバンドは、犬が生前につけていた首輪でした。
涙ながらに犬の思い出を語るリリに、テルはその首輪を渡すように言いました。
そして、自らの頸に首輪を嵌めて見せたのです。
テルの優しさや、犬との思い出が脳裏によぎったのか。
リリはテルに抱き着き、泣きじゃくったのでした。

翌朝、以前の犬とリリは朝ゴミ出しを兼ねた散歩に行っていたとのことで、外に出ることになったテル。
昼になったらリリの家を出て、両親と合流する予定になっているテルは、それまではこの犬替わりのある会を受け入れようと考えていました、が。
リリの持っていた、ゴミ袋の中身を知って戦慄することとなります。
すごいにおいだね、と思わずそのゴミの異臭を指摘したテルに対し、リリから帰ってきた返答はこうでした。
死んでから、2週間は経ってるから。
……ゴミ袋の中身は……その大切な家族だったはずの、犬の亡骸……!!
テルが犬の代わりになってくれたんだから、これはもうただの犬の肢体で、いつまでもしがみついていられない、と言うリリ。
その異常性に血の気を引かせるテルに、リリは顔色が悪いから朝ご飯は消火にいいものにしよう、とさっさと家へ向かい始めてしまいます。
確かに体調不良を感じていたテルは、用意されたシリアルのような食事を食べ、味も薄く感じるから相当体調が悪いのかも、と漏らすのですが……
リリは、こともなげに言うのです。
薄味は仕方ないわよ、それドッグフードだもの、と!!
塩分が控えめで栄養が満点、そして犬の好物だった、と笑うリリ。
悪気はないんだよな、と自分に言い聞かせるテルなのですが、そこでいよいよ気分の悪さが加速してきてしまいます。
リリはテルをベッドに連れていき、服を脱がせて体を拭いてくれたのですが……そのまま、テルの服を持って一つぃまうのです。
犬は服を着ないんだからいいのよ、というリリ。
テルは犬よ、ここでずっと私と暮らすの。
そんなとんでもないことを言われ、テルはもうろうとする意識の中立ち上がり、服を取り返そうとしました。
代わりになろうとしたのは自分からだけど、そろそろ終わりに……
そう言いかけたところで、テルの鼻から鮮血がしたたり落ちました!!
体もしびれ始めてきましたし、一体体に何が起きているのでしょうか……!?
リリは、テルに種を明かします。
パパのお土産が思った以上に効きすぎたみたい。
bk1
病気の患者さんの体液。
機能からテルの食事に入れておいたの。
……製薬会社のパパのお土産、味がおかしくないかと言う問いかけ……!
考えなおせば思い当たるその事実。
そんなテルに追い打ちをかけるように、リリはとんでもない事実を教えてくれました!!
テルの家を燃やしたのは……リリの指示を受けた、パパだ、と!!
デートの前に、リリはテルの母親に言われていました。
自分たちは旅行に行ってしまうけど、その間家を好きに使っていい。
bk2
好きに使っていいからいうから、燃やしたの。
……リリはそんなとんでもないことを、あっけらかんと言ってのけたのです!!
僕の家を返せ!と怒り狂い、リリにとびかかるテル。
ですが、体の弱ったテルでは下級生であるリリすら抑えきることはできず……!!
強烈な平手打ちを受けて倒れるテル。
そのテルの腕を思い切り踏みつけ、見下ろしながらリリは言うのです。
bk3
しつけをしなきゃ。
痛いのと熱いのと苦しいの、好きなのを選びなさい。


というわけで、さらなる本性をさらけ出すリリ。
リリは毒物と暴力によって、テルを自分の犬としてしつけようとしているようです。
それを制止する役目であるはずの父親も、彼女の全面的な味方……
絶望が目の前に迫る中、もはやテルが頼ることができるのは……天宮さんだけ、といえるでしょう!!
最初は火を放ったのが天宮さんなのではないかと言う疑いもありましたが、リリのカミングアウトによってその線はなくなりました。
良くも悪くも、テルに強く執着している天宮さんならば、きっと自分以外の誰かがテルに危害を加えるということを許すこと名でできないはず!
本来恐怖の大将であるはずの、豹変した天宮さんに頼らざるを得ないこの状況、果たしてその淡い期待通り彼女はやってきてくれるのでしょうか……?

そしてリリ編に続いて物語は新たな展開へ。
豹変していない天宮さんとのとある出来事をきっかけに、物語は進展。
と同時に、新たな異常なキャラクターが姿を現し……!!
テルをめぐる、ブラックな女性たちの行動。
襲い来る数々の恐怖を前に、テルの運命は?
天宮さんの秘密は明かされるのでしょうか?
そんな彼女たちの恐ろしさ(一部の方々にはご褒美?)と、徐々に解き明かされていく物語の秘密が楽しめるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!