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今回紹介いたしますのはこちら。

「極!!男塾」第6巻 宮下あきら先生 

日本文芸社さんのニチブン・コミックスより刊行です。

さて、男爵ディーのの壮絶な散り様を見て、より一層奮い立つJたち。
一同はその遺志を受け継ぎ、ピンチにあるという邪鬼を掬いに向かいたいところなのですが、その前に邪鬼のライバルでもあったゼウスが立ちはだかります。
重力を操るという絶技を使うゼウスに立ち向かうのは、邪鬼の息子・煌鬼!!
ゼウスの攻撃にいきなりやられてしまったかに見えた煌鬼でしたが、すぐさま復活、ゼウスとの戦いを始めるのでした!!


舞い戻ってきた煌鬼は、奇妙なものを背負っていました。
日本のロケットがつながったようなそれは、下についていた大きな発射口のような部分から猛烈な炎を拭きだし……煌鬼を浮かび上がらせていたのです!!
これはその昔、塾長が使用した特殊壱式兵器というもの。
すさまじいパワーで自在に空を飛ぶことのできるこのマシンがあれば、ゼウスの重力操作を受けても地面にたたきつけられない、と考え、ここまで乗ってきた潜水艦の中から持ってきたというわけです!!
が、ゼウスの重力操作はそんなに生易しいものではありません。
つっこんで来ようとする煌鬼に向けて、重力波を放つゼウス。
壱式兵器の飛行力も相当なものなのですが、ゼウスの放つ重力波のパワーのほうが上回っているようで。
じわじわと押し返されてしまう煌鬼、このままではまずいとばかりに壱式兵器の出力を全開に!!
再びゼウスに近づき始めたかと思いきや、そんな煌鬼にゼウスは一喝!
まだわからぬのか、と叫ぶと、
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限界を迎えていた壱式兵器のロケットの片方が爆発してしまうではありませんか!!
こうなればもう推進力はないも同然。
勝負は決したな、とゼウスは勝利宣言を行い、煌鬼にとどめの一撃を放ちます。
次は宇宙の果てまで飛ばしてやる、もう帰ってくることは絶対不可能だ。
ゼウスの重力波はさらに威力を増し、煌鬼ははるか彼方にふっとばされる……はずでした。
ロケットが片方になってしまった今、なすすべはないはずなのに……煌鬼は全身に力をみなぎらせ、それに耐えているのです!!
どうやって耐えているのかはよくわかりませんが、それでも煌鬼はもう限界ギリギリに見えます。
このままではゼウスの言う通り、宇宙の果てまでふっとばされるのも時間の問題でしょう。
ですがそこで、卍丸がこんなことを言いだしました。
いや、奴はわずか三歳で元服した男だ。

大豪院家の元服の儀式は、3歳になったときに行われるそうです。
その儀式の成否によって、次の当主として認められるかどうかが決められるのですが……その儀式はとんでもないものでした。
まず、ミルクの入ったなんかすごい装飾の哺乳瓶を煌鬼に手渡します。
一口飲んだところで、その哺乳瓶を取り上げ、自然石でできた十数メートルはあろうかと言う石塔の頂上に歩降り投げました。
父が欲しければ己の力で取れ。出来ねば死ね。
何も言わない邪鬼の目は、煌鬼にそう語りかけていたといいます……!
煌鬼は三歳にしてその言葉にはならないメッセージを感じ取り、石塔を登り始めます。
登っては落ち、登っては落ち……
それでも上り続ける煌鬼。
強烈な生存本能だけが煌鬼をつき動かし……やがてその飲まず食わずの荒行は七日七晩を経過しようとしていました。
黙してそれを見守る邪鬼も、その心中は穏やかではありません。
握りしめた拳の中からは、拳がしたたり落ちていて……
そして、その地獄は八日目の朝にようやく決着します。
石塔の頂上で、
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煌鬼は七日ぶりのミルクを飲み干すのでした!!

当主として認められないとかいうよりも失敗したら死ぬじゃないかとか、丸7日放置したミルクとか飲んで大丈夫なのかとか、そもそも三歳でまだ食事がミルクなのかよとか、そう言ったつっこみなんて知ったことではありません。
とにかく問題は、三歳の時点で生死をかけた試練を独力で乗り越えた、と言う煌鬼のとんでもない「強さ」なのですから!!
三歳の時点で元服を迎えた煌鬼ならば、この窮地こそがその真価を発揮するとき!!
そんな卍丸の話など耳にはしている余裕などないはずの煌鬼ですが……やはりこの土壇場で蘇るのはその時の記憶だったようです。
どういうわけだかあの時の乳の味を思い出した。
こんな機械に頼った俺が間違いだったぜ!
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俺は三歳で元服した男だ!!
そう言って、煌鬼は壱式兵器を投げ捨てたのです!!
と同時に放出される、煌鬼のとんでもない力!!
その力を浴びせられ、ゼウスの重力波を放つ源である、稲妻型の杖が壊れてしまうのでした!!

重力波の支配が失われ、Jたちも身動きができるように。
これで時間に終われる恐れもなくなり、ようやく煌鬼はゼウスとの戦いに集中することができます。
今度は俺の番だぜ、と構える煌鬼なのですが、その時のこと。
突然空にまばゆい光が現れ、この島の、Jたちのいる反対側に落下したのです!!
そしてそれに気が付いたゼウスは、突然この勝負の終了を宣言します。
一体舞い落ちた光は何なのでしょうか?
ゼウスの真意は?
冥凰島編、クライマックスです!!


というわけで、冥凰島編が決着する今巻。
この後、ディーノの語っていた邪鬼の危機の真相が明かされていき……さらに、男塾の最大の謎(?)の秘湯が赤裸々に暴かれることになっちゃいます!!
邪鬼と言えば、今でも語り草になっているのが初登場時の異様な巨大さ。
そのオーラが大きく見せている説もありましたが、なにせあの巨大なワインを屈強な男たち数名ででっかりグラスに注いでいたわけですから、実際に大きかった以外にがあり得ないでしょう。
宮下先生お得意の、細かいことや細かくないことも気にしない問いあれかと思いきや、なんとその巨大化に理由があったことが暴かれるのです!!
……その真相とオチに、読者の皆さんは度肝を抜かれること間違いなしですよ!!

そしてこの冥凰島編が一段落した後は早くも新シリーズに突入。
ボギーが主役となって始まる新シリーズは、なんと初代「男塾」の連載が終わった後に宮下先生が連載をした、あの作品のキャラクターが登場!!
まさかのあのキャラクターの登場、しかもどうやら敵となるらしい驚きの展開に、宮下先生ファンは度肝抜かれること間違いなしです!!
……この調子だと、BAKUDANとかもでてきちゃったりするんでしょうか!?
楽しみなような、恐ろしいような……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!