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今回紹介いたしますのはこちら。

「男塾外伝 大豪院邪鬼」第2巻 原案・宮下あきら先生 作画・柳田東一郎先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。

さて、男塾最強の男の頸を狙ってきたはずの邪鬼ですが、いざというときに塾長は謎の男・剣崎に連れていかれてしまいました。
わずかな間ながら自分と心を通じさせた死天王が向かう塾長の救出行についていくことになった邪鬼ですが、待ち構えていた剣崎の部下たちはみな対死天王用の技を磨きあげていました。
苦戦しながらも卍丸・センクウと勝利を上げた死天王。
勝てば塾長解放となった羅刹が戦場へ向かうのですが……?


突如火を噴いた火山。
邪鬼たちのいる場所に巨大な火山弾が飛来しますが、死天王は慌てもしません。
俺に任せろ、と前に出たのは羅刹。
羅刹はジャンプして火山弾にとびかかると、人差し指と小指をつきだした形の拳を連続してたたきつけました。
それは羅刹の得意とする技、兜指愧破!
鍛え上げられた指の力で、石柱すらもたやすく穿つというとんでもない威力を持った技で……そんな技を無数に叩き込まれた結果、火山弾はバラバラに砕けてしまうのでした!!

兜指愧破によって、火山弾は砕かれ、当面の危機は去りました。
火山はいったん落ち着いたようですが……それはまるで嵐の前の静けさのようなもの。
時を待たずして、大噴火が起こる気配が漂い続けているのです。
闘技場に立った羅刹は、対戦相手に長期戦はお互いのためにならぬと持ち掛けます。
承知、と答えた対戦相手は、剛力と名乗るがっしりとした体躯の持ち主でした。
その提案通り、早速鳴らされる試合開始を告げる銅鑼!!
羅刹はその銅鑼の音を聞くや、早速必殺の兜指愧破で剛力に挑みかかるのです!!
剣崎の仲間たちは、すべて死天王の技を熟知しており、その対策となる技を身に着けています。
兜指愧破を放つ羅刹ですが、その一撃を剛力は体躯に似合わぬ俊敏な動きで避けて見せました!
とはいえ、いくら素早かろうともただそれだけでは、突き手の速さもすさまじい兜指愧破の餌食となるのも時間の問題。
剛力の代わりにその一撃を受けた石柱はバラバラに砕けており、その威力は疑うところがありません。
羅刹は、身に着けているはずである、兜指愧破を封じるための技をはやく見せろ、あおります。
すると……剛力は、体に力をみなぎらせ、ただでさえ巨大である体躯をより一層巨大に膨れあがらせました!!
それだけではなく、肌の色まで異様な色へと変貌していて……!!
剛力は、一歩も動かないから打ち込んでみるといい、と自信を感じさせる言葉を紡ぎます。
そうまで言われては、兜指愧破を叩き込まないわけにもいきますまい!!
目にもとまらぬ速さでとびかかり、とんでもない威力を持つ兜指愧破の中で、さらに強い威力を持っている必殺奥義、双指殺で剛力の胸をついたのです!!
普通の肉体ならば、羅刹の指どころか、腕丸ごとが体を貫いてしまうことでしょう。
ところが剛力の体は、
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傷一つない状態で、羅刹の指を受け止めているではないですか!!
鋼躯堅砕呼法。
その体を鋼鉄以上の高度へと変じさせる奥義です。
並大抵のことでは身に着けることができないその技、兜指愧破を完全にはじくのならば……羅刹に勝ち目はないのではないでしょうか?
羅刹は素直にその技術を称賛し、それでもその闘志を曇らせません、
今度は一撃の威力ではなく、無数の手数で攻める千麾兜指愧破を放ちました!!
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が、ただ無数に打つだけではありません。
その無数の攻撃を、すべて一点に集中させて打ち込んでいるのです!!
流石の剛力も苦痛に顔をゆがめ、その衝撃でずりずりと後ろに下がっていきます。
闘技場の端まで追い詰めたところで、とどめとばかりに双指殺!!
剛力が背にしていた岩壁が砕け散るほどの威力を見せつけました!!
……が、その直後。
剛力は、にやりと唇をゆがめて笑い、一言言ったのです。
きかぬな、と。
千麾兜指愧破すら通用しない……!!
人が作った鋼鉄であれば、今の攻撃の前に砕け散っていたことでしょう。
ですが……気で練り上げたその体は、それ以上の固さを持っているのです!!
もはや打つ手はないのでしょうか。
うろたえる羅刹に、今度は剛力から襲い掛かってきました!
体に見合わぬ素早さと、体以上の力を持った攻撃力。
何とかかわし続ける羅刹ですが、ついには岩壁のギリギリまで追い詰められてしまいました。
とらえた!と拳を放つ剛力。
羅刹は何とかその一撃をかわすことに成功したのですが……ジリ貧の状況は続きます。
短期戦を望んだら節のほうが逃げ回ることになってしまったこの戦い……長期戦ができるのならば、剛力の気が尽きるまでじっくりと戦うという手も使えるでしょう。
が、火山の噴火がいつ襲ってくるかもわからないこの状況ではそれもかないません。
ならば、と羅刹は覚悟を決めました。
二度使わぬと誓ったこの技を再び使わねばならぬ。
すまぬ、親友よ!!
そう心の中で謝罪しながら、羅刹は気を練り上げます。
すると、その右腕が奇怪なまでに隆起!!
色もどす黒く変色し、痙攣までしているではありませんか!!
羅刹との付き合いが長いはずの卍丸やセンクウも仰天するその変化。
ただひとり、影慶だけがその奥義のことを知っているようで、顔色を変えました。
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龍狐奥義、強堅激烈瘤。
影慶のみが知る、その奥義はいったいどのようなものなのでしょうか!?
その技の恐ろしさ、そして封印に至るまでの経緯が語られることになるのです!!


というわけで、羅刹の奥義が披露される今巻。
個人的に男塾で一二を争うくらい好きなキャラですので、ここに来ての掘り下げはうれしいところ!
男塾本編ではあまり活躍の場がなかった彼ですが、ここにきて新たな絶技を披露してくださいますよ!!
ですがここで羅刹が勝つということは、死天王の勝利と言うことになり、影慶の出番がなくなるばかりか、主人公のはずの邪鬼がただ勝負を見ただけで帰ることになっちゃいます。
メタ的に見ると完全なる逆境に陥れられた羅刹さん……
その戦いの行方を、ぜひその目でご確認ください!!

そして今巻のうちに、剣崎編も完結。
謎の多い男、剣崎の実力はどんなものなのでしょうか?
そして、とらえられている塾長の動向は?
クライマックスを迎える剣崎編、見逃せません!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!