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今回紹介いたしますのはこちら。

「GANTZ:G(ガンツ ジー)」第1巻 原作・奥浩哉先生 作画・イイヅカケイタ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。

イイヅカ先生は13年にデビューした新人の漫画家さんです。
そんな新鋭の漫画家さんが今回挑むのは、奥先生の押しも押されぬ出世作にして代表作、「GANTZ」のスピンオフです。
戦士たちの日常が描きたいという奥先生の構想によって生まれたというこの作品ですが、その内容は……


バスが走っていました。
とある高校の修学旅行のご一行が乗ったそのバスは、カラオケで盛り上がっています。
そんな中、友人のよっちゃんにマイクが回ってきたらなに歌う?と尋ねられたショートカットの少女、黒名蛍。
彼女は歌が苦手だからパス!と申し訳なさそうに言うのですが……それも時と場合によるようです。
盛り上がるクラスの中で、内気な少年である内木にマイクが渡されたのですが、彼はどうも歌うのが苦手なようで顔を真っ赤にしてもじもじするばかり。
それでも強引にマイクを渡され、勝手に曲を入れられて強引に歌わされることになってしまいました。
そんな状況に見かねた蛍は、私もこの歌好き、あたしも歌う!とマイクを手に取り、内気と一緒に歌い始めたのです。
ほのかにほほを染めている蛍……どうやら彼女、内木と言う少年が気になっている様子。
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二人は歌いながら自然と見つめあい、なんだかちょっといいムードになるのです。
が、その直後、バスが大きく揺れました!!
完全にコントロールを失い、暴走をしているバス……!!
どうやら運転手が何らかの理由で意識を失ってしまったようで……アクセルに足が乗ったままになってどんどんとスピードが上がっています!!
そんな中で蛍は必死に運転席へと向かい、アクセルに乗っている足をどけようと運転手の足をつかむのですが、その直後でした。
ガン、と大きな音がして……バスが高架から落下してしまったのは……

蛍が目を覚ますと、そこは古びた学校の教室のような場所でした。
クラスメイト達も全員その教室の中にいるようで……そして、教室の中央には、大きな「黒い球」が置いてあります。
自分たちに何が起こったのか?
ここはどこなのか?
一体これは何なのか?
様々な疑問が頭の中に浮かぶ生徒たちですが、そんな中に二人だけあのバスに乗っていなかった若い男がいることにほどなく気が付くことになります。
みんな、注目!
そう言って黒板の前に立ったその男二人。
二人は、全員が自分を見たころを見計らって説明を始めます。
これから全員が別の場所に転送される。
そこで、ハンティングゲームをすることになる。
ゲームでたくさん星人と呼ばれるいきものを殺さないと、自由になれない。
だが、成人に殺されれば本当に死んでしまう。
間もなくその球、「ガンツ」から指令が出て、オートクチュールのスーツが出てくる。
絶対にスーツを着てくれ、着ない人はすぐに死ぬ……
にわかには信じられないその話。
担任の教師がなんだ君たちは、と質問を投げかけますと、彼らはすぐに何でもありません、と引き下がって腰を下ろします。
……彼らは経験上、何を言っても信じないものは信じない、と言うことをわかっているのでしょう。
生徒たちも、ほとんどが「何を言ってるんだあいつらは?」という反応で。
なぜか開かない教室の窓や扉、理解不能の蛇王教におびえながらただ待っていたのです、が。
そこで音が鳴り響き始めます。
響き渡る能天気な、ラジオ体操の歌。
そして、「てめえ達の命はなくなりました、新しい命をどう使おうと私の勝手です。」というメッセージがガンツに表示。
直後、ガンツが開き、中から大量のスーツと武器が飛び出してきました。
さらに今度は、今からこの方をやっつけに行ってください、と、ライオンの顔写真のようなものに「けだもの星人」「特徴 つよい、けものくさい、よく食べる」「好きなもの 肉 人間」などというプロフィールめいたものが表示されました。
一同はいぶかしがりながらも、高校生ですから好奇心が勝ったのでしょう、武器を手にするものや、スーツを取り出してみるものなどが現れ始めます。
が、肝心のスーツの装着車は誰も現れません。
あの男二人はつぶやきました。
今回も生き残りは俺たちだけかな。
そう言い終わるかどうかと言うタイミングで……彼らは、頭から徐々に姿を消していってしまったのです。
そして姿が消えていくのは、彼らだけではありませんでした。
次々に同じように姿を消していくクラスメイト達。
その異様な空気の中、蛍はなぜか感じるものがあったようです。
自分の名前のかかれたスーツ入れを手にし、同じく内木に彼用のスーツを手渡しました。
そして……気が付けば、
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一同は動物園の前に立っていたのです。

動物園に立つと、帰れるんじゃないかと不用意に出口へと歩いていった人物の頭が破裂してしまいます。
頭に爆弾が入っている、指定されたエリアから出ると爆発して死ぬ。
あの男二人のアドバイスを無視したものがそうやって死んでいき、ようやく大方のクラスメイトが男たちの言うことを信じ始めました。
そして、蛍や内木、よっちゃんと言った、スーツを手にしていた男子1人と女子5人は念のためスーツを着込むことにします。 
が、彼女たちが着替えている間に、ほかの生徒たちはバラバラにどこかへ行ってしまっていたのです。
心配する蛍たちをよそに、かすかな希望を頼りに出口がないか探し回っていた歩かの生徒たち。
するとそこに……ダチョウのような体に、キツネザルのような顔を持つ奇妙な動物が歩いてきました。
その他にも、キツネザルの体に鳥の顔をした動物、フクロウの頭だけのような球状の動物、シカの体にウサギの体の動物、と奇妙すぎる存在が大勢集まってきます。
一体これは何なんだ、と呆然とそれらを見つめていると……
そこに
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マンドリルの顔に、腕が二本生えただけの輪をかけて奇妙な生物が現れ、クラスメイト達に牙を剥いたのでした!!
恐怖の絶叫を上げる生徒たち……
果たして彼らは生き残れるのでしょうか?
蛍たちは彼らを助けることができるのでしょうか!?


というわけで幕を開ける本作。
本作は主人公の名前からも、GANTZを女性主人公にしてやり直す、と言った感じの内容になっています。
そして今後は、「GANTZ:G」と言うタイトルのとおり、女性陣が主役となっていく様子。
男性キャラもいるにはいるのですが、とりあえず一環でまともに活躍を見せてくれるのはあの経験者らしい二人と蛍のみ。
この第1巻は、GANTZをあまり知らない人でも入っていけるように描かれた導入部と言っていいお話になっていまして、呼び出される、戦って非常の現実を見せられる、残酷な結果に直面する、戦いの目的を見つける、と言う本シリーズの大まかな流れをなぞっていくのです。
この導入となる第1巻では、シリーズのファンならば見覚えがあると言いますか、そのままの展開となっています。
ですがおそらく本作は第2巻からが本番のはず!!
蛍がどんな戦いの道を選んでいくのか、「G」と言うタイトルの中で男性陣がどのくらい活躍できるのか、原作が完結している状態でどのような結末を迎えるのか、と興味は尽きません!!
「G」だというのに「GANTZ」には欠かせない(?)エロス要素はほとんどありませんが、そのあたりもきっと今後に描かれていくでしょう……多分ですけど!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!