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今回紹介いたしますのはこちら。

「プリマックス」第6巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・蒼木雅彦先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。



さて、アイドル界の頂点である月子が登場した前巻。
そんな中でもプリマックスは、ワルコによって独自の道を歩き続け、そこにアオも巻き込まれてしまい、なんだかよくわからない活動ばかり行うのでした!


ちょっとした(?)カワイイ勝負がありまして、そこで生まれたとんでもないパフォーマンスを動画でアップしたワルコ。
その動画は、カワイイとはちょっとかけ離れた感じの内容ではありましたが、インパクトに関しては十分すぎるほど。
瞬く間に再生数は伸びていき、いままでのプリマックス関連の動画で断トツの再生数を記録したのでした。
とはいえそれはモン太達からすれば、本来望まない方向です。
もうやらない、と言い切るツバメですが、ワルコはこの方向で行こうと言いだしやがりました!
死なないようにこのレベルをやれ、と言うワルコですが……もともと体操をやっていて、エクストリームな動きにわりとなれているモン太は意外と乗り気。
もっとすごい技あるし、二人が受け止めてくれる、とその提案を受け入れてしまうのです!
それにしても、なぜワルコはいきなり動画数を伸ばすためにエクストリーム方面に家事を取ろうとしたのでしょうか?
実は今回4人が集まったのは、その件に関しての説明のためでもあったのです。

さかのぼること一週間前。
高層ビルの屋上のプールサイドで、4人のセレブ美女が会話をしていました。
暇も度を超すと、人間はどうなるか知ってる?
4人のリーダー格である、黒髪の女性、空子が突然そうたずねてきます。
空子によれば、「危険(リスキー)なことをしたくなる」んだそうで……
そんな話の流れで、空子は一同に「嫌いなもの」を聞きました。
「バカな男」「はしゃぐバカ」「バカなアイドル」……口々に答える三人に対し、空子はまたとんでもない返答するのです。
私は、私を中心とした、私を含めた全部が嫌い、と。
そして空子は、今あげられた中から「バカなアイドル」に白羽の矢を立てるのです。
私たちは今から、アイドルとしてデビューする。
始めるから並んで。
そう言って、どんどんと話を進めていく空子……
どうやら彼女は、自分自身を嫌いなものにするというリスキーなことを楽しもうとしている様子。
グループ名をつけて、歌って踊ってネットにあげて、アイドルだって言い張ればアイドルなんだ。
まさに現代らしいアイドルの条件を語る空子は、自分が歌うからみんなは踊れ、と指示します。
ですがアイドルなどと言うものとは無縁の生活を送ってきた彼女たちですから、アイドルらしい歌や踊りなど何も知りません。
日本舞踊なら踊れる、という一同の声を聞いて空子が決めた曲は……幸若舞の敦盛。
一同もそれに賛同し、いきなり録画を始めることになったのです!!
下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり、一度生を享け、滅せぬ者のあるべきか。
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人間五十年……

そうやってアップロードされた動画は、あっさりとプリマックスの最高再生数を抜きさったのです。
こんなのに負けたのか、と驚くツバメですが、ワルコは思うところがある様子。
今まで「変なアイドル」と言うアレなカテゴリで不動の一位だったプリマックス。
珍獣と言う必ずしも喜んでいいわけではない部類ではあるものの、とにかくトップには立っていたわけです。
それが、この突然降ってわいた「お嬢」と言うグループに負けてしまった……
ハッキリ言ってそのカテゴリの中で負けたというのは、モン太達からすればワースト1から抜け出せたという喜ぶべきところなのですが、ワルコのプランからすれば後退以外の何物でもありません!
到底そんなことなど許すことはできないのですが……そんな戦略上の問題はおいておいても、ワルコはどうしても「お嬢」を潰したくてしょうがないようで。
まずその一つの理由として、今度「お嬢」が行う野外音楽会場でのコンサートがあります。
動画一本を上げただけのアイドルが、いきなりキャパシティ2000の会場でライブと言う無謀極まりないとしか思えないその行動。
ですがそのライブ、満員御礼になるのは目に見えているのです。
なぜなら、そのライブは……
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先着2000人、全員に一万円を「くれる」というのです!!
「お嬢」は、その名前の通り4人全員が二本で指折りのお嬢様。
その4人からすれば、一万円かける2000人、2000万円くらいははした金にすぎない、というわけです!!
金によるカワイイを押し通そうとする彼女たちにたいして、モン太達は何を想うのか。
……そんなこと、ワルコにとっては関係なし!!
プリマックスがそのライブに乱入し、お嬢をぶっ潰す!!
モン太達三人は、なぜそこまでワルコがお嬢にそこまでこだわるのかが全く理解できません。
が、ワルコは自分が彼女たちにこだわるもう一つの……いや、最大の理由を教えてくれました。
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怨みだ。
私の、個人的な。


というわけで、新たな敵が登場することとなる本作。
うなるほどの財力を持つ「お嬢」、その財力だけではなく、美貌やインパクト、そして何よりもその精神力が半端ではありません。
今まで戦ってきたアイドルたちは、自分自身でもっとカワイクなろうと思い立ってアイドルになり、いうなれば「カワイイ対決」をするのが必然と言っていい存在でした。
勝つにしろ負けるにしろ、それはプリマックスに取って一段成長することのできる戦い、になっていたわけです。
ですが今回の「お嬢」は事情が違いそう。
なにせ彼女たちの目的は、単なる暇つぶしなのですから!
さらにそんな勝手の違う相手と言うだけではなく、ワルコと空子の間にはとんでもない因縁があることがこの後発覚するのです!!
謎に包まれまくったワルコの過去がちょっぴりですが暴かれ、そして空子の恐ろしさが描かれて……
この「お嬢」との戦い、今まで以上に厳しい戦いとなりそうです!!

そんなカワイイと少し遠い戦いの前には、きっちりと三人のカワイイ対決が描かれるエピソードもあるのでご安心ください!
ヨクサル先生らしい独自の世界観から繰り広げられるカワイイとギャグ、そしてアクションが融合する本作ならではのあれこれは、この第6巻でもばっちりすぎるほど楽しめますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!