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今回紹介いたしますのはこちら。

「純愛とコーヒーはブラックで!」第1巻 永瀬ようすけ先生 

KADOKAWAさんのMFコミックスフラッパーシリーズより刊行です。



さて、ブラックなギャグマンガと、日常が取り返しのつかない方向へとどこまでも転がっていくダークなストーリーマンガという2種類の作風で活躍されている永瀬先生。
現在は「さよならノクターン」と言う後者と、そして前者である本作を連載しております。
永瀬先生らしさが爆発する本作、その内容はやっぱりアレなものなのです!!


友人たちに慕われる大学生、ハルミ。
今まで多くの女性たちと浮名を流してきた彼ですが、決してチャラいというわけではなく、物静かでクールな印象を受けるイケメンです。
そんな彼、今は喫茶店のウェイトレスをやっている女子高生と付き合っているのだとか。
すごいかわいい子だけど、条例とか大丈夫なの?と心配する友人たちに、僕と彼女はそんな汚い関係じゃあない、プラトニックな関係なんだ、とハルミは微笑みます。
そんな彼の言葉は嘘ではありません。
彼女が働いている喫茶店にやってきてハルミ。
いらっしゃいませ、と接客してくれる彼女の後姿を眺めながら広げる手帳には、彼女の行動パターンなんかがびっしりと書き込まれているではありませんか!!
清らかな関係なのは当たり前。
なぜならハルミは彼女の彼氏でもなんでもなく、ただこのお店によく来るだけの常連にすぎないのです。
そして彼は、そんな彼女をつけ狙うストーカーなのですから!!

さらさらふわふわ、ニュージーランドの青空にたなびく絹糸のような御髪。
健やかに成長し、主張しすぎてもいない、高級卵と牛乳で作られたなめらかプリンのようなおちち。
くりくり真ん丸に輝く、サファイアのようなおめめ。
ハルミがそう称賛する彼女の名前は、久我山ゆずと言います。
数々の女性を落としてきたハルミですが、彼女はその誰とも違うようで。
自分に振り向くそぶりすらない彼女ですが、それはすべて自分を試すためなのだろう、と完全なる誤解をしているハルミ。
でも彼女は自分のことを好きでたまらないのは間違いないが、すぐにでも抱きしめたいという気持ちをぐっとこらえて我慢している……
ハルミは心の中でいろいろと考えながら、ゆずの運んできたホットミルクを受け取ります。
砂糖を入れてさっそくそれを口にするハルミですが、その頭の中はもうものすごい勢いでアレな感じ!
甘くてお一位よ、まるで君のおちちを時価の身している錯覚すら覚えるよ!
とんでもない妄想でトリップしているハルミですが、ほかの日ならまだしも今日の彼はそんなことで満足はしないのです。
今日の彼は、ある決心をしていました。
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ゆずのおパンティを……撮る!!
もうどこからどう見ても立派な犯罪です。
ですがハルミにとってはそんなことは関係なし。
この日のために高画質の撮影のできるスマホにしたり、シャッター音を消してしまうアプリのダウンロードをしたりと準備は万端!
撮影ができたら引き延ばしてパネルにして、Tシャツにもして寝巻に使おう、カップにプリントしてミルクココアを飲もう、と妄想ははかどりまくるのです!!
もともと天然ボケなところがあり、ガードも緩いゆず。
そんな彼女の隙をうかがって、スカートの中を盗撮するのなんて難しくない……はずだったのですが。
いざ撮影、と言う瞬間に店員さんがカップを落として割ってしまったり、タイミングよく光が反射して何も映らなかったりと、全然うまいこといかないのです。
しびれを切らしたハルミは最後の手段に出ます。
カメラのタイマーをセットして、わざと床に落としたまま店を出ようとするハルミ。
それに気が付いたゆずがスマホを拾ってくれ、届けに来る……
流石は基本スペックの高いハルミ、狙ったタイミングはばっちりだった様子。
家に帰ってカメラを確認すると、2枚の画像が保存されていました。
サムネイルの時点でわかるくらい、どちらにもばっちり下着が映っています!
どれ大画面で楽しもうか、と拡大表示してみると……何と言うことでしょう!!
写っているのは
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なぜか毛むくじゃらの男の下着写真じゃありませんか!!
一体なぜこんなことに!?
理解不能な結果に、悶絶するハルミ……
ですがそんなことでへこたれる彼ではないのです。
彼の部屋には、ボクはあきらめないぞ!と言う悲しくも下衆な決意の声が響き渡ったのでした……

そんなことも知らずに、お店の人もお客さんもいい人ばかりだし、バイト頑張ったな、と笑顔で帰るゆず。
しかしかのじゃが知らないのは、ハルミの本性だけではありません。
あくる日、今度は家に帰るゆずをおうちまで(勝手に)エスコートしてあげようとあとを追っていたハルミ。
ですが、そこでもなぜかハルミの行動は実を結ばないのです。
なぜか道に強力なトリモチが落ちていて靴がビッチリ貼り付いてしまったり、いきなりご老人のツアー客に取り囲まれて通せんぼされてしまったり、道に猛犬が山ほど現れ道をふさがれてしまったり……
ハルミは様々な手段を駆使してその妨害を乗り越えていくのですが、結局最後にはゆずを見失ってしまいました。
不幸な偶然の連続に苛立ちながらハルミは返っていくのです。
……が、その後ろでにやりと笑う男がいました。
ただいま、と家に帰るゆずに、電信柱の陰からひそかに「ゆずりん、おかえりなさい」と一人囁く男……
安心してね、俺が君をすべての魔の手から守ってあげるよ。
それが俺の運命なんだから。
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そう言ってほくそ笑むその男は……先日、ハルミがおパンティを盗撮しようとした瞬間にお皿割ったあの店員、ハッサクだったのです!!
なんと実はこの男もゆずを狙う……というか、自称守ろうとして追い回しているストーカー!!
……この物語は、一人の女性を狙うストーカー二人の戦いと空回りを描く、変態バトルコメディなのです!!


というわけで、二人のストーカーのあれこれをコミカルに描いていく本作。
ゆずは基本的にハルミとハッサクの正体には気付きもしません。
それどころかいまどき珍しい超純粋な女の子で、自分が魅力的な女性だということも、そしてこの二人以外からもやばい目にあわされそうになったことも気づいていないのです!!
そしてそんな彼女を違うベクトルで狙っているハルミとハッサク。
二人ともなんといいますか、彼女に直接何かしようとしないというルールだけは守っている、アウトではあるんですが、まあ……ギリギリな人たちなわけで。
ハルミのあれやこれを、ハッサクが阻止していくというお話にはなるのですが、ハッサクのほうも十分アレな存在なのでもう何が何やら!!
しかもハルミはハッサクのことを特に何とも思っていないのに、ハッサクだけはハルミがストーカーだと知っている、と言う立場もまた本作の特徴の一つ。
そんな複雑なようなそうでもないような本作、一体お話はどう転がっていくのでしょうか。
ゆずが二人の真実を知るのか、知らないまま行くのか。
ハルミがハッサクの存在に気が付くのか、ハッサクの行動はどれだけエスカレートしていくのか?
様々な展開が考えられる本作ですが……今巻のラストでは思いもよらない展開になっちゃったり!!
ストーリー面も大きく動いていく本作、次巻以降も要注目です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!