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今回紹介いたしますのはこちら。

「上野さんは不器用」第1巻 tugeneko先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。




tugeneko先生は10年ごろから活躍されている漫画家さんです。
代表作は11年から16年にかけて週刊アスキーにて連載されていた「彼とカレット」。
かわいらしい絵柄で変態チックなギャグを容赦なくつっこんでくるtugeneko先生の最新作となる本作、その内容はと言いますと……


科学部の部室に、田中が入っていきます。
待っていたのは部長の上野さんと、後輩の山下さん、そして、遅いぞ!と言う罵倒の言葉でした。
ホームルームが長引いちゃって、と言い訳をする田中ですが、そのあたりは正直どうでもいい様子。
上野さんは、いいから見ろ、と六角形の小箱のようなものを取り出しました。
究極の携帯型濾過装置、ロッカくん、だそうです。
この上野さん、科学部の部長と言う肩書は伊達ではない、どころじゃありませんで、ものすごい発明を平気でしちゃう天才発明家でして。
このロッカくんも相当高性能な代物で、本人曰く見るだけで目が腐る世紀末級ドブ水ですら氷窟から滾々と湧き出るダイチの泉レベルまで浄化できる、とのこと。
どうだ凄いだろう、とご満悦の表情を浮かべる上野さん。
そこまではいいのですが、そのあと上野さんはとんでもないものをビーカーにいれて差し出してきたのです。
ではこちら、濾過した私のおしっこになります。
田中はしまってくださいよ、バッチいなあ、眉をひそめるのですが、上野さんはバッチくない!と怒りをあらわに。
化学部部長上野から放たれたドブ水もロッカ君の力により、中3女子の桃色天然水へと変貌しているのだ!となんだかよくわからない言葉で綺麗な水だとアピールするのです!
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そういうわけでおしっこ飲め田中、とビーカーを差し出す上野さん。
田中は飲むわけないと断り放題断るのですが、飲まなきゃロッカくんの力がわからないだろ、私のおしっこ飲みたくないだけなんじゃないか?と上野さんはぐいぐい来ます。
その通りだといっても彼女は効く耳持たず、ロッカくんが必要になる場面と言えばやはりサバイバルだろうから、どんな状況でも確実に確保できる水源こそここじゃい!と、ビーカーを股間に持ってきて力説をつづけるのです。
そんな水源で生きぬきたくない、と渋い顔を続ける田中……
上野さんはとうとうしびれを切らし、山下さんにおしっこ飲みなさい、と振り始めます!
セクハラです、訴えますよ、と眼鏡の下から冷たい視線を投げかける山下さんですが、飲んだら100円やろう、と上野さんが持ちかけるとあっさりそれを口にしました!!
田中が恐る恐る大丈夫かと聞きますと、山下さんは無味無臭のおしっこでした、となんだかアレな返答が返ってきまして……
上野さんは、山下が飲んだんだから次はお前の番だ!とまたまたビーカーを差し出してきます。
山下さんが飲んだんだからもう実証はできているだろうと一層嫌がる田中に、上野さんは田中が飲まないと意味ないんだ!!と思わず発言してしまいました。
どうしてそんなに自分にのませようとするのか?
田中にストレートな疑問を投げかけられ、上野はほほを紅く染めながらこう言います!
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お前に飲んでもらいたいからに決まってんだろ!!
……歪みまくっている気もしますが、要するに上野さんは田中のことを……と、まあそう言うわけです。
そう言うわけなのは確かなのですが、田中は全然そのことが理解できておりません!
だからなんで?と何もわかっていない感じできょとんとするばかり……
お前は昔からそういうとこあるぞ、と嘆く上野さんに、鈍いですね、と冷静につっこむ山下さん。
田中は首をかしげて状況を整理し……導き出したのは、「単に嫌がらせしたい」という結論だったのです!!
もうどうにも話が進みません。
上野さんはとうとうぶち切れ、なんでもいいから飲めよ、ありがたく飲めよわたしが出したおしっこをよぉ!と強引に飲ませようと田中を追いかけまわし始めました!!
おしっこ汚いですから、濾過してもおしっこはおしっこですよ、汚いですよホントに!本当に!本当に汚い!!
逃げ回りながらそう連呼する田中……
とうとう上野さん、汚い汚い言い過ぎだろうバカヤロォ!と、罵倒しながら泣き崩れてしまうのでした!!

いつもに輪をかけて変な上野さんに、うろたえる中。
山下さんも、確かに今日の部長は常軌を逸してます、と同意しながらも、部長の気持ちがわかると部長の気持ちにも同調するのです。
本当は素直に伝えたいと思っているけど、それ以上に不安なんだ。
まっすぐ気持ちを伝えてもしもダメだったら、と。
だからこんな方法をとったんだと思う、やり方は間違っているけど……
でも大丈夫、ちゃんと受け止めてくれる。
これが部長の今の気持ちです、どうするか自分で決めてください。
そう言って、山下さんはビーカーを田中の前に置くと……
田中は……いや飲まないけど、とやっぱり断りました!!
なんなんだこいつはよ、今のは飲む流れだろ!!
そう言って激昂する二人、小学生でもふんわり察するだろう、田中は告白されてもぼーっとしてんのか、と荒れ狂います。
田中は告白とかされたことないし、と今の言動がそれに準ずる(と言っていいのでしょうか……)ものだということに気づいていないそぶりをするばかり。
今ほぼされてんだよ現在進行形で、と言ってみても、誰に!?と的外れ場言葉ばかりの田中に、上野さんはもう死ねよお前!とぶち切れまくることしかできません。
あげくになんだか今日はえらくきつく来ますね、特に活動内なら帰りますよ、といいのこして田中は帰ってしまったではありませんか。
残された二人は、床に転がって田中の異様な鈍さに愚痴りまくり。
上野さんは、入部してきたときからああいうところあるんだよ田中は!と今までのあれこれをおもいだしていました。
大きなはクリスマスプレゼントの箱の中から、裸にリボンと言うアレすぎる格好で飛び出てきたときも、バレンタインにチョコの扮装をしてズバリ「ギブユー」と記してアプローチしてみたときも、田中は何も気が付かず……
昨年3年生が抜けて部員が上野さんと田中の二人になってしまい、廃部にするかどうか悩んでた時も、「2人だけでも大丈夫でしょ」と本人は何も考えず発言した時もあって……
でも、
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あーいうとこが好き!!
上野さんは真っ赤に赤面しながら、顔を抑えてそうもだえるのでした!!
見かねた山下さんは、上野さんにこう持ち掛けました。
今度は水筒にこっそり入れましょうか、と。
上野さんはそれを聞いて、給食に混ぜて全部食った後校内放送でばらそう、と、ささやかな夢物語(?)でその気持ちに答えるのでしたとさ……


というわけで、上野さんが必死で田中に間違った求愛行動を繰り返すさまを描いていく本作。
そのタイトル通り、上野さんが素直に好きだといえない不器用なアプローチをしていくというのが本作の基本なのですが、なんといいますか、上野さんよりもむしろあれなのは田中だったり……
鈍感にもほどがあるだろうという鈍感ぶりに加え、デリカシーやら空気を読む力やらも欠落しまくっている田中に対し、間違っているとはいえ頑張っている上野さんを応援したくなる気持ちがわいてきちゃいます!
山下さんもそんな上野さんを応援する気持ちは満々のようで、いろいろサポート柄をしてくれるのですが……やはりだめ!
科学部の活動の一環として、ものすごい発明をする上野さんが、そのものすごい発明品を田中へのアピールのためだけに使い、そしてむなしくから回る……
そんなドタバタラブコメディに、紹介した中でも連呼されたおしっこのような、わりと変態チックな要素もぶち込んだ、独自の味わいが楽しい作品に仕上がっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!