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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄牌のジャン!」第3巻 西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。


さて、伝説の雀士の孫であるジャンが、祖父のライバルだった男の営む雀荘、サンバンチで従業員として働きつつ、無敗街道をつき進んでいく本作。
麻雀とともに料理のほうにも力の入っているこの作品ですが、それと並ぶ目玉は過去作のセルフパロディだったり。
はたして今巻で巻き起こる出来事は!?


明るい雰囲気、わかりやすいルール、そして何よりもおいしい食事。
それらのおかげもあり、サンバンチは常に大人気を保っていました。
が、どうしたことか最近はその人気も今一つ。
いつもなら満席になっていてもおかしくない時間になってもお客さんの影はまばらで、銀子たちも首をかしげています。
ついにはジャンまでもが厨房から顔を出し、料理の注文も途絶えちまった、いよいよ危ないの過去の店、など位と言いだすのです。
銀子はあんたが裏で何かしてるんじゃないか、とジャンに憎まれ口で反撃するのですが、もちろん今回の件はジャンが絡んでいるわけではありません。
デブ、ハゲ、と子供のような口げんかがいつものごとく始まるのですが、そんなところに蛇美が外から帰ってきます。
彼女は手に持っていたチラシを二人に手渡しながら、こんなことを告げてきました。
わかったよ、お客が減った理由、と。
二人がそのチラシの中身を見ていみますと……

サンバンチからほど近い、秋葉原。
そこに新しくできた雀荘、emu-stageはたいへんにぎわっておりました。
それもそのはず、この雀荘では今人気急上昇の大人気アイドルグループにして、プロ雀士であるemuがメンバーを務めている上、食事は彼女たちの手料理!!
アイドルをするだけあって抜群にかわいい彼女たちと麻雀がうて、さらに料理まで食べられるとなれば、客も後もたたないわけで。
おまけに彼女たちにメロメロなお客たちの打牌は自然と甘くなり、メンバーたちは勝ちまくり!
勝った成果は当然店のものですから、ものすごい勢いで大儲け、という状態なのです!
この雀荘の仕掛け人は、emuのメンバーにしてこのお店の店長も務めている雪乃と言う女性です。
彼女のフルネームは……大谷雪乃。
そう、あのジャン達の不倶戴天の敵である、全雀連のトップである大谷の娘なのです!!
そんな素性の彼女ですから、大谷同様サンバンチを敵視しておりまして。
このお店はしっかりがっぽり儲けようという目的の他、サンバンチ潰しと言うもう一つの目的があったのです!!

食事はすべて女の子の手作り、ルールやレートはサンバンチと同じ、そしてゲーム代は100円安い。
なるほどこれは明確なサンバンチ潰しだ、とチラシを見た一同はうなずきます。
このままではまずいかもしれないと感じるサンバンチの一同の中で、ジャンだけは余裕の表情を崩しませんでした。
たかがアイドルなんだから、俺より上手い飯を作れるわけがない。
なぜかここで雀士ではなく、料理人としてのプライドからくる余裕を見せつけるジャン……
なのですが、そこになんと雪乃本人がやってきたではありませんか!!
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どこの馬の骨かもわからないやつが作った料理なんかより、かわいい女の子が作ったご飯のほうがいいに決まってる。
そう言ってにこりと微笑んだ彼女は、その直後すぐに敵意をむき出しにして、みなさんの話は父からよく聞いている、大変お世話になったようでこれからもよろしくお願いします、とにらみつけてきたのでした!!
が、そんな彼女よりも明らかな敵意を放つのがジャンです。
どこの馬の骨かわからないやつが作った料理など上手いわけがないという発言を取り消せ、俺の料理がお前らよりまずいわけがないだろう、とさっそく牙を剥きました!!
……どうもその言葉を、雪乃は待ち構えていた様子。
だったら勝負してみますか?
雪乃は、ジャンに圧倒的有利としか思えない料理勝負を挑んできたのです!!
もちろんその提案は、ジャンに取って渡りに船!
麻雀勝負でなく料理勝負だと言うところに若干の引っかかりは感じたものの、料理でも麻雀でも負けない、とその勝負を受けてしまったのです!!
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……なにせ相手は大谷の娘。
何の策もなく戦いを挑んでくるはずもないというのに!!

後日送られてきたルールは、ジャンの予想をはるかに超える厳しいルールでした!!
なんとその料理戦は、3対3のチーム戦!!
3人それぞれの料理が採点され、その合計点が勝っていたほうの勝ちと言うことになるようなのですが……その参戦メンバーは、ジャン、蛇美、そして……銀子!!
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「鉄鍋」とはまるで違い、銀子は料理が超が付くほどの大苦手!!
ジャンと蛇美が100点の料理を作っても、銀子が0点の料理を作ってしまえば相手が70点の料理を3人出すだけで負けてしまう計算になり……
予想外の形で迎えた大ピンチに、ジャンは!?


というわけで、今巻では大谷の娘が登場してしまいました。
「鉄鍋」でも「R」のほうに登場していたややマイナーなキャラである大谷の娘が、本作では第3巻で早くも登場!
今巻は対決形式もあって麻雀の実力は明らかにされませんが、「鉄鍋」でも披露されていた怪力なんかもちらりと見せてくれていまして、やはりファンならば萌えざるを得ないキャラクターとなっています!!
そして本作で初めてとなる、麻雀関係なしの料理勝負も注目です!
ジャンの料理は言うまでもなく大丈夫ですし、蛇美も何でもそつなくこなしそう。
問題になるのは当然銀子になるのですが、彼女にジャンが授ける秘策とは……?

そしてそれ以外のお話も注目しないわけにはいきません!
ジャンの「腕」、物理的な意味での腕を狙って襲ってくる牛頭と言う怪しげな男と、麻雀がうまいとは言えない小此木との3人で行われる3人麻雀編では、西條先生の得意とするバイオレンスな描写やグロテスクな料理なども登場して我々を楽しませてくれますし、すっかりヒロイン的扱いを受けている小此木の態度なども楽しめます。
ですがそれよりも今巻の後半から始まる大会編に期待しないわけにはいかないでしょう!!
ジャンには欠かせないといってもいい「大会」に、どこかで見たことのあるような腕利きの雀士や、本作ならではのキャラクターなども続々登場!
このまま中国から来た刺客的な雀士とかまで出てきてくれれば、もう最高なんですが……どうなんでしょうか!?
ますます勢いの増してきた「鉄牌」、今後の展開も必見です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!