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今回紹介いたしますのはこちら。

「GANTZ:G(ガンツ ジー)」第2巻 原作・奥浩哉先生 脚本・大崎知仁先生 作画・イイヅカケイタ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、楽しいはずの修学旅行から一転、恐怖のサバイバルハンティングゲームに挑むことになってしまった黒名たち。
友人たちが次々と倒れていく凄惨な戦いの末、生き残ったクラスメイト達は黒名を含めてわずか5名。
黒名はこの戦いを生き延び続け、ポイントを稼げば自由になれるか、あるいは誰かを生き返らせることができるということを知り……?


生き残った面々は、最初のゲームで知り合った経験者、安孫子と藤本の音頭による訓練を行っていました。
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ガンツスーツは、お前らの生命線だ。
ないと確実に死ぬ。
藤本のその言葉は、いいようのない現実味を帯びています。
実際、何も知らずスーツも着ないままゲームに放り込まれた友人たちは、みんな死んでしまったのですから。
ですがそれは逆に言えば、スーツを着てさえいれば非力な人物でも一応の戦力として見込めるということ。
とはいえ、完全な運動音痴であるよっちゃんこと宮崎よしこは、生来の気弱な性格もあって、誰もができるようなことも満足にできません。
そんな状況にさらされて、よしこはうなだれるばかり。
沈んだ様子のよしこをみて、黒名は何か言いたそうな表情を浮かべるのですが……
その直後、藤本がこう黒名に声をかけてきたのです。
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期待してんぞ、お前。
藤本の期待に応えるということは、すなわち黒名自身の手で敵を倒すということ。
そうすればポイントを手に入れることにもなるわけで、それは黒名自身の目的を達成することにもなるわけで……
黒名は、こくりとうなずくのでした。

高校生にして、芸能界で活躍をしている池上。
仕事の前、控室で彼女の中に渦巻いているのは……ガンツのもたらす戦いへの恐怖、ではなく、藤本と安孫子に称賛される黒名の姿でした。
クラスの中でいつもトップクラスに位置していた彼女は、自分以外がほめそやされる状態に納得がいかないようです。
そんなことを考えている控室でも、最初こそ自分をちやほやしてくれていたスタッフの面々が、トップアイドルであるレイカが来ていることを聞くや否やそちらのほうへ一目散に向かってしまう、と言う状況に辟易。
彼女が表紙を飾っている雑誌にジュースをぶちまけ、乳だけじゃんあんな女、と苦々しげに吐き捨てるのでした。

そのころも、森下はインディの地下アイドルの活動に精を出していました。
ライブを終えて会場から外に出ると、そんな彼女ので町をしている男が親しげに声をかけてきます。
が、森下は正直言ってその男性のことが大嫌い。
ファンの一人ではありますから、表面的には大事にしているようにふるまうため、気持ち悪さを押し殺しながらしぶしぶ男の相手をするのです。
いやいやながら男と会話していますと、そこにランニングしていた黒名が通りかかります。
戦闘で勝ち残るには、スーツの力に頼るだけではなく、自分の体も鍛えておいたほうがいい。
そう考えた黒名は、こうしてランニングで体を鍛えることを思い立ったのです。
その道中で、偶然戦う仲間に鉢合わせした彼女、当然のように森下に声をかけました。
気持ち悪い男と一緒にいるところを見られたくない、と思っていた森下は、たまらずその場から逃げ出してしまいました。
止める間もなくそれを見送る黒名……
男は森下の後を追いかけ、こんなことを言ってきたのです。
今の子知り合い?
スポーツウェアっていいよね、君もああいうかっこしたらかわいいと思うなぁ。
……それを聞いた、森下のはらわたは煮えくり返っていました。
大ファンであるはずの自分を差し置いて、黒名を見て興奮していたことに。

その夜も、訓練は行われました。
訓練2日目にして、早くも一人……金髪の不良然とした少女、梶は欠席しているようです。
実は彼女、とある事情があってその場にいなかったのですが、ほかの者はそれを知るはずもなく。
2日目で休むなんてマジゆとりだな、と藤本たちは苦言を呈するのです。
ともかくいない人物のことをくどくど言っても仕方ありません。
準備運動がてら、昨日と同じようにビルとビルの間をジャンプすることから始めようということに。
先日の訓練では、よしこだけ失敗してビルから落下してしまいました。
そのため、今日も彼女はその訓練に恐怖感を感じてしまうのですが……
そんな彼女の方を優しくたたき、黒名はこう声をかけるのです。
大丈夫、一緒に近くのビルまで跳んでみよ!
その一言で大分よしこの緊張もほぐれたようです。
二人同時に飛ぶことで、難なくビルとビルの間の跳躍に成功。
よしこもわずかながら、自信をつけ始めたようなのですが……
池上と森下は、そんな黒名の行動が気に入らないようです。
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なんかさ、イラつくんだよね、黒名。
池上と森下は、黒名に対する怒りを……静かに、確実にため込み始めていたのでした。


というわけで、ゲームに備えての準備を進めていく今巻。
「GANTZ」本編では、ゲームに詳しい人物は西だけで、西は多くを語らず翻弄される人々を見て楽しむような男でした。
それと違い、今回の経験者である安孫子と藤本は比較的しっかりとした人物。
自分たちが生き延びるためと言う理由が大きいのかもしれませんが、とにかく一同にゲームを生き残るための大前提ともいえる、スーツやガンの使い方を教えてくれるのです。
このまま順調にいけば、本編のそれよりもずっと生存率は上がるはず。
黒名たちはこのままスーツになれていき、戦いを生き延びる……ことができるのでしょうか?
今巻のラスト近辺で、いよいよ運命の戦いが始まるのですが……
戦いはやはり、予想外の展開ばかりが待っているようです!!

そしてもうひとつ問題なのは、黒名を取り巻く人間関係です。
黒名はその正義感溢れる性格と、抜群の度胸と運動神経、さらに美人……と、目立つ存在。
その目立つ存在が、この減津のゲームによってより一層目立つようになり……
それを疎ましく思う人物も、多く出てきてしまうのです。
この人間関係の問題が、大きな問題に発展しなければいいのですが……
こちらのほうも、目が離せないものとなりそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!