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今回紹介いたしますのはこちら。

「絢爛たるグランドセーヌ」第7巻 Cuvie先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、バレエ留学をするためにYAGPでの勝利を目指す奏。
周りの大人たちの思惑や心配に包まれる中、翔子や絵麻と言った同じ道を目指して研鑽する戦友たちとともに、より高く、より美しい演技のため腕を磨き続けるのでした。


貧しいとまでは行かないまでも、決して裕福ではない奏の家。
そんな家に生まれ育った奏がバレエ留学をするには、YAGPで目覚ましい活躍を見せ、スカラシップ……奨学金を勝ち取るほかありません。
今まで以上にバレエに真剣に向かい合い、そして留学をするのに必要な学力のほうもおろそかにしまいと、奏は一層頑張るのです。
梨沙と言うよき理解者の協力も受け、心身ともに充実していく奏はめきめきと上達をしていき……
やがて、その日はやってきたのです。

奏は、先生や翔子、そして以前「みんなで踊ろう」クラスで知り合った亮などと一緒に、新幹線で会場に向かっていました。
YAGP国内予選、その日程は5日間。
今からはしゃいでいては持たないと自分でもわかってはいるものの、奏はどうしてもウキウキわくわくが止まらないのでした。

初日の審査は、9歳から11歳の少年少女が競う、プリコンペティティブ部門から行われます。
奏たちはその少女たちの演技を見ながら、様々な感想を抱きます。
今の子、十歳だって、うまいな。
トリプルを決めてたけど、全国ばれ婚の時私あんな風に踊れてたかな。
そんなことを話し合いながら、上手な演技やそれなりの演技を見ていますと……やはり予想通り、「オーロラ」が多いことに気が付きます。
奏が踊る「ディアナ」も大いには多いのですが、やはらオーロラに比べれば大分少なく見えるのです。
もちろんそれはプリコンペティティブだけではなく、ジュニアやシニアでも同じ。
参加者とその演目が記されたリストにざっと目を通している最中、翔子が突然固まってしまいました。
奏がどうしたのかと彼女の名前を呼んでみますと……翔子の目は、リストのある名前に釘付けになっていたのです。
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藤田絵麻、眠れる森の美女よりVa.
……絵麻が、翔子と同じオーロラを踊る……

審査が終わった後。
亮が大泣きしています。
緊張したのか、体調を崩してしまい、演技も失敗してしまったようです。
自信満々で、本番が楽しみだと言っていた亮でも、やはり本番の場に立つとちがいます。
何せ周りは、チャンスをつかもうとして必死になっている、本気の参加者ばかり。
会場じゅうの空気がピリピリしているのが感じ取れるほどです。
そんな空気を感じ取り、翔子の気持ちは一層落ち込んでしまいます。
自分が踊るのは、「可憐」なオーロラ。
この空気の中で、集中して役になりきることなどできるのか?
以前の大会と違って、先生は舞台袖まで来ることができない、自分一人で踊りきらなければならない……
他の参加者に埋もれないオーロラを、あの奏があきらめたオーロラを……!?
ずんとその体に重圧がのしかかる感覚を覚える翔子……
気が付けば、そんな翔子の顔をすぐ近くで奏がのぞき込んでいました!
びっくりして正気に戻る翔子、ちょうどその時ジュニア女子対象のワークショップが行われる時間になり、その場を移動することになります。
そんな彼女たちを……今まで大泣きしていた亮が、涙をこらえ、サムズアップで見送ってくれて……
亮の気持ちと、奏の変わらない明るさ。
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それに力づけられ、翔子は気持ちを幾分立てなおすことができたのでした。

YAGPでは5日間で審査以外に、有名バレエ講師によるワークショップも受けることができます。
向上心の塊である奏はもちろんの事、トップを目指す参加者たちが大勢参加していました。
レッスンを受けながら、奏はこの場にいるみんなのレベルの高さに感服。
足をプルプルさせてる人なんていないんだ、などと考えながら周囲の三か所の様子をうかがっていると……その視線の先に、絵麻の姿を発見しました。
久しぶりに見る絵麻の演技……奏は、その演技に違和感を感じます。
なんだか依然と印象が違う?
注意深くその後も絵麻の動きを観察していますと、すぐその理由がわかりました。
以前とは違い、最後まで気を抜かず、ポジションに入れるまできっちりと、丁寧に踊るようになっている。
だから動きの印象がまるで違うのだ、と!
自然と、奏の視線は絵麻の踊りにひきつけられてしまいます。
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見たい。
今の絵麻ちゃんが踊る「オーロラ」、見たい!
予想外か、それとも奏らしい場面と言えるのか……ともかく、本番を前にして、奏の胸は早くもまた高鳴りを強めるのでした!


というわけで、YAGP国内予選が始まる今巻。
今巻ではこの紹介したYAGPに至るまでの様々な奏の成長や日常風景がメインとなっています。
一緒にレッスンをした男子に影響を受けたり、自分が踊るディアナと言う役に必要なものを見つけようと頑張ったり、経済的な問題に直面したり……
順風満帆とはいかないかもしれない奏の歩む道ですが、それでも多くの人々に支えられ、一歩一歩確実に前へ進んでいくのです!
どんな時でも前向きに、元気に、ひたむきに頑張る奏の姿は見ているこちらも元気づけられること間違いなしですよ!!
さらに戦友とのひと時の別れや、梨沙との絆を再確認できるエピソードなどもあり、胸にじんとくる物語も!
これから世界に羽ばたいていくであろう奏の育んできた、技術や人と人とのつながりがしっかりと描かれている一冊なのです!!

そして物語はこの後いよいよ一つの山場を迎えることになります。
YAGPでスカラシップを取らなければ、奏のバレエ人生はかなり後退……ともすれば、終わりを迎えてしまうかもしれません。
大きな節目となるであろうこの大会、どのような結末を迎えるのか?
今後に期待と不安が膨らんでいくばかりですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!