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今回紹介いたしますのはこちら。

「SHIORI EXPERIENCE(シオリエクスペリエンス) ジミなわたしとヘンなおじさん」第7巻 長田悠幸先生・町田一八先生 

スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスより刊行です。


さて、井鈴の帰りを待ちながら、最高の一曲を作り上げんと奮闘していた本田達。
そんな中、偶然か必然か、ジミとカートが出会ってしまいました。
運命に引き寄せられるままセッションした二人は最高の化学反応を起こし、会場は大爆発。
抜群の手ごたえを感じたカートは、演奏を終えた後地味にこう言ったのです。
俺とバンドを組まないか、と……!


あの盛り上がりを見せたライブの翌日の事。
観客たちにもみくちゃにされたこともあり、カートの誘いに対する返事は保留になっているジミ。
本田は本田で、熱狂のまま寝ることもできず学校に向かい、さらにいつものように部活動に打ち込んでもうへとへと……
帰ってゆっくり寝よう、と家路に向かっておりました。
が、校門の前でジミが待ち構えています。
その日は一日本田の周りにジミが姿を見せておらず、心配していたのですが……ジミは一人で考えたいことがあったようです。
本田の自分たちの曲のアレンジが進んだから聞いてみてほしいという頼みも聞かず、ジミはジャックを取り出し……こういいます。
あの曲の完成形が見えたんだ、だから頼む、JACK inさせてくれ。

そこには、今まで見たことのない風景が広がっていました。
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「あの時」の本田が見たモノとはまるで違う、痛いほどの青空の下に広がる、広大なクロスロード……
そして本田には、その時のジミは十字路に一本立ててあるギターに、かき鳴らす曲をささげているように見えたのです……

本田の目には、自然と涙があふれていました。
そんな本田に、ジミが本題を投げかけてきます。
あいつらは、俺をバンドに誘いに来たんだ。
俺を刺そうってことは、お前が誘われたってことだ。
SHIORI、オレはカートとバンドがやりてぇ。
……ジミがカートとバンドをやる、露言うことは……つまり、本田がフォードとバンドをやる、と言うこと。
もちろんジミたちの力があるとはいえ、二足の草鞋を履くというわけにはいかないでしょう。
ですがジミによって、今まさに見たことのない世界へ連れていってもらった本田が、ジミの言葉に冷たい返事を返すことなどできるはずもなく。
あんなに美しい曲を聞かされたら、何も言えないじゃないですか、と涙をぬぐうのでした。
ジミはただ、「魂の叫び(ブルース)」に従うだけだ、とのこと。
いつもどおりの彼の言葉を聞き、本田もまたギタリストとして本気で答えなければならないと感じ……
自ら、
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JACK inを求めたのでした!!

ジミはバンドを組んでくれるのか、くれないのか。
その返事に不安を抑えきれず、うろうろとうろついてはうろたえていたカート。
丈二はと言いますと、ジミとカートが作り上げようとしている伝説の舞台に立っているのが、なぜ自分ではないのかと苦悩し……その苦しみを少しでも紛らわせるため、酒を浴びるように飲みながら町をふらついています。
そんなところに、本田とジミはやってきました。
ジミとカート、意外にも早い感動の再会……のはずでしたが、何か照れくさいのか、二人はやぁと小さな挨拶をするだけで済ましてしまいました。
そこに、おずおずと自己紹介を始める本田。
フォードは本田が最初誰なのか全くわからなかったのですが、口ひげとカツラをこうして……と説明してもらい、ようやくあの日のジミの依代がその女性であることに気が付きました。
ジミの契約者が女だったとは意外だ、ちょっと地味だけど……逆に面白いかもしれない。
そう笑うフォードは、本田が高校の英語教師で英語が堪能なことも気に言ったようで、金魚のフンのようについてきていた丈二もこれで厄介払いができるな、と笑うのです。
さらに本田が例のタイムリミットまであと10か月ほどしかないことを知ったフォードは、さらに話を急ぐために自分の計画を明かしてきました。
それはジミとカートがバンドを組んで伝説を作る……と言うだけではありません。
二人のように27歳で死んだ伝説のミュージシャンを集めた最強バント、「The 27 Club」を作る……!!!
「The Doors」ジム・モリソン。
「歌姫」ジャニス・ジョプリン。
「鬼神」ブライアン・ジョーンズ。
「NIRVANA」カート・コバーン。
「ギターの神様」ジミ・ヘンドリクス……
この伝説の人物が一堂に会し、誰もが一度は夢見た幻の競演を実現させる……!!
もちろんそれは夢物語などではありません。
このプロジェクトを動かしているのは、アメリカ音楽業界のフィクサー……おぜん立てはばっちりです。
そして肝心のジミやカート自身もまた、バンドをやりたいと言っているわけで……!!
もはやその夢を、伝説を実現させる道は開かれたも同然。
今後ともよろしくな、と手を伸ばしてくるフォード。
本田は……その手を、背負っていたバッグに伸ばしました。
唖然とするフォードを前に、本田はギターを用意します。
前置きはいいからさっそくジャムろうって言うのか、いいね、やる気だね。
そう乗ってくるフォードだったのですが……ホンダのテンションは何だか普通じゃありません。
うまく歌えるかわからないんですけど、聴いて下さい。
これが私の答えです。
ギターを奏でながら、歌い始めました。
曲名は
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「また逢う日まで」……!?
この曲を歌うということは、つまり……!?


というわけで、ジミとカートの再会、そしてその後の出来事を描いていく今巻。
この曲を歌うということはつまり……そう言うことなのでしょう。
ですがそれまでの流れを見る限り、本田はジミの望みをかなえてあげようとしていたようですが、一体ここに至るまでに何があったのでしょうか?
ジミの、本田のブルースが響き渡ることとなるのです!!

そしてその後は、いよいよ大詰めを迎えた本田達の曲作りに入っていきます。
今までの甘さを捨てた本田達は、ジミとカートの演奏によって力をもらった本田に引っ張られていくように、どんどんとその曲の連弩を上げていきます。
ですが、その場にこの部活動を作った立役者ともいえる井鈴の姿はなく……
帰ってきてくれと言う思い、そして帰ってきたくなるような曲を作ろう、とより一層練習に打ち込んでいく本田達なのですが……
決して順風満帆には行かない本作、今巻でもそのままならない運命のうねりが待っているのです……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!