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今回紹介いたしますのはこちら。

「監禁嬢」第1巻 河野那歩也先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。



河野先生は16年の3月にヤングチャンピオンで読み切りを掲載、その後同年4月より漫画アクションにて本作の連載を開始し、この度初となる単行本の観光となった漫画家さんです。
そんな新人の漫画家さんが描く本作は、サイコサスペンスもの。
果たしてどのような恐怖が描かれていくのでしょうか……?


裕行が目を覚ますと、そこには信じられない光景が広がっていました。
見慣れない倉庫のような場所。
大きな姿見に映し出された、拘束された両手両足。
そして、裕行の背後に寄り添うように立ち、だーれだ?と尋ねてくる、ボブカットの女……
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一目見ただけで、普通ではないことがわかります。
裕行は手足をばたつかせ、拘束をとこと試みますが、ガチャガチャと音を立てるだけで拘束具の戒めから逃れることはできません。
そんな裕行の抵抗は気にせず、女は先ほどの問いかけの答えが返ってこないことを気にかけているようで。
わかりませんか?残念だなぁ、でもまぁいいです、と勝手に話を続けるのです。

彼女は、質問をしてきました。
1問目、あなたのお名前は?
……この異常過ぎる状況とはあまりに場違いな質問です。
裕行はその質問には答えず、状況の説明を求めました。
何なんですか、ここはどこですか、何が目的ですか、あなたは誰ですか、俺が何をしたって言うんですか。
そんな質問を投げかけながら、裕行はこの状況に至るまでのことを必死に思いだそうとするのです。
すると女は、質問の順番を間違えましたと言いながら、手にしていた紙の束の中から一枚を取り出し、だーれだ?とそれを見せつけてきました。
その紙は、メガネの女性が赤ちゃんを抱きかかえている様子が映し出された写真。
それを見るなり、裕行の表情は一変!
噛みつかんばかりの勢いで、二人に何をしやがった!と女に叫んだのでした!
女は、何もしていない、用があるのはあなただけですから、と薄笑いを浮かべます。
そして、正解、あなたの奥さんの美沙子さんに、娘の日輪子ちゃんです、と答えを明かし……第2問、とまた質問を始めるのです。
その時にちらりと見えた、彼女の胸元の南京錠のようなネックレス。
それを見た瞬間、裕行の脳裏にこうなる直前の記憶がよみがえってきたのです!

仕事を終え、帰宅した裕行。
ですが家に帰ると、携帯に娘のおむつを買ってきてくれとメッセージをしたのに買ってきていないのか?と奥さんに咎められてしまいました。
仕事帰りで疲れてはいますが、愛する奥様の、そして何よりも愛娘のためです。
奥さんと娘さんにキスをして、ぎゅっと抱きしめて、再び家を出たのです。
その後、おむつは問題なく購入。
改めて家路に急いでおりますと、道端に女性が倒れているのを発見します!
何事かと女性に駆け寄っていく裕行、大丈夫ですか、どうされました、と必死にj制を揺り動かします。
が、彼女に返事はありません。
その胸元には……あの、南京錠のようなネックレスが輝いています。
しかしその時の裕行はそれに気を配る余裕もなく、救急車を呼ぼうと携帯を取り出すので精いっぱい。
そのため、背後でその女性が向くりと立ち上がったことに気が付かなかったのです!
裕行が女性に気が付いた時には、彼女が手にしていた鍵を、裕行の胸元につきたてる瞬間でした。
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ある程度先端がとがっているとはいえ、所詮は家庭用のドアなどについているような鍵ですから、その殺傷力は大したことがありません。
小さな傷をつける程度のものなのですが、それだけで彼女には十分でした。
痛みで一瞬体を硬直させた隙をつき、女性は裕行の背後へ。
そして首筋にスタンガンを当てて……!!

何が起きたか、は思いだしました。
が、結局分かったのは彼女が異常な人物だということくらい……
そんな裕行の胸の内を知ってか知らずか、彼女は2枚目の写真を見せてきました。
そこに映っていたのは、女子高生です。
実は裕行、学校の教師をしていまして……担任しているクラス生徒の一人、藤森麻希が映っていました。
気になるところと言えば、少し前に麻希が裕行に告白してきたという事件があったのですが、きちんと断ってその件は終わっているはず。
裕行は必死になり、こんなわけのわからないことをしなくてもできるだけの要求は呑む、だから家に帰らせてくれ、美沙子はすぐにパニクるんだ、と女性に懇願するのですが……
そこで、今まで余裕だった女性の顔が能面の世に無表情になり、得体のしれない迫力が沸き上がり始めたのです!
いつからそんなにつまんない男になっちゃったんだ。
もういいです、いろんな人間に囲まれて日々幸せに満たされて生きている、それが岩野裕行、今のアナタです。
そう言って質問を打ち切り、彼女は「本題」に入りました。
私が誰なのか、私の目的は?
難しそうなんでヒントを上げます。
そう言って彼女は……裕行のあの部分をもてあそび始めたではありませんか!!
やめろと言う裕行の声も聞かず、これでも思いだせないかと弄び続ける女。
たまりかねた裕行は、彼女の顔面に唾を吐きかけるのですが……女は

むしろそれを待っていたかのような笑顔を浮かべて……!?
彼女は裕行の上にまたがるような体勢になって寄り添い、言いました。
私のことは、「カコ」って呼んでください。
心配しなくても大丈夫、あなたの記憶の中に私はいます。
アナタが私を思い出せないのは、アナタがアナタを忘れたからです。
早く会いたいなぁ、あの頃のアナタに。
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……過去の瞳の中には、闇が広がるばかり。
一体彼女は何者なのか。
何が目的なのか。
裕行の忘れている自分とは。
様々な人物を巻き込み、その数々の謎に迫るおぞましき日々が幕を開けるのです……



というわけで、謎多き女・過去に監禁されてしまう衝撃の幕開けとなる本作。
そのタイトルからして、このまま監禁された状態で物語が進む……かと思われたのですが、意外に早くこの監禁からは解放されることとなります。
が、それはあくまで身体の監禁から解放される、と言うだけ。
この後も、謎の女性・カコによって、体とは裏腹に、精神的な監禁をされたままの裕行の苦悩が描かれていくのです!
そして、カコの恐ろしさはその異常性、多すぎる謎、だけにはとどまらないのです。
異常なまでにしっかりと張り巡らされた周到な準備、そして目的のため利用出来そうなものならば何でも、どうにでも利用してしまうという計算高さも持っているのです!
その恐ろしいカコのたくらみに、あの提示された写真に写っていた美沙子や日輪子、そして麻希までもが巻き込まれていき……
どんどんと泥沼にはまっていく恐ろしさ。
その恐ろしさの加速と、失われたカコと過去の裕行。
衝撃的な事件と、エロスな罠。
様々な恐怖が盛り込まれた物語となっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!