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今回紹介いたしますのはこちら。

「衛府の七忍」第3巻 山口貴由先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。



さて、憎き徳川を倒すために旅を続けているカクゴと伊織。
二人はその旅の最中、処刑されようとしている女性を見つけ、助け出そうと画策します。
ですがそれはカクゴたちを狙う、現人鬼・波裸羅の罠だったのでした!!


処刑場に殴りこんだカクゴ。
すでにカクゴは徳川の敵、怨身忍者としてマークされていまして、その場にもカクゴを迎え撃つための忍者が配備されていました。
突匙逆立丸、大玉爆吐坊、百足巻巻之介、四刀包十郎。
そう名乗る4人の伊賀忍者と対峙することとなったのです!
早速零鬼へと変身し、迎え撃つカクゴ!
処刑の見物に来ていた民人達は、突然目の前に現れた怨身忍者と伊賀忍者の戦いに、戦慄を覚えるのです!
が、そんな中で一人高ぶりを覚えているのが……処刑される女子に化けていた波裸羅。
波裸羅はゆっくりと体と、その高ぶりの象徴を立ち上がらせるのでした!

まず襲い掛かってきたのは、突匙でした。
両腕に装着された鉤爪を振り回し、まっすぐカクゴに攻撃を仕掛けてきます!
カクゴはその髪を針へと変じさせ発射、突匙の頭をハチの巣にしてしまいました!!
が、月匙は全く答える様子がなく、引き続き攻撃を仕掛けてくるではありませんか!!
頭に釘を刺されて何ともない、なんてことはあるはずがない。
虫だって頭を射抜かれたらただじゃすまない。
と言うことは……
カクゴは冷静に分析し、得意の大ナタで突匙の股間を切りつけました!!
そこからのぞいたのは……頭!
突匙はその名の通り、逆立ちして足を手のように使って攻撃を仕掛けるというトリッキーな戦法をとっていたのです!!
とはいえ、股間から左右に真っ二つにされてしまえば全く関係のないことなのですが!

続けて襲い来るのは四刀です。
四刀は両腕に刀を持つ二刀流で襲い掛かってきたのですが、カクゴからすればなんてことのない攻撃。
跳躍してそれを回避し、反撃に出ようとしたのですが、そこでなんと、四刀の服の中からもう2本の腕が出現!!
空中で身動きの取れないカクゴの胴体を切り離そうと刀を振るのですが……カクゴはとっさにすね当てでガード!
そのまま鉈でぶった切ってしまうのでした!!

その次に出てきたのは、大砲。
大砲は伊賀忍法城門破り、と口から鎖付きの鉄球を発射する忍法を駆使して襲い掛かってきました!
その弾速はすさまじく、覚悟は胸にそのつっきゅうを喰らってしまいました。
いかに怨身忍者と言っても、大砲を相手にしたことなどないだろう、とと笑う大砲。
2発目をお見舞いしてやろうとする大砲ですが、もちろん素直にそれを食らってやることなどありません。
たっぷりと鉄球に付着したカクゴの血液。
カクゴは怨身忍法により、その血液を猛烈な勢いで燃え盛らせ、大砲を焼き殺してしまうのでした!!

そして最後に控えるリーダー格の百足。
百足はその名の通り忍虫の大百足を操って攻撃してきます。
カクゴは鉈でその忍虫ごと百足を切り捨てようとするのですが、その際に邪魔してくる忍虫の飛び散る体液に苦しめられることに。
忍虫の体液は毒、それを浴びるだけでもダメージを負いますし、さらにその忍虫の陰から伸びてくる百足の槍の攻撃を厄介!
そこでカクゴは、鉈を髪の毛に結わえて鎖鎌のようにして攻撃!
百足を潜り抜け、百足の体をバラバラに刻んでしまうのでした!!

終わってしまえばカクゴの完勝。
ですがそこでついに、波裸羅が登場するのです。
処刑のために自らと結び付けられていた牛を引きちぎり、ゆっくりとカクゴたちのほうへと足を進めてきます。
鬼と聞いていたが、やっと毛が生えたくらいの童とはな。
噛み切ってやろうか、つくしの先を。
掻き出してやろうか、蕾の奥を。
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そう不敵に笑う波裸羅から、今までの忍者たちとは格段に違う圧を感じるカクゴは、伊織を下がらせます。
志摩の現人鬼・波裸羅。
そう名乗り構えるその姿は、猛者と言う言葉すら生ぬるい実力をひしひしと感じさせるのです!!
死ぬか生きるか、伐斬羅が燃えてくるぜ!
未知の強敵と対峙したカクゴは、その体の中の滾りを抑えきれません。
早速無防備にさらされた胴に鉈を叩き込むのですが……
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鉈は波裸羅の皮を裂いたところで、止まってしまったのです!!
波裸羅の並みならぬ筋肉の収縮により、鉈が咥え込まれた……!!
強引に鉈を引き抜き、今度は足を狙うも再び脛によって鉈を加えられてしまいます!!
とっさにカクゴは別の攻撃に変更!!
具足の足裏に牙を生やし、相手の皮をつかんではぎ取るという荒業、剥き衣を波裸羅の胸にさく裂させたのです!!
……が。
なんということか、もぎ取られたのは波裸羅の皮ではなく、具足に生えた牙のほうだったのです!!
波裸羅はその牙をぼりぼりと飲み下し、飛び蹴りで反撃!!
カクゴは髪の毛の釘を飛ばす技で迎え撃ちますが、その髪の毛は空を切り……覚悟はその両眼を潰されてしまいました!!
……小手調べはこれで終わりです。
そろそろ挿れるぞ、と勝負を決する宣言をする波裸羅。
カクゴもまた、そっ首はねてやる、と鉈を構えて……!!
直後!!
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波裸羅の手刀は、カクゴの腹を貫通していたのです!!


というわけで、カクゴと波裸羅、宿命ともいえる戦いが早くも行われた今巻。
二人の原典ともいえる「覚悟のススメ」では、その激闘はすさまじいの一言に尽きるものでした。
今回のその激闘も、「覚悟」のようなとんでもないものになるのでしょうか!?
少なくとも波裸羅の実力は、「覚悟」に引けを取りません。
そちらで読者をビビらせたあの技も披露してくれますし、原典を知らない読者の方をただでさえ興奮させる熱戦を、ファンならばより一層楽しませてくれる内容になっているのです!!
宿命のこの決戦、その宿命的な意味でも、戦いの行方も、そして本作の「七忍」に数えられるものとしての展開も、気になるところですね!!

そしてこの波裸羅の霞鬼編に続いて始まるのは、霞鬼編。
こちらではあの「シグルイ」が原点となるキャラクターが主役に据えられているようで、こちらもファンならばぐっときてしまうお話です!!
物語も読み応えある内容になっていますし、本作の今後の展開にもかかわってきそうな人物も登場します。
こちらも目の離せない展開になることは間違いなさそう……!!
ファン向けとしても、そうでない残酷時代劇としても、続きがますます楽しみですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!