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今回紹介いたしますのはこちら。

「監禁嬢」第2巻 河野那歩也先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。



さて、謎の女「カコ」によって平和な日常を崩されてしまった裕行。
カコは自分のことを思い出せと迫り、様々な脅迫とも嫌がらせともつかない行動をしてきます。
教え子である麻希との関係を強制させられたばかりか、とうとうカコは裕行の子供まで手にかけようとして……?


いままで裕行が甘んじてカコの行動を耐え忍んでいたのは、ひとえに家族を巻き込みたくないから、でした。
ですから、カコが大事な娘に手を上げたからには黙っているわけにはいきません。
麻希によれば、相手が女で、幸弘が男と言うだけでこの状況は不利だとのこと。
女が乱暴をされれば「かわいそう」だが、男がされても「まぁよかったじゃん」となる。
裕行は、過去に男の女に対する負い目をつかれている、と言うのです。
しかし裕行に打つ手なし、というわけではありませんでした。
カコは外堀から埋めるため、裕行の妻である美沙子とあらかじめ友人関係を築いていました。
美沙子の携帯電話の中には、当然友人であるカコの連絡先が登録されています!
もうこれ以上、あの女の好きにはさせない!
裕行はとうとう反撃に出るのでした!!

小さな喫茶店で、カコは待っていました。
裕行が過去の前に立つと、カコは少し驚いた表情をした後、にやりと笑います。
なるほど、みさちゃんを装って私を指そうなんて、やるじゃないですか。
そうつぶやき、裕行を招き入れたのです。
裕行はそんな過去の前に、封筒を置きます。
これは何かと言うかこの問いかけに、裕行は答えました。
今俺が払える限界だ。
これで俺と俺の家族の前に、二度と現れないでくれ。
もし飲めないって言うなら俺は、このままお前を警察に……!
ですがそんな裕行の悲痛の叫びを、カコはあくまで冷静に退けるのです。
警察に行ったところで、あなた何も言えないでしょう。
ことが公になればあなただけでなく、麻希の人生まで滅茶苦茶になります。
それにあの日からまだ数日しかたっていない、私のいいようによっては、あなたは乱暴を働いた犯人にだってなるんです。
自首でもするつもりですか?
……これが麻希の言っていた、男の女に対する負い目をつかれている、というものなのでしょう。
ですが実際、そこをつかれるとどうにもらないと言うのも事実なのです。
裕行は頭を抱えてしまいます。
お前の目的が金じゃないことくらいわかってる、でもいくら考えても1ミリも身に覚えがない、俺はお前なんか絶対に知らない……!
敗北宣言にも等しい発言ですが、それでもカコは答えを教えてくれることはなく、またヒントを出してくるにとどまります。
一か月前の今日、あなたはどこで何してました?
いきなりそんなことを言われてもなかなかこたえられるものではありません。
が、過去に「餃子」とつげられると、はっとその時の記憶がよみがえるのです!
たしかにひと月前のその日、美沙子と餃子を作った記憶が……!
記憶は正確な情報さえ与えてやれば、何度だって蘇る。
逃がしませんよ、記憶の迷路を抜け出して、目の前のドア、鍵を開けて、確かにそこにいるあなたの中の私を、
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あなたが見つけてくれるまでは。

結局カコに反撃することはできませんでした。
ですがカコは、妙なことを言いだします。
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鬼ごっこをしましょう、もし私を捕まえられたら、ヒントをあげますよ。
そういって、一方的に鬼ごっこを始めてしまうのです!
突然駆け出していったカコ。
裕行は会計などをしなければならないためどうしても出遅れてしまい、いきなり差を広げられてしまいました。
店を飛び出したころ、もうカコはだいぶ先に行ってしまっていました。
必死で追いかけていくのですが、カコは路地裏などをどんどんかけていき、なかなか追いつくことができないのです。
しばらく鬼ごっこは続き……ようやく、路地裏を抜けたホテル街のあたりで過去を捕まえることができました!
この女の正体を突き止めて俺は、俺の日常に帰るんだ!
そんな裕行の想いをあざ笑うかのように……カコはいきなり、裕行に口づけをしてきたのです!!
あっけにとられてしまう裕行ですが、何よりも驚いたのはカコのその行動ではありません。
裕行とカコがキスをしているその場に……
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美沙子が、居合わせていた……!!
どうやらカコは、裕行が美沙子の携帯を使って過去を呼び出していたことに気が付いていたようです。
その上でだまされたふりをして裕行と会い、この場所に美沙子を呼び出して鉢合わせさせたのでした!!
この状況を見られては、カコに嵌められたと説明しても決して信じてはもらえないでしょう。
裕行はまたも、男の女に対する負い目、をつかれてしまったのです……!



というわけで、またも反撃がかなわなかった今巻。
カコの攻撃はより一層激しく、周到になっていくのです。
家庭の間にもひびを入れんとしてくるカコ。
果たしてカコはこの後何を仕掛けてくるのでしょうか。
物語に新たな登場人物が追加され、その人物の人生もまたカコによってくるわされてしまうことになります。
カコが思いだしてほしい裕行の中のカコ。
それはいったいどうすれば思いだすのか、一切思い当たるものがない裕行ですが、カコはまたほんの少しながらヒントを出してきて……?
まだまだ彼女の正体を知ることはできませんが、少しずつながら近づいては来ています。
ですがそれに近づくことが、裕行のいままでの日常を取り戻すことにつながるとは限りません。
謎は深まり、疑惑も深まる。
麻希のたくらみも潰えたわけではありませんし、美沙子も今回の件で立ち位置を変えてくるでしょう。
新たな登場人物もどんな役目を果たすのか……
ますます目の離せない本作、今後の展開が気になりますね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!