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今回紹介いたしますのはこちら。

「トリコ」第43巻 島袋光年先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。




さて、アカシアとの最終決戦も佳境を迎える本作。
ネオを逆に喰らったアカシアは、その体を怪物のように変化させ、恐ろしい力を振るいます。
トリコは復活した三虎や、八王、スタージュンとともに戦いを挑むのですが……!?


GODを食べ、センターを食べ、そして自らの中で力を貸してくれていたグルメ細胞の悪魔、オーガーを食べたトリコ。
その力は最大限に高まり、アカシアに対抗できるまでに上がっています。
ですがそれでもなおアカシアの力は強大。
三虎や四天王、鉄平やペアなども参戦してもなお、一歩も引かない力を誇るのです。
アカシアは、その巨大な食欲から生まれる力で超巨大な手を作りだし、地球を握りつぶそうとしてきました!
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三虎はすかさずマイノリティワールドを使って力を逆転させようとするのですが、アカシアはそれを察知してすかさず逆に手を開こうとします!
三虎はマイノリティワールドを解除。
最初から力づくで排除できる、とドラゴンのようなグルメ細胞の悪魔を呼び起こし、メテオレーザーを射出!
アカシアの手を破壊するのですが……アカシアはその巨大な手を、まだまだ次々と作りだして地球を握りつぶさんとしてきたのです!
三虎はそれを見て笑います。
それだけで足りるのか?自分の身を案じろよ、と。
アカシアは三虎に意識を向けすぎてしまっていたのかもしれません。
気が付けば、トリコが目前まで迫ってきており、ジェットレッグナイフで攻撃を仕掛けてきていたのです!!
ガードするアカシアですが、そこに今度はバンビーナが追撃!
バランスを崩した瞬間、バトルウルフの群れが一斉にとびかかり……!!


激戦の余波が小松たちに襲い掛かります。
ブランチが小松を安全なところまで移動させようと抱きかかえてくれたのですが……その最中、小松から気になる言葉を聞くこととなったのです。
あの人物のものと思われる職例が教えてくれた、グルメ細胞の悪魔に体を支配されないための方法。
それは、この世でたった一つの、自分で決めた自分だけのフルコースを食べること。
トリコは、小松とともに「虹の実」から始まるフルコースを作り上げています。
そして完全ではありませんが、ネオの中に潜む大量の食材の中から一つ、肉料理に該当するものを発見し、仮とはいえフルコースのすべてを食し、完成させているのです。
トリコがオーガーを取り込んでも、それに支配されることはありません。
そして支配されなければ、姿が変わってしまうということもない、はずなのです。
だというのに、アカシアの体は完全に変化してしまっていて……
これはどう言うことなのでしょうか?
アカシアは、自分だけのフルコースを……

とびかかるバトルウルフを食い散らかし、腹の足しにもならないと漏らすアカシア。
三虎のコピーした食運による攻撃も、しゃくしゃくと咀嚼してしまいます。
三虎とアカシアがそうやって戦っている間に、ペアは突然トリコの背中に一撃、叩き込んできました!
驚くトリコですが、それは決してトリコにダメージを与えるためのものではありません。
この世のありとあらゆるものを何でも食べてしまう、「黒」のグルメ細胞を持つというネオ。
そんなネオのもっとも好むもの味は、「絶望」であることはみなすでに知っています。
ですが、ペアによれば苦手な味もあるというのです。
それは……怒り!
ペアはトリコに「調理」を施し、沸き上がるような怒りの感情を浮き出させようとしていたのでした!
怒りをネオに食わせる。
それが唯一、ネオを倒す方法なのだ、と……!

ちょうどそのころ、三虎のコピーした食運も喰らい尽くされようというところでした。
三虎はそれならばとパンチで殴りつけ、舌で攻撃を仕掛けるのですが……
パンチを放った右こぶしは、しゃくしゃくと喰らわれてしまいます!!
だからどうした、と攻撃を続けるものの、次は左腕、そして舌、と食われてしまうのです!
喉笛までアカシアの牙が食い込んだとき、アカシアは再びいやらしい笑いを浮かべます。
この世には、たった二種類の生物しかいないんだ。
食うものと、食われるもの!
三虎、おまえもいいせんまでいっていたが所さんは食われるものだったな!
勝利を確信したかのように笑うアカシアでしたが、そこで現れたのがトリコでした。
アカシアが伸ばした尻尾を切断し、そしてそれを逆に食ってのけるトリコ。
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二種類しかいないのなら、お前も食われる側だぜアカシア!
トリコは不敵な笑みをうかべ……そして、全体重と怒りを込めた拳でアカシアを殴り飛ばしたのです!!
そしてトリコはわかっていました。
三虎はなすすべなく攻撃を食われていた……のではなく、怒りのみを乗せた攻撃をあえてくらわすことにより、ダメージを与えていた、ということを!
怒りのみの攻撃は、ネオに強いダメージを与えていました。
アカシアのしっぽ、ネオの肉を食った際に感じた強いストレスから、トリコはそこまで感じ取っていたのです。
そして……アカシア本人も、実はそれを望んでいたかのようなことも……!

地球は限界を迎えようとしています。
あちこちから噴煙が吹きあがり、地球の崩壊はもう間もなくと言うところでしょう。
急がなければなりません。
アカシアとの決着を!!
アカシアは噴煙の中から、今のパンチはよかった、強い怒りを搭載した素晴らしい攻撃だった、と漏らしながら現れます。
トリコ、決着をつけようか、俺とお前、どっちが美食の夢をかなえるか!とアカシアをにらみつけます。
背中から触手のような突起を隆起させ、ますますその姿を異形へと変えつつ……アカシアは言うのです。
どっちが夢をかなえるかだと?
より、神々に近い方じゃないか?
その言葉に対するトリコの返答は、こうでした。
違うな……
より腹が減ってる方だ!!
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というわけで、正真正銘のラストバトルが繰り広げられる今巻。
八年半と言う長期連載になった本作も、今巻でいよいよ完結となります!!
いくつかの謎は残ったものの、ほとんどの伏線は回収され、見事なフィナーレが待っています!
そこに至るまでの、アカシアとの激闘はまさに激戦!
リングとなる地球も軋み、悲鳴を上げるこの戦い……八王や四天王ですらついていくことのできない戦いになっていきます!
ともすれば地球ごとすべてが塵と消えかねない、激しすぎるバトル……
果たして生き残るものは存在するのか?
無限の食欲を持つかにも見えるネオを倒すことはできるのか!?
手に汗握る決戦、注目です!!

そして実は本作、その最終決戦からあとこそが素晴らしい出来だったりします!!
意外とあっさり死んでしまった次郎、世界を滅ぼした三虎のけじめ、アカシアの本当の気持ち。
それらがきっちりと描き切られて本作戦いの後始末が行われます。
さらに戦いの後、ラスト2話の出来がまた素晴らしい!!
長期連載の締めとしては完璧ともいえるこのラスト2話、「トリコ」とともに歩んできた小松、そして何よりもファンの皆様の胸に突き刺さる内容になっているのです!!
本作が好きならば好きであるほど胸に突き刺さるラストシーン……マジ必見!!
最近トリコから離れていた、と言う方も、このラストのためにぜひとも読んでみていただきたい出来となっています!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!