on0
今回紹介いたしますのはこちら。

「オニマダラ」第1巻 黒谷シュウジ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



さて、「おどろ領域ナユラ」の黒谷宗史先生が、読み間違えやすい(?)名前を読みやすく解明して連載に挑んでいる本作。
本作はお伽噺をモチーフにしたバトル漫画となっています。
お伽噺をモチーフにした作品は数多くありますが、こちらの作品は黒谷先生らしいすさまじい勢いを持つ内容になっているのです!!


鬼ヶ島を滅ぼしたモモタロウと三匹のお供。
彼らは、その勢いのまま鬼たちの巣窟、「鬼大陸」に乗り込み、そして最後の戦いに挑んでいました。
一人と三匹の前に立ちはだかるのは、数百メートルはあろうかと言うほど巨大な、鬼たちの王!!
その驚くべき巨体とプレッシャーを持つ鬼の王ですが……その名乗りを終える前に、戦いは始まりました!!
神器八國刀という愛刀を、モード「妖刀村正」に変化させ、鬼の王へととびかかります!!
鬼の王は、高笑いとともに、来い桃太郎、鬼の王で鮎ユエンを想知らせてやろう、とそれを迎え撃つのです、が!
桃太郎と呼ばれた彼は、俺をそのださいあだ名で呼ぶなとぶち切れ!!
俺の名は朧だ、と名乗り、あっという間に鬼の王を片付けてしまったのです!!
強くなりすぎた朧と三匹のお供にとっては、もはや鬼の王ですら相手にはなりません。
ですがまだ鬼の王は死んではいませんでした。
目玉だけになった鬼の王は、なぜか朧たちを称賛します。
素晴らしい戦であったぞ、我が子らよ、と!
朧たちが、鬼の王の子供……?
一体何のことかと聞いてみれば、力を持ちすぎた鬼たちは退屈のあまり絶望していたのだとか。
そしてその退屈をしのぐために、人や動物との間に子供を為し始めたのだというのです!
……それを聞けば確かに、合点がいきます。
人間や動物としてはあまりにも強すぎる朧たち。
その理由は、鬼の血が混じっていたからなんだ……!
流石の朧も、それを聞いては怒りを抑えられません。
鬼たちはどれだけ自分たちをおもちゃみたいに扱えば気が済むんだ!
そんな怒りをあらわにする朧ですが……その怒りが冷めやらないうちに、その場にとんでもないものが降り注いできたのです!
あたり一面を覆い尽くす、無数の砲弾……!
朧たちはその砲弾を浴び、苦しみ悶えるのですが、何より驚くべきなのはその砲弾を放っているのが、味方のはずの人間たちだ、と言うことなのです!!
砲撃の指示をしていたのは、朧とともに鬼と闘い続け……そして、孤児であった朧を保護し、優しく育て上げてくれた親代わりともいえる女性、潤葉だったのです!
息も絶え絶えながら、何とか生きていた朧の前に現れた潤葉は……とんでもないことを言いだします。
私はお前が鬼の鬼の子だと知っていて育てた。
鬼を滅ぼすにはお前たちの力が必要だった。
そして、鬼を滅ぼし終えたとき……私の手でその血を絶やすことに決めたのだ。
潤葉は、三匹のお供達の首を次々と刎ねてとどめを刺します。
この残酷な結末は、朧と潤葉が出会った時から決まっていた……
それを聞いた朧は、絶望します。
絶望しますが……実を言えば、その結末をどこかで覚悟していた部分もあったのです。
高笑いをした後、ため息をついて……漏らすのです。
俺も正直困ってたんだ。
殺せよ、お前に殺されるなら本望だ。
全てをあきらめたかのように、抵抗をやめる朧。
潤葉は朧に、ためらいなく刃を振るいます。
その刃が振るわれる瞬間、朧はこんなことを思っていました。
潤葉に出会う前の俺は、ただむかつく鬼を殺してるだけで満足だった。
だが、お前に出会ってすべての鬼を殺すと決めた。
俺は潤葉に出会えて初めて思ったんだ。
on1
生きててよかった、と。

首が飛んだ瞬間によぎった、潤葉との出会ったときの記憶。
朧に初めて暖かな気持ちをもたらしてくれたその時から……潤葉は、自分を利用していたのか!?
そんな感情がよぎった瞬間、朧は目を覚ましたのです!!
鬼の地の影響でしょうか。
撥ねられたはずの頸が再び胴体とくっつき、起き上がるまでに回復してた朧!!
最初から裏切られていたこと、首を刎ねられても蘇ってしまうこと。
そんな衝撃的な出来事よりも……朧を驚愕させたのは
on2
潤葉が自らの腹を裂き、絶命していたことです。
出会った時から、朧を裏切っていたのは事実。
ですが、朧に注いでいた愛情もまた本当だった、と言うことなのです。
朧を殺めた潤葉は、そのまま自らの命を絶つことで、そのけじめをつけたのでしょう……
朧は、歯を食いしばってやり場のない怒りを抱えます。
これが、てめぇの決めてた結論かよ。
これじゃあ意味ねぇんだよ。
オレは、てめぇのために……
馬鹿野郎が!!
潤葉を抱え上げ、絶叫する朧……
絶叫する朧に雷が落ち……そして、朧の顔の半分は怪物のように変じます。
朧の中に渦巻くやり場のない感情の表れなのでしょうか。
潤葉、ちゃんと殺してくれよ、なぁ。
鬼のように変貌した右側の顔、そして泣きながら潤葉に訴えかける左側の顔……
何もかもがわからない、何もすがるもののない状況に追いやられた朧。
そんな朧に、さらにその上をいく奇妙な声がかけられるのです!
超越者よ。
on3
われのもとに集え。
さすればどんな願いもかなえよう。
突然の声と、その声とともに現れた謎の扉。
……これは、一体……!?



というわけで、幕を開けた残酷激烈御伽噺。
この第1話相当の部分では、桃太郎をモチーフにした朧しか出てきませんが、この後どんどんと様々なキャラクターも登場。
物語はより熾烈に、より残酷なものへと変化していくのです!!
登場する御伽噺は、日本のものに限らず、「赤ずきん」「西遊記」「シンデレラ」「ピノッキオ」「アリババと40人の盗賊」「ヘンゼルとグレーテル」などなど実に様々。
そう言った様々な御伽噺が火花を散らすという本作ですが、それらの御伽噺のキャラクターたちの張っちゃ気振りがなかなかすごいものでして。
黒谷先生らしい、激しすぎる筆致で描かれるバトルは、個性あふれるキャラ達の力もあり、見る方も力のこもるものとなっているのです!!

物語自体も二転三転いたしまして、物語のその場での目的と言いますか、「こう言う展開なんだろうな」という物語の舞台もバンバン変化!!
物語の大前提的なものまでガンガンと覆して行くその展開はまさに予想不可能!
え、こうなるの!?こう言う展開だと思ったらこっち?と、読者が落ち着くことすら許さない、ハイテンションジェットコースターコミックです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!