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今回紹介いたしますのはこちら。

「くんくんガール」第1巻 なぎみそ先生 

幻冬舎さんの幻冬舎コミックスより刊行です。



なぎみそ先生はボーカロイド関連のお仕事でよく知られるイラストレーターで漫画家さんです。
商業漫画家としてのデビューは08年に出版された「みくよん」で、こちらの作品も先生のボーカロイド同人作品をまとめたものとなっています。
その後はオリジナル作品とともに、メディアミックス作品なども手掛けられております。

そんな先生の最新作は、ちょっと変な癖を持った女子高生の日常もの。
主人公の持つ変な癖は何か、と言いますと……?


一心不乱に、自分の制服の匂いを嗅いでいる女子高生がたたずんでおります。
彼女の名は小手川美穂。
どこにでもいる高校生……と言いたいところなのですが、彼女には普通とはとても言えないある特徴を持っておりました。
それは、「匂い」にとても敏感であるということ。
ひとしきり自分の制服の匂いを嗅いだ後、ポツリとこう呟きました。
臭い、すごくにおう、と。

これ、お父さんの匂いだわ!
お父さんの匂いは腐った脂の匂いだってお母さんが言ってた、と美穂。
お友達の綾は、パパンも一生懸命働いてるだろうにひどい言われようだとフォローするのですが、美穂は思春期の娘が父親の匂いを嫌がるのは必然だと悪びれません。
一応、すごく脂臭いとは思ってるけど人間そのものを嫌いと入っていない、とフォロー的な何かはするのですが、果たしてフォローになっているのでしょうか……
お母さんにはお父さんの洗濯物と一緒に扱わないで、と言っているそうで、結局はその匂いを全力で嫌っていることには間違いないわけです!
それでも、臭いにおいほど何度も確かめちゃうよね、と目を輝かせるところが美穂が他とはちょっぴり違うところ。
綾もちょっぴりかいでみる?と袖口を差し出すのですが、こちらは割と普通の女子高生である彩は全力で否定するのでした!

結局無理やりかがされてしまった綾の感想は、「お前んちの匂い」とのこと。
くんずほぐれつ格闘を行ったおかげで、二人の息はすっかり荒くなってしまいました。
装甲していますと、バスケットをして遊んでいた男子生徒たちがどかどかと教室内に入ってきます。
最近はまだ5月でも暑い日が続くことも珍しくなく、暑い暑いとぼやきながら席に座りました。
すっかり汗だくになってしまった彼らですが、そこは多感な高校生。
エチケットとして制汗スプレーを持ってきているものもおりまして、そのシトラスの香りのスプレーを体のそこかしこにかけ始めました。
……が。
その匂いを嗅いだ美穂が、突如として血相を変えて言い切るのです!
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臭い、そのフレグランス、過剰だわ!?
クラスの女子にズバリと臭い宣言をされてしまった男子たちは、ショックを隠し切れません。
汗臭いよりましだろう、と涙目になりながら弁解しますと、美穂は意外に素直に傷つけてごめんなさいと謝罪。
謝罪はしたものの、匂いに関しては妥協しないのです!
臭いこと自体は悪いことじゃない、でも、ミカン科の花の匂いには哺乳類のウ○コと同じ効果が含まれるんだ、と……!!
ウ○コの匂い系男子……ウ○コマンだ!!
まるで小学生が付けるような故障をつけられてしまう男子たちですが、美穂の言いたかったことはそこじゃないわけです。
後付けのフレーバーですべて上書きするのではなく、素材本来の味を生かした勝負をしてほしい。
そんあ美食家のようなことを真面目な顔で告げる美穂ですが、それを聞いた男子はつまり美穂が男子の大衆に興味があるということなのか、と都合いい解釈を行っちゃうのです。
……が、あながちそれも間違いじゃないようで……
男子高校生のフレーバーか、ととりあえず袖口のお父さんの匂いを嗅ぎながら考え込み始める美穂。
するとそこに、バスケ部でイケメンの優等生、俵田が現れ、美穂に自分は何もつけてないからかいでみるか、と提案してくるのです!!
俵田、このちょっと……いや、だいぶ変わりものの美穂に惹かれているようでして。
その下心めいたものを隠しもせず、不満げな周りの男子たちに、それがお前らに迷惑をかけているわけじゃないだろうと開き直るのです。
美穂もまた、匂いに関しては妥協無し!
受けて立とう、と直立する俵田の胸元を嗅ごうと近づいていくのですが……そこではたと気が付くのです。
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そもそも私、こんなに男子に近づくのも、匂いを直接かぐのも初めてじゃないか?と!!
予想外の「初めて」で、急に緊張してきてしまう美穂。
さよなら私の初めて、と意を決して匂いを嗅ごうとしたところ、その間に一人の男子が割り込んできて初めての経験は失われてしまったのです。
クラスで一番背が高いながら、物静かで目立たない男子、柳。
本を読みながら歩いていたため、この行為に気が付いていなかったのでしょう。
あ、ごめん、と軽く誤ってその場を立ち去るのですが、その時ふっと入ってきた彼の匂いを嗅ぐと……どうでしょう!
彼の匂いは、美穂が今まで感じたことのないほど、「気になる」匂いだったのです!!
……これがいわゆる、フェロモンというやつなのでしょうか。
人間にもはやフェロモンを感じる受容体が存在しないのは周知の事実。
ですが、匂いによって人がひきつけられる、と言うのは確実に存在する事実なのです!
そんな「気になる」匂いを嗅いだ美穂の中は、こんなことで頭がいっぱいになりました。
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柳君の匂いをもう一度かぎたい、フレーバーを確かめたい。
……何だかちょっとおかしい気もしますが……ともかく、美穂の気持ちはもはや俵田からは完全に離れてしまうのでした。

その後、普通に教室にみんながいる状態で、机の上に畳んであった柳のジャージの匂いを嗅ごうとして、彩にそっと止められたのは……また別のお話……



というわけで、匂いが気になる女子高生、美穂の日常を描いていく本作。
このあと、美穂と綾、そして俵田と柳あたりを中心に物語は進んでいくことに。
柳の匂いを嗅ぎたいながら、ギリギリのところで乙女の気持ちがよみがえってそれを達成できない美穂、そんな美穂にアプローチをかける俵田、なんだかんだと巻き込まれる柳……
そこに柳の幼馴染である清乃も登場し、物語はドタバタしていくこととなるのです!!
匂いにまつわるドタバタ劇が楽しい本作ですが、見どころはそれだけではありません。
ひと癖もふた癖もあるキャラクターの活躍、そして、匂いに関するうんちくも楽しめるのです!
特に匂いに関しては様々なアレなお話が用意されておりまして、まぁ何の匂いの過去を紐解いても出てくるわ出てくるわ、ウ○コやらおならやら、足の匂いやらのお下品なワードの数々!
匂いの歴史を紐解くというのはそう言うことなのでしょうが、やはり滑稽で面白いものばかりなのです!
それを恥ずかしがりもせず語る美穂も十分アレなわけですが……!
ちなみにそれらのうんちくの中にはフェティッシュな魅力を感じさせるものもあったりなかったり!?
そっち方面の趣味がおありの方なら一層楽しめることでしょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!