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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕のヒーローアカデミア」第12巻 堀越耕平先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。


さて、オールマイトが劇的な最後を迎えた前巻。
オールマイトの残した意思を受け継いだ出久は、一刻も早くその力を一人前に扱えるようになろうと奮起します。
ですがオールマイトと言う絶対的な支柱を亡くしたヒーロー陣営を見て、ヴィラン達が動かないはずもありません。
つかの間の危うい平和の上に立ちながらも、訓練を続けるヒーローの卵たち。
来るべき仮免試験に挑むため、「必殺技」を編み出す訓練が始まるのでした。


それぞれが何らかのビジョンを持ち、必殺技の習得に励んでいるなか、出久の顔色は今一つすぐれません。
いざと言うときに頼れる必殺技を編み出せば、戦力アップにつながることは間違いないでしょう。
ですがそれはあくまで、個性を使いこなせているのが前提。
徐々に使いこなせるようになってきているとはいえ、制御しきれず自分の体を壊してしまう恐れすらある出久に取って、まだその先にある必殺技と言うのはハードルが高いわけです。
そのことに関しては指導役のヒーローも理解していまして、とりあえず個性を伸ばすいつもの訓練をすることになったのでした。

そんな訓練の場に、オールマイトがやってきました。
しばらくその様子を見た後、オールマイトは出久に語りかけます。
君はまだ、私に倣おうとしてるぞ。
それだけ言って、立ち去っていってしまうオールマイト……
出久がその言葉の意味するところを訪ねようとしても、オールマイトはすでにほかの生徒に声をかけ始めています。
オールマイトは何を言おうとしていたのか?
その言葉では出久が理解することはできないのですが……
答えを教えるだけでは教育とは言えない、自分で考え、気付くことが重要なんだ。
そんなオールマイトの教師心によって、すべては出久自身に託されたのです。

必殺技のあてもない出久は、雄英高校内の開発工房へ向かいました。
ここではコスチュームを改良し、様々な機能を追加してくれるとのこと。
腕の動きを補助したり、衝撃を和らげてくれるような改造を施してもらえば、よりリスクを抑えた戦いができることでしょう。
ちょうどそこに足の冷却用ラジエーターを改良しようとした飯田と、自分を浮かした時の酔いを抑える方法が何かないかと考えたお茶子がやってきました。
それでは中に入ろうかと言うところで、突然うちがわから大爆発が!!
扉ごとふっとばされてしまった出久ですが、ふっとばされたのは彼だけではありません。
開発工房の中から飛び出てきて、出久の上に覆いかぶさるように倒れこんできたのは
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あの体育祭で独自の存在感を放った、発目だったのです!!

相変わらず発目の作ったアイテムはピーキーなものばかり。
出久には全身を包み込むパワードスーツ(ただし胴体がねじ切れる)を渡してみたり、飯田には自前のブースターのある足ではなく、手にブースターをつけてみたりと、やりたい放題。
ですが発目なりに考えはあったようで、「足を冷やしたいなら、腕で走ればいい」と、あっけらかんと言ってのけるのです!
何を言ってるんだ君は、と思わず突っ込む飯田。
せっかくの個性をある意味全く無視したそのアイテム、流石に論外……と言いたいところでしたが、出久は何か感じるところがあったようです。
オールマイトの残した、私に倣おうとしているという言葉。
発目の足を冷やしたいなら腕で走ればいいという台詞。
そして、既成概念にとらわれない考え方……
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それらがパズルのピースの様に組み上がっていき、出久の中ではじけました!!
出久はパッと顔を明るくし、急に飯田へ教えを乞い始めるのです。
その教えの内容とは……!!

瞬く間に四日間が過ぎました。
生徒たちの必殺技訓練は実を結びつつあります。
その最たる存在が、爆豪。
この訓練を始める前からすでにオリジナルの技名をつけた技を放っていた彼ですから、アイディアは山の様にあったのでしょう。
この日も、掌から放出される炎を一点に集中して放つことで貫通力を上げた「徹甲弾(A・P・ショット)」を完成させていました。
ところがその予想以上の威力が災いし、指導に来ていたオールマイトの頭上のブロックが崩壊し、落下してしまったのです!
オールマイトの頭にまっすぐ落ちてくるセメントの塊……
皆が息をのむ中、いち早く動いたのは
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出久でした!!
出久は今まで見せたことのない、蹴り技で塊を破壊したのです!!
これこそが出久の見出した自分流のスタイル。
オールマイトの必殺技が基本的に拳であるという固定観念。
それから脱し、足技を得意とする飯田から手ほどきを受けた……シュートスタイルなのです!!



というわけで、新たなスタイルに開眼した出久。
拳がだめならば足。
ごく単純な答えではありましたが、そう言う答えこそたどり着くまでに時間がかかったりするものです。
足は今までの戦いでも移動のために使っていることが多く、下手をすれば手よりも力のコントロールになれているかもしれませんし、このシンプルな答えはかなりの効果をもたらすかもしれません!!

出久をはじめとしたメンバーのパワーアップの後は、いよいよ仮免試験。
プロヒーローとしての仮免許を売るためのこの試験は、やはり険しき門のようです。
天下の雄英高校と言えど、なにせ相手は全国津々浦々のヒーロー養成学校の生徒たち。
しかもそのほとんどが2年生以上の上級生と言うことを考えれば、一筋縄ではいかないでしょう!!
実戦形式の試験を前にして、出久達は何人が合格することができるのでしょうか。
もちろん有名人と言える雄英高校のメンバーは目立つわけで……
困難な道は、より困難になること間違いなしです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!