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今回紹介いたしますのはこちら。

「すうの空気(フェイズ)攻略」第1巻 福井セイ先生 

小学館さんのサンデーうぇぶり少年サンデーコミックスより刊行です。


福井先生は12年に小学館新人コミック大賞で入選を果たし、13年にデビューした新人の漫画家さんです。
デビュー後はアシスタントなどで腕を磨き、16年よりサンデーうぇぶりにて本作の連載を開始。
この度初めての単行本発行となりました。

そんな本作は、日常コメディです。
とある困難に立ち向かうことになる主人公の日常を面白おかしく描いていくわけですが、その困難とは……?


離島の中学校に通っていた少女、雛。
彼女は一大決心をして、東京の高校に通うことにしました。
ですが母は、ザ・田舎と言っていい島育ちの雛が、すんなり溶け込むことなどできないことをよくわかっています。
そこで、一冊の本を取り出しました。
「空気(フェイズ)攻略マニュアル」。
修羅の地だという都会の高校を生き抜くための術が、このノートに記されている……!
雛はそのノートを胸に抱き、今日から東京での高校生活を過ごすのです!!

雛のお母さんの作ったマニュアルですが、早速使う時がやってまいりました。
入学初日と言うことで、クラスでまず行われるのはやはり……自己紹介です!
雛はと言いますと、もう教室に入った瞬間から緊張しっぱなし。
彼女の暮らしていた島には同年代の人がおらず、遊び相手はもっぱら猫ばかり。
周りにたくさんの同年代がいるというだけでもうドキドキしちゃうのです!!
そんなところに自己紹介をしろと言われてしまうのですから、もう雛の緊張はマックスもマックス!
何を言えばいいんだ、好きなおやつとか?毎日9時に寝てるとかそう言うこと?もし変なことを言ってしまったらどうしよう……
そんなことを考えながら涙目になっておりますと、彼女の目に飛び込んできたのが、レイの空気攻略マニュアルだったというわけです。
1p目を開くと、そこには序文的なものが書いてありました。
高校生にとって一番大切なものは、勉強でも部活でも恋愛でもない。
空気(フェイズ)である。
……何を言っているのかさっぱりわかりませんが、その後の文章を読むと一気にそのマニュアルに引き込まれてしまいました。
今、きっと自己紹介の時間だろう、助けてやるからページを開きな!
迷わずページを開きますと、そこにはこんなことが書いてあります。
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空気「閃剣の初太刀(シャインファストローク)」。
何やら秘伝書のようなそのページを読んでいくと、まるで今の状況を見ているかのような解説がつづられています。
このフェイズでは、みなけん制し合い激しい攻防を繰り広げている。
最初のほうはみな出身中学と名前くらいしか言っていないだろうが、絶対に途中でほかの項目を追加するものが出てくる。
流を読まなければ予想外の対応に迫られ、下手をすれば破滅が待っている……
そこでおすすめの必殺技がある!
お母さんの予想通りに物事が進んでいる今、その必殺技もさぞや素晴らしいものなのだろうな、と期待を寄せていたのですが、そこに載っていたのは
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「私はラブリー星のお姫様!みんなのアイドルすうちゃんです!」と言う振り付け指導付きのファンシーな挨拶だったのです!!
流石にこれは嘘だろうとうっすら涙を浮かべる雛ですが、お母さんもこの作戦に自信を持っている様子。
どうする、本当にやるのか?
いつの間にか順番まわってくるまであと2人と言うところに迫ってきています。
どうしよう、と頭を抱えていたところで立ち上がった雛の前のリーゼントの青年。
彼の自己紹介は、この高校と掛けまして、俺と解く。
その心は、どちらも今日お前らが出会った!
このクラスで天下をとっていくんでヨロシク!
と、それはもうスリップされた自己紹介だったのです!!
……教室は完全に静寂に包まれました。
とっさに雛がマニュアルに目を落としますと、そこに取んdもないことが書いてあって……
たまに出没するぶっこみ男子には気を付けろ、教室の時間を止める怪物だ。
その次のものは尋常じゃなくやりづらい、お母さんの手にも負えない!
……万策、尽きた……
絶望する間もなく先生に充てられ、席を立った雛。
まずは無難に名前と卒業中学を言っておいて……脳裏に母との思い出をよぎらせ、母のようなカッコいい女になりたいんだ、と言う幼い日の気持ちを自分の中に呼び起こし……こう続けたのです!
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私はラブリー星のお姫様、みんなのアイドルすうちゃんです!
……教室は静まり返りました。
そして、雛ちゃんの顔は真っ赤になり、終わった、という諸行無常の感情を味わっています……
ですが、すぐに先生が前の人に合わせなくてもいいんだよと言ったおかげで、教室は笑いに包まれたのです!
ギャグを続けなければいけないと思ったのか、真面目、カワイイ、根性あるじゃん。
そんなクラスメイト達の笑いと暖かな言葉に包まれ、雛は何とか最初の空気を乗り切ったのです……

が。
これはまだまだほんの始まりにすぎません。
雛はまだまだのぼり始めたばかりなのですから。
この果てしなく遠い、高校の空気坂を……!!



というわけで、一人離島から大都会の高校に入学してきた雛の奮闘を描いていく本作。
なにせまともな友達すらいなかった彼女、固い決意とともにやってきたとはいえ、縋るものもなく高校生活を謳歌するのは難しいでしょう。
そこで活躍するのが、空気攻略マニュアルというわけです!!
お母さん入魂のこのマニュアル、書いてあることは(なぜか中二風味なのはおいておきまして)なかなか的確です。
ですが、高校生活におけるもろもろのことを事細かに描いてあるため、何かにつけてマニュアルを頼り、そして勝手に自分でテンパっていってしまうこととなるのです!!
いちいち登場する謎の中二風タイトルのフェイズ、どんどんと自分を追い込み、アレな答えを導き出して変なことになってしまう雛の姿。
それらがたっぷり楽しめます!!

セルフテンパリなどもあり、積極的にお友達を作りに行けない雛ですが、ちょっとしたきっかけからメグちゃんと言うクラスメイトととっても仲良しになることができます。
そこから通常の(?)雛の一人でフェイズに挑むお話の他、そのメグちゃんと仲良くあれこれするお話も繰り広げられるようになりまして、そちらも注目したいところ。
二人してちょっとずつずれたところのある彼女たちの、おかしくもキュートな姿は読者を北湖利させてくれること間違いなしですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!