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今回紹介いたしますのはこちら。

「鬼娘恋愛禁止令(キムスメレンアイキンシレイ)」第2巻 松虫あられ先生 

徳間書店さんのリュウコミックスより刊行です。

さて、恋心を抱くと鬼と化してしまう少女、鹿恋に幼いころから思いを寄せていた八郎。
使用人として同居している彼女に、思いを伝えて通じ合えば彼女が鬼となり、それが誰かにばれでもしたらどうなってしまうかわからない。
そのため八郎は、彼女への想いをひたすらに隠しながら、とにかく彼女に冷たく当たって嫌われてもいいから一緒に暮らし続けようとするのですが……



鹿恋を狙う鬼の一族の美丈夫、土橋。
すでにその攻撃を受けた八絵王はものすごく警戒しているのですが……
その美しい顔と人当たりの良い性格ゆえ、その正体を知る八郎以外は警戒心を抱かないのです。
その日も、土橋は普通にお客さんとして八郎の家にやってきてしまいました。
ですが今日の土橋は、見慣れない人物を連れてきています。
いや、厳密にいうとこの少し前に道端でその人物の大きな胸と「対面」していたのですが……
その、体もお胸も大きなその人物は、土橋の妹、ねね。
ネネはやさしそうな笑顔を浮かべながら、兄から聞いて存じあげております、お友達の八郎どの、とあいさつ。
どちらかと言えば敵対しているはずの土橋に、友達などと言われた八郎は、気持ち悪い、お前なんてごめんだと罵って自分の部屋へ帰ろうとするのですが、その際お茶を運んできていた鹿恋にぶつかってしまうのです。
鹿恋はお前のせいだとばかりに八郎をじとっとみつめ、八郎もいつもの調子でちゃんと前を見ていろと罵倒。
そんなやり取りをしていますと、ねねがさっとよってきて、けがはないかと鹿恋の手を触れてきました。
すると、痛いと顔をしかめる鹿恋。
それを見たねねは、女中さんがけがをされているので、今日は私が家事をします、と言いだしたではありませんか!
もちろんお客さんにそんなことをさせるわけにはいかないと断る八郎の母ですが、土橋とねねは二人して、家仕事が大好きなんだと言い、半ば強引に家仕事を始めてしまうのです。
実際ねねは料理も掃除もお裁縫もとても早くて上手。
そんなやり取りを見ていた鹿恋は、なぜか不安げな表情を浮かべていて……?

手持無沙汰になった鹿恋、土橋と一緒に遊ぶことになりました。
ですが人と遊んだことなどない鹿恋は、何をしていいかわかりません。
彼女がいつもしている遊びは、畳の上に髪を強いて鉛筆でなぞり、畳の目が出てくるのを楽しむ、と言う……悲しいものでした……
それなら大人の遊びはいかがですか、と土橋は鹿恋に迫るのですが、そうはさせないと割り込んでくるのが八郎です。
人の場所でいちゃつくなと二人の間に割り込み、そこで煙草をふかし始めるのです。
鹿恋もいつものように、あの屋に臭い部屋ですえばいいのに、と文句を言うのですが、八郎もそれに煙草の煙を吹きかけて反撃。
うるせえぞ乳なしが、と扱き下ろすのです。

それにしても、なぜ土橋はねねを急に連れてきたのでしょうか。
土橋の妹と言うことは、彼女もまた鬼の血を引いている、と言うこと……?
そんなことを考えている間に、ねねはその日の食事まで用意し終えていました。
八郎どののために作りました、としなだれかかるねね、八郎が戸惑って大口を開けたところに「あーん」してあげて料理を食べさせてきます。
おいしいですか、ときいてくるねね。
その料理は、あの口の悪い八郎が思わずうまい!と口走ってしまうほどの出来!!
照れ隠しにプイとそっぽを向いてしまう八郎に、ねねはうれしいと微笑み……
そのやり取りを、鹿恋は何か言いたげな顔で見つめるのでした。

夜。
八郎の部屋に火を持ってきた鹿恋に、いつものように文句を言う八郎。
大した怪我でもないのひひーひーいいよってこのドジ、と罵りますと、鹿恋は違う、とこんなことを言いだしました。
怪我はないかとよってきたときに彼女は割れた湯呑の欠片を手に取り、鹿恋の掌を傷つけた、と!!
つまりあの優しいそぶりは、すべて演技だった……?
鹿恋は、さらに吐露を続けるのですが……だんだんその言葉の方向性が変わって起案した。
優しいふりをしているけど、あの人は怖いです。
なのに、美人でおっぱいが大きいからって、言いよられて良い気になってる。
……八郎からすれば、鹿恋にだけはそうは思われたくないわけで。
俺がいついい気になったんだ!と怒鳴りつけますと、鹿恋は涙を浮かべながらこう言うのです!
だって、
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ねねさんのごはんは「うまい」って食べるくせに!!
ぽたぽたと、瞳から涙が零れ落ちました。
その言葉の意味することはどういうことなのか?
まさか鹿恋は自分の態度をみて、ねねに焼きもちを焼いている……?
その言葉の真意を確かめる前に、鹿恋に変化が起きだします。
がくんとこうべを垂れたかと思いますと、今度は状態を起こし、バッと大きく跳ね、八郎の体を飛び越えたのです!!
ハッとしてすぐに彼女を抑えようとする八郎ですが……
すでに、
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鹿恋は鬼へと変わっていたのです。
窓から飛び出し、どこかへと消えていってしまう鹿恋。
八郎はすぐに追いかけるのですが、その姿は見えません。
まさか、土橋のところに行ったのか?
八郎は土橋の住む下宿に向かうのですが……そこで出てきたのは、ねねでした。
そこに土橋も鹿恋もいないことを確認しますと、八郎はすぐに別の場所に向かおうとするのですが……ねねはそこで八郎をぐっと家の中に引き込み、押し倒したではありませんか!!
八郎どの、私、
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八郎どのを好きになってしまいました。
そう言って八郎に覆いかぶさってくるねね……!!
ねねの狙いとは、まさか本当に!?



というわけで、今巻で完結となる本作。
今まで一方的であると思われていた八郎の想いですが、やはり鹿恋模様正気に抱いていたその想いを今になっても残しているということがわかりました。
そんな二人の間を引き裂かんと現れている土橋兄妹ですが、その真意は何なのでしょうか。
ただ鹿恋を殺したいだけならこんな回りくどいことはしなくてもいいはずですし、ねねが八郎に迫る意味もわかりません。
土橋とねね、その真意はこの後語られることになるのですが……

土橋とねねの巻き起こす事件は、ひとまずの決着を見ます。
見るのですが、この物語全ての決着がつくかと言うと……
今巻で本作は完結となりますが、まだまだ八郎と鹿恋の恋愛はまだまだ続いていく、と言った感じの決着となります。
二人の関係に関しては完全には完結はせず、劇的なクライマックスもありません。
ですが、なんだかほっこりするラストシーンは、まだまだ二人の関係が続いていくお話の、一端の幕引きとしてはありだと思います!!
松虫先生の心情をそのまま語ったかにも思えるおまけ漫画も併せて贈られるフィナーレは、必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!