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今回紹介いたしますのはこちら。

「辺獄のシュヴェスタ」第5巻 竹良実先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


さて、修道院からの脱出のため、戦いを続けるエラたち。
希望が見えては潰えていく苦難の道が続く中、脱出への糸口をつかむことができるのでしょうか!?



いよいよ三位生になるコルドゥラ。
ですがコルドゥラは、気になる事実に気が付きました。
三位生の春、「第12留」の試しの後に、「懺悔の壁」で死ぬ者が度々いる、ということに。
何か少しでも修道院に逆らうような行動、不利益をもたらすような行動をとればすぐ処分されてしまうこのぢゅう道院ではありますが、三位生になるまで生き延びたようなものが、越えられないとわかっているはずの壁に突然挑むというのは考えづらい所。
しかも驚くのは、そうして死んでいった者たちの中に、あの抜け道に記されていた名前、「ヘルガ・フォイゲン」の名前もあった、と言うことです。
しかも記録によれば、二位生の時には監督生を務めている……
おそらく彼女は、エラたちと同じように、水面下で抵抗を続けていたはず。
「12留」で何かが起きた、のでしょうか……?
食事に混ぜられているあの薬のこともありますし、何らかの薬物を投与されるということは十分予想されます。
コルドゥラも十分に用心をして、切り抜けたいところですが……実際、どうなってしまうかはわかりません。
何かが起きてしまったとしても、エラたちの大のためにせめて手がかりを残したい。
コルドゥラはそう考え、自分が12留を終えて変わってしまったとしたら……拷問をしてでも、12留の内容を聞きだせ、とエラたちに言うのです。
……エラたちは、コルドゥラの強さを知っています。
だからこそ、彼女の無事の帰還を待ちながらも、必要ならばやるべきことをする、と約束するのでした。

ほどなく、その日はやってきました。
自分とともに、12留の試しを受けるものとともに、森の中を歩いていくコルドゥラ。
エラたちは闇の中でその行列を監視し、少しでも情報を集めようと目を光らせます。
やがて三位生たちは、小高い丘のような場所に立った建物へとたどり着きました。
そこではムターたちが待っていまして、これからすることの説明を始めます。
ですが今回、ムターたちは何とみな帯刀しているではありませんか。
ムターたちが厳戒態勢を取るこの12留。
その試しとは、小部部屋の中にある井戸の中に入り、「潜礼」をうけて真の姉妹になる、というもの。
その井戸の中には体温に近く調整された塩水が入っており、闇の中でそこに浮かぶことによって5巻のすべてが遮断され、意識の底に眠る道の感覚を得る、と言うのです。
コルドゥラからすれば、そんなことを言われても全くピンと来ない所。
ですが、しばらくしてから戻ってきた、最初に12留の試しを受けた者たちの顔を見た途端、この試しの恐ろしさを実感するのです!
戻ってきた者たちは、
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みな一様に、どこか別の何かを見ているかのようなうつろな瞳の……「同じ顔」をしていたのですから!!
得体のしれない恐ろしさを直感したコルドゥラは、周りの人々の目を盗み、そっと足元から何かを拾って……?

コルドゥラの順番が回ってきました。
潜礼中は口を開けないように、塩水が口に入ったら互換の遮断が保てない、とムターに言い含められ、井戸の中に入りました。
水の中に入り、体を横たえますと、ムターは井戸の入り口のふたを閉めました。
……しばらくすると、コルドゥラに奇妙な感覚が襲いかかります。
どこを見ても真っ暗な闇の中で、調整された塩水の上で何の感覚も感じないほど緩やかに体が浮かび上がっているためでしょう。
口を開けているのか、としているのか、どこまでが自分の体なのかわからなくなる感覚に包まれます。
そんな感覚に続いて、今度は体が回転するような感覚に包まれ、さらに自らが空高く浮かび上がっているかのような幻覚まで見え始めるのです!
天の川がいつもより数段近くに見え、夜の空に自分が溶けて消えていくような……
しばらくすると、その天の川の星の一つ一つが全部「人」であることに気が付きます。
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そして、その星の人々も、自分も、水になって地面にしたたっていく錯覚を感じるコルドゥラ。
私たちはみんな水でできている。
だから雨になっていき、最後は一つの海に溶けていくんだ。
……そうやって、この試しを受けたものはみな、悟りを開いたかのように感じてしまうのでしょう。
コルドゥラもそうして脳を塗りつぶされてしまう……ところでした。
ですがそこで、コルドゥラの足の裏に鈍い痛みが走り、それが彼女を現実へと引き戻したのです!
そんなのはきれいごとにすぎない。
拳もあれば言葉もある、薬や儀式などで強引にわかりあう必要はない!!
先ほどとっさに拾った小石で、足の裏を傷つけることにより、コルドゥラはすんでのところで洗脳を逃れることができたのでした。

三位生たちは、その後この修道院の「秘密」を見せられることとなります。
修道院が、エーデルガルトが絶大な権力を握っている理由の一つである「見渡す者」。
その見渡す者を使った、とんでもないたくらみを……!
そしてコルドゥラは、その見渡す者の驚くべき真実を知り、驚愕することとなります。
……ですがその後、さらにコルドゥラは、衝撃的な言葉を告げられることになるのです。
ムターの言った、こんな言葉。
今日の潜礼では必ずや背教者が見つかるだろうと期待していました。
しかしまさか、優等生のあなただったとは。
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神の目は欺けませんよ。



というわけで、ついに修道院への翻意が暴かれてしまった今巻。
今までは何とかその目を欺き続けてきたエラ達ではありますが、今回ばかりはそうもいかないでしょう。
完全に誰が裏切者であるかを修道院側に知られ、そしてエラたちが助けの手を差し伸べることなどできない、屋内で取り囲まれてしまっているのですから。
この後、コルドゥラに脱出する手立ては残されているのでしょうか?
修道院側も、ただ無為に殺すことはないはず。
「見渡す者」の真実に関連したある要素もあり、コルドゥラはすぐその場で殺されるということだけはないようですが……
そこに逆転のチャンスも残されている、かもしれません……!!
もはや脱出に欠かせない仲間となったコルドゥラを、エラたちは救い出すことができるのでしょうか?
それとも……?

そしてこの後、物語は急展開を迎えます。
コルドゥラの件もあり、もうぼやぼやしている暇はありません!
エラたちが考えた、ある作戦とは?
そして、その作戦の最大の問題となりそうな、修道院側に忠実な少女、クリームヒルトはどうでるのか?
今まで以上に行き詰まる展開が繰り広げられ……そして、次巻第6巻で完結予定!!
最後の戦いに挑むエラ達、その決死の思いを見逃す手はございません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!