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今回紹介いたしますのはこちら。

「外れたみんなの頭のネジ」第2巻 洋介犬先生 

泰文堂さんのアース・スターコミックスより刊行です。


さて、自身の暮らす街を包んでいる狂気を振り払おうとあがくミサキ。
彼女はなぜか彼女の近くにいる悪魔「べへりん」に、自分ではなく街の住民が狂っていることを証明する話をすることで、べへりんの悪魔の力を貯め、引き換えに「教えてもらう」という日々を過ごしています。
彼女が教えてもらおうとしているのは、皆が変わってしまったきっかけの日である6月13日の事と……そして……


ミサキは、自分自身が信じられなくなり始めていました。
べへりんに言われた、こんな言葉をきっかけとして。
怪しい、と思わばなんでも怪しく思えるだろう。
ミサキ、お前、おかしくなってるんじゃないか?
その言葉を聞いてから、ミサキの頭からは四六時中不安の靄が張れません。
あの「スキキライ」の手紙はいたずらだったんじゃないか。
あの事故はただの偶然だったんじゃないか。
あの出来事も、勘違いだったんじゃないか……?
そんなことを考え始めますと、背筋に走る悪寒が止まりません。
「何でもなかったかもしれない」と言うのが、自分がおかしくなっている証拠のように感じられ……
次第にそれは、自分自身が歪み始めている、「あっち側」の人間になりつつある、という恐怖になっていくのです!
世界がぐるぐる回っているかのような錯覚を覚えながらも、それでも普段の生活をしようと務めるミサキ。
そんな時、道端でうずくまって泣いている少女を発見しました。
……まさか、虐待?
そんな心配がよぎりますが、同時にこの子だってまともではないかもしれない、という考えが沸き上がり……ミサキは、その子を無視して通り過ぎてしまいました。
が、すぐに踵を返し、その女の子に声をかけたのです。
こういう時声をかけるのが、「正常」だろ!と!!

道端で泣いていた彼女ですが、意外にもすぐ笑顔になり、ミサキを彼女の家へと招待してくれました。
ですが、実は彼女が泣いていたのは、一人で家にいたくない、からだったのです。
一人でいると、どれだけ防ごうとしても変な電話がかかってくる。
そう、神妙な顔つきで言いだす女の子。
女の子の姉が行方不明になってから罹ってくるようになってと言うその電話……女の子がお茶の用意をしているその時、早速かかってきたのです。
恐る恐るミサキが電話に出ると、受話器からはこんな声が聞こえてきます。
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あなたのお姉ちゃんは腸をまき散らしてもまだ死ねません。
あなたのお姉ちゃんは目が腐り落ちてもまだ死ねません。
そして今日全ての爪に釘を撃たれた。
家族がご飯を食べてるときも、死なせてもらえずこの世の地獄、ずっと続く……
あまりにも不気味なその電話……
女の子は、絞り出すように言うのです、
お願いお姉ちゃん、助けて、と。

パパとママがいるとかかってこない、と言うその電話。
だったら電話線を外してしまえばいいとミサキは言うのですが、行方不明の姉からの電話がかかってくるかもしれないと、女の子はその提案を受け入れません。
女の子のお姉さんはなぜ行方不明になってしまったのか?
ミサキはそのことを尋ねてみたのですが……女の子の答えが返ってくる前に再び例の電話がかかってくるのです!
あなたのお姉ちゃんは今、1センチずつ太ももから削がれている。
あなたのお姉ちゃんはもう唇というものがない。
あなたのお姉ちゃんは膝から下が……
たまりかねたミサキは、電話口に向かって怒鳴りつけます!!
お前どこの誰だよ、いい加減にしろ、お前が腐って死ね!!
……電話口からの声は、ピタリと止まりました。
が、そんなことよりもミサキが気になったのは……自分の声が、「後ろからも聞こえた」気がしたことです。
恐る恐る後ろを振り向きますと……
そこには、
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携帯電話を持って、その電話口で囁くあの女の子がいたのです。
七尾ミサキは、頭がおかしくなってるのに死ねません、と囁く、女の子が。
……彼女の奇行とともに沸き上がる疑問。
なぜ女の子は、まだ自己紹介もしていないミサキの名前を知っているのか……?
女の子はにやりと笑い、言うのです。
私の名前も、「七尾ミサキ」だよ?
そう言うとその女の子は、まるでろくろ首のように長く首がのび、そしてその首や頭に無数の子部のようなものを隆起させた不気味な姿へと変わり……
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七尾ミサキは、忘れたまま死ぬ。
そう言ったのです。



というわけで、思いもよらない所から新たなキーワードが飛び出してきた今巻。
ミサキが忘れていること、と言うのは……この七尾ミサキを名乗る女の子のいう、「姉」のことなのでしょうか。
もし姉がいるとするならば、一体なぜミサキはそのことをすっかり忘れてしまっているのでしょうか?
それはおそらく、問題の6月13日にかかわっているのでしょう。
ミサキは一刻も早く、べへりんに教えてもらわなければなりません、
6月13日、その日にあった異変の源泉を。
彼女の、「姉」のことを。
狂気に呑み込まれる、その前に……!!

紹介したお話の他にも、洋介犬先生が得意とする「気持ち悪さ」を最大限に発揮した恐怖が満載となっております。
ハンバーガー屋さんの「小包を遠くに捨ててくる」という奇妙なバイト。
眠っている時間分、人生を無駄にしていると言いだし、眠ることをやめたクラスメイト。
「人間のようなもの」を探す貼り紙。
廃墟の女神さまの噂と、その真実。
その他にも危険な新キャラクターの登場などの様々な狂気を描いていく中、少しずつではあるものの、6月13日の謎と、その謎に密接に絡んでいるらしい人物も描かれていきます!
ゆっくりながらも着実にその真相に近づいていく本作、今後もその謎の真相と、気味悪い恐怖の描写が楽しみですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!