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今回紹介いたしますのはこちら。

「血まみれスケバンチェーンソー」第13巻 三家本礼先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、悶奴棺桶館から脱獄したギーコと爆谷でしたが、そこにも安息の日々は待っていませんでした。
血飛沫舞う非情の惨劇が繰り広げられる中、犠牲者となったものから告げられたのは衝撃的な事実でした。
それは……あのギーコの宿敵が、再びよみがえったという知らせで……!!



ネロが本当によみがえったならば、今度こそキッチリカタをつけなければなりません。
とはいえそのためにはひと時の球速も必要でしょう。
ギーコと爆谷は、襲撃から逃げるため一度は離れた「避難所」に戻り、久々の水浴びを楽しんでいました。
そんな時、耳の良い爆谷は避難所に駆け寄ってくる男の足音を聞きつけます。
この辺りをさまよっている可能性があるのは、この避難所から逃げ出したシン・ジン兄弟。
そのどちらかが来たのだろうと予想した爆谷でしたが、やはりその人物はシンでした。
シンは扉をたたきながら中の二人に呼びかけます。
いるんだろ、助けてくれ、弟の陣に終われている、あいつはもうダメだ、化け物になっちまった!
その声色は間違いなくシンのものだ、と爆谷は確信しますが……だからと言って、シンがネロの手にかかっていないとは言い切れません。
あなたが化け物ではないという保証はあるのか、と努めて冷静を装いながら尋ねる爆谷ですが、向こうはそれどころではないようで、今こうやって普通に話してるじゃないか、早く入れてくれと叫び続けます。
ですがギーコも爆谷と同じく慎重にいかなければならないと考えているようで、ドア越しでも状況は説明できるだろう、とチェーンソーを構えながら尋ねるのでした。
シンはショックを受けたようですが、すぐ気を取り直して説明を始めます。
注射器を持った変な女が現れ、それを逃げた4人のうちの、ジンを含めた2人がうたれた。
ドリエはその女を見てすぐ逃げ出したから多分大丈夫だと思う、変な女もそれを見て別のターゲットを狙ったように見えた……
その説明は、とりあえず矛盾などはなさそうに聞こえます。
爆谷はギーコに判断をゆだね……なんだかんだやさしいギーコさんは、シンを中に招き入れるのです。
が、もちろんただ無警戒に入れるわけではありません。
しばらく距離は保つし、こちらがいいと言うまで座って大人しくしていろ。
そう条件を付けるのです。

シンの話を聞いていたところ、再びドアを叩く音が聞こえました。
そして聞こえてくるのは……ジンの声!
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シンは、前もって繰り返しこう言っていました。
ジンが来てもいれるな、弟は怪物になってしまった、すぐ殺さないとだめだ、と。
ですが、扉の外に立っているジンはこう言うのです。
兄貴は来てないよな、兄貴が来ても絶対入れるんじゃないぞ。
変な女に、兄貴を含めた二人が注射をうたれた。
そして俺は兄貴に襲われたが、逃げ出した……
言っていることは、ほとんどシンと同じです。
一体どちらを信じたらいいのか!?
ギーコと爆谷は顔を見合わせ、どうするべきか意見を突き合わせていたのですが……
そこでジンからこんな言葉が聞こえてきたのです。
どんどん人数が減ってきてる、残った者同士が信頼し合わないでどうするんだよ。
もう残るのは俺たち3人だけだ、頼む、兄貴がもうそこまで来てるかもしれない……
その、3人だけと言う言葉が気になったギーコ。
何でそう言い切れるんだ、ドリエはどうしたんだ?
そうたずねると……ジンはこう言ったのです。
ドリエは、兄貴と同じようにやられた、もしドリエがここに来るようなことがあれば、正体は怪物だ、やられる前にやるんだ。
……その言葉が、引き金となりました。
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爆谷、撃て!!
ギーコがそう叫んだ瞬間、爆谷はすさまじい火力の一発をぶっぱなします!!
その一発で……化け物と化していたジンは、焼き尽くされたのでした!!

ジンはネロに手によって、怪物になってしまっていました。
ですが、なぜそれがわかったのでしょうか。
燃え尽きる前のジンに、ギーコは種明かしをします。
ドリエは……もうとっくにここにたどり着き、シン・ジン兄弟の無事を祈ってここに今もとどまっていた、と!!
姿を現したドリエですが、それを見て驚いたのは今わの際のジンではありませんでした。
ドリエが、目を見開いて、ギーコの名を叫んだのですが……
すでに手遅れでした。
ジンを仕留めたことによる油断をつかれたのです。
ギーコは、
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背後から腹を貫かれてしまいました!!
化け物になっていた、シンに……
まさか化け物になっていたのは、両方だったとは……
ギーコはそううめくのですが、もはや息も絶え絶え。
それもそのはず、ほかのメンバーとは違い、ギーコは正真正銘の人間。
腹に大穴をあけられれば……命は、ないのです。



というわけで、衝撃的な展開を迎える本作。
今までも様々な戦いの中で、結構な傷を負ってきてはいるギーコ。
ですが今回のこのダメージに関しては、今までとはわけが違います。
腹を腕でぶち抜かれるという大けが、仮にきっちりした医療施設がすぐ近くにあっても助かるとは言い切れないでしょう。
そんな致命的ともいえるダメージを、こんな状況で負ってしまっては……!!
ネロという絶対に倒さなければいけない宿敵が復活したこの時に、まさかのギーコの退場。
一体この後物語はどうなってしまうのか!?
爆谷とドリエ、あとは部長でネロを倒すことなどできるのでしょうか!?
今までにない展開で、物語はクライマックスへ!!
主人公が大変なことになってしまった中で迎えるクライマックス、そして三家本先生作品としては結構新鮮な気がするエンディングはまさに必見!!
血飛沫飛び散るスプラッタホラーアクション、そのとんでもない展開と、にやりとさせられるエンディングでついに完結です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!