今回紹介いたしますのはこちら。
「団地ともお」第29巻 小田扉先生
小学館さんのビッグコミックスより刊行です。
さて、団地住まいのともおが毎日あれこれハッスルしちゃう様を描いていく本作。
ただひたすら馬鹿なお話、じんわりとくる感動系のお話、オカルティックな要素のある不思議な話などなど、ともおたち子どものみならず、団地や団地の子供たちに絡む大人たちの様々な毎日も描かれるのですが、今回はそんな団地の中の不思議な大人と、子供たちのお話「何屋敷かなともお」を紹介したいと思います!!
トラックの荷台に、大量に積み込まれて処理場に持っていかれている、ゴミ袋。
団地のある部屋に住んでいた老人がため込んでいたとのことで、どうにかこうにかこうして片づけまでこぎつけることができました。
ですが、この団地にはまだ何部屋かこう言ったゴミ屋敷があるのだということ。
穏便に解決していくことができればいい、とこの券を担当している間さんが漏らしていたのですが……そこにまた、ゴミ屋敷関連の連絡が届きました。
通報者の案内に従いますと、確かに46棟の41号室のベランダが、いつの間にかゴミでいっぱいになっていたのです。
となりの部屋はずっと空き室の上、わざわざ4階まで訪ねていく人もほとんどいないので、本当にいつの間にかこうなっていた、と言う感じ達だのですが……
なにせ41号室に住んでいるのは一人暮らしのお爺さん、山瀬さんです。
近所の人たちもあまりあったことがないということで、「見かけない」と言う声も聞かれなかったのでしょう。
何かあってはいけませんし、間さんは通報者と一緒にドアをノックしてみるのですが、返事がありません。
と言ってもそれもいつのものことらしく、通報者はいつ尋ねても留守なんですよ、と漏らすのです。
……ですが、間さんはある奇妙なものに気が付きます。
玄関の扉の前に置かれていた、塩、お菓子、漫画本、という奇妙な組み合わせのもの。
しかもそれらとともに、「木のモデルガンをください」というような、謎の書置きが残されているのです。
間さんはそれが子供の書いたものだろうとあたりをつけ、早速捜査を始めるのでした。
手近にいた吉本や根津に聞いてみたものの、知らない、と首を振るばかり。
なのですが、その反応は確実に何か知っている、奥歯にものが挟まったような物言いで……
子供たちの態度はいったん気にしたまま置いておくとして、とりあえずほかの人に尋ねてみることにしました。
20年ほど前にたまに話をしていたという老人に会うことができ、聞いてみると、山瀬さんはずっと独り身で、かつて小さな電気屋を営んでいたとか。
そして休みの日は山にこもるのが好きだというアウトドア派だったとのこと。
とりあえず独り暮らしらしいということはわかったので、万一を考えて警察の人とともに部屋に入ることにしました。
玄関のドアは開いていて、あっさり中に入れたのですが……中はすごいことになっています!
部屋中に、
なぜか木々が生い茂っているのです!!
中にはゴミ……と言いますか、電化製品や家具の類が壁一面を埋め尽くすようにみっしりと積み上げられていまして、それをこの木々が支えている形になっているようです。
そんな迷路のようになってしまっている部屋の中を探していると、いつの間にか玄関に戻ってきてしまいました。
……謎ばかりが深まる山瀬さんの部屋。
これはいよいよ、子供たちに問い詰めるしかなさそうです!
ケリ子とよしのぶを捕まえ、尋ねてみる間さん。
ケリ子は子供だけの秘密だからしゃべるなと言うのですが、やさしいよしのぶは山瀬さんの命にかかわるかもしれないから、とあの謎の書置きと物品の説明をしてくれました。
何でも山瀬さんに調味料やお菓子を渡すと、ほかのモノに交換してくれるのだというのです。
木で作ったオモチャだったり、希望すればレトロな昔な漫画だったり……
いつもはああして書置きとともに置いておくと、2~3日後には希望のもとが代わりにおいてあるのだそうですが、今回は1週間たっても置いたものがそのままなのだとか。
子供たちも、部屋で遭難しているのではないかと心配しているのだそうですが、山瀬さんの部屋には誰も入ったことがないんだそうで、創作の手助けにはならなそう……
と思いきや、一人だけ山瀬さんの部屋に入ったことのある少年がいました。
29棟の32号室に住む小学生……ともおです!!
ともおは、読み飽きた漫画を昔の漫画に交換してもらおうとしたのだそうですが、その時偶然山瀬さんが伊江から出てきたところでした。
そこで漫画を渡すと、代わりに差し出されたものがすでに読んだことのある作品だったそうで。
他のにしてくれとリクエストすると、じゃあ自分で何がいいか選べと言われて、本棚のある部屋に通されたというのです!!
間さんたちが中に入ったときは、そんな部屋は見つかりませんでした。
ともおによれば、なんでも「隠し通路」が存在するのだとか……!?
さらに謎が深まってしまった山瀬さん+山瀬さんの部屋!
間さんはともおに導かれ、いよいよ山瀬さんの本格的な捜索に向かうことになるのです!!!
というわけで、謎多き山瀬さん宅に創作へ向かうエピソードを収録した今巻。
前後編で繰り広げられるこのお話、本作らしい独特の味わいが楽しめる展開が待っておりまして、そのオチも「ねーよ!」と言うツッコミとともになんだかじんわりくるものを感じてしまうさすがのものとなっています!!
枝島団地の奥深さを堪能できるこの一編、もちろんそれ以外のお話も楽しいものばかり!
表紙に登場している田宮さんのいろいろ複雑な家庭事情と心境を描きつつも、そこにともおの発現ランキングを絡めるという独自の方式でさっぱりとした感覚に仕上げている「正解はないらしいよともお」。
ともおが「F」と呼ばれあがめられるシャーペンでのバトルを描く「なんのFかなともお」。
ケリ子の未知の力が暴かれたのか夢オチなのか、ファンタジックな出来事の巻き起こる「はじめに言葉ありきなのかともお」……
その他にも、ケリ子と宮川の進展を描くエピソードやら、子供たちどころか間さん以外のレギュラーキャラが3コマしか登場しないエピソード、昨今では当たり前の主人公の顔をメイキングできるゲームの裏で行われる革命などなど、今回もバラエティ豊か!!
あんなキャラやこんなキャラの活躍も楽しめる一冊に仕上がっているのです!!
単行本は前巻に引き続き薄めの18編収録となっていますが、このおかげで単行本刊行ペースが速まっていると考えればファンなら我慢できるかも……?
NHKで行われていた再放送も先日突然終わってしまい、DVDの14巻以降も以前発売されていない本作ですが、まだまだ突っ走っていってくれるはず!!
連載14年、500話に到達した本作の今後にますます期待するしかありません……!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
「団地ともお」第29巻 小田扉先生
小学館さんのビッグコミックスより刊行です。
さて、団地住まいのともおが毎日あれこれハッスルしちゃう様を描いていく本作。
ただひたすら馬鹿なお話、じんわりとくる感動系のお話、オカルティックな要素のある不思議な話などなど、ともおたち子どものみならず、団地や団地の子供たちに絡む大人たちの様々な毎日も描かれるのですが、今回はそんな団地の中の不思議な大人と、子供たちのお話「何屋敷かなともお」を紹介したいと思います!!
トラックの荷台に、大量に積み込まれて処理場に持っていかれている、ゴミ袋。
団地のある部屋に住んでいた老人がため込んでいたとのことで、どうにかこうにかこうして片づけまでこぎつけることができました。
ですが、この団地にはまだ何部屋かこう言ったゴミ屋敷があるのだということ。
穏便に解決していくことができればいい、とこの券を担当している間さんが漏らしていたのですが……そこにまた、ゴミ屋敷関連の連絡が届きました。
通報者の案内に従いますと、確かに46棟の41号室のベランダが、いつの間にかゴミでいっぱいになっていたのです。
となりの部屋はずっと空き室の上、わざわざ4階まで訪ねていく人もほとんどいないので、本当にいつの間にかこうなっていた、と言う感じ達だのですが……
なにせ41号室に住んでいるのは一人暮らしのお爺さん、山瀬さんです。
近所の人たちもあまりあったことがないということで、「見かけない」と言う声も聞かれなかったのでしょう。
何かあってはいけませんし、間さんは通報者と一緒にドアをノックしてみるのですが、返事がありません。
と言ってもそれもいつのものことらしく、通報者はいつ尋ねても留守なんですよ、と漏らすのです。
……ですが、間さんはある奇妙なものに気が付きます。
玄関の扉の前に置かれていた、塩、お菓子、漫画本、という奇妙な組み合わせのもの。
しかもそれらとともに、「木のモデルガンをください」というような、謎の書置きが残されているのです。
間さんはそれが子供の書いたものだろうとあたりをつけ、早速捜査を始めるのでした。
手近にいた吉本や根津に聞いてみたものの、知らない、と首を振るばかり。
なのですが、その反応は確実に何か知っている、奥歯にものが挟まったような物言いで……
子供たちの態度はいったん気にしたまま置いておくとして、とりあえずほかの人に尋ねてみることにしました。
20年ほど前にたまに話をしていたという老人に会うことができ、聞いてみると、山瀬さんはずっと独り身で、かつて小さな電気屋を営んでいたとか。
そして休みの日は山にこもるのが好きだというアウトドア派だったとのこと。
とりあえず独り暮らしらしいということはわかったので、万一を考えて警察の人とともに部屋に入ることにしました。
玄関のドアは開いていて、あっさり中に入れたのですが……中はすごいことになっています!
部屋中に、
なぜか木々が生い茂っているのです!!
中にはゴミ……と言いますか、電化製品や家具の類が壁一面を埋め尽くすようにみっしりと積み上げられていまして、それをこの木々が支えている形になっているようです。
そんな迷路のようになってしまっている部屋の中を探していると、いつの間にか玄関に戻ってきてしまいました。
……謎ばかりが深まる山瀬さんの部屋。
これはいよいよ、子供たちに問い詰めるしかなさそうです!
ケリ子とよしのぶを捕まえ、尋ねてみる間さん。
ケリ子は子供だけの秘密だからしゃべるなと言うのですが、やさしいよしのぶは山瀬さんの命にかかわるかもしれないから、とあの謎の書置きと物品の説明をしてくれました。
何でも山瀬さんに調味料やお菓子を渡すと、ほかのモノに交換してくれるのだというのです。
木で作ったオモチャだったり、希望すればレトロな昔な漫画だったり……
いつもはああして書置きとともに置いておくと、2~3日後には希望のもとが代わりにおいてあるのだそうですが、今回は1週間たっても置いたものがそのままなのだとか。
子供たちも、部屋で遭難しているのではないかと心配しているのだそうですが、山瀬さんの部屋には誰も入ったことがないんだそうで、創作の手助けにはならなそう……
と思いきや、一人だけ山瀬さんの部屋に入ったことのある少年がいました。
29棟の32号室に住む小学生……ともおです!!
ともおは、読み飽きた漫画を昔の漫画に交換してもらおうとしたのだそうですが、その時偶然山瀬さんが伊江から出てきたところでした。
そこで漫画を渡すと、代わりに差し出されたものがすでに読んだことのある作品だったそうで。
他のにしてくれとリクエストすると、じゃあ自分で何がいいか選べと言われて、本棚のある部屋に通されたというのです!!
間さんたちが中に入ったときは、そんな部屋は見つかりませんでした。
ともおによれば、なんでも「隠し通路」が存在するのだとか……!?
さらに謎が深まってしまった山瀬さん+山瀬さんの部屋!
間さんはともおに導かれ、いよいよ山瀬さんの本格的な捜索に向かうことになるのです!!!
というわけで、謎多き山瀬さん宅に創作へ向かうエピソードを収録した今巻。
前後編で繰り広げられるこのお話、本作らしい独特の味わいが楽しめる展開が待っておりまして、そのオチも「ねーよ!」と言うツッコミとともになんだかじんわりくるものを感じてしまうさすがのものとなっています!!
枝島団地の奥深さを堪能できるこの一編、もちろんそれ以外のお話も楽しいものばかり!
表紙に登場している田宮さんのいろいろ複雑な家庭事情と心境を描きつつも、そこにともおの発現ランキングを絡めるという独自の方式でさっぱりとした感覚に仕上げている「正解はないらしいよともお」。
ともおが「F」と呼ばれあがめられるシャーペンでのバトルを描く「なんのFかなともお」。
ケリ子の未知の力が暴かれたのか夢オチなのか、ファンタジックな出来事の巻き起こる「はじめに言葉ありきなのかともお」……
その他にも、ケリ子と宮川の進展を描くエピソードやら、子供たちどころか間さん以外のレギュラーキャラが3コマしか登場しないエピソード、昨今では当たり前の主人公の顔をメイキングできるゲームの裏で行われる革命などなど、今回もバラエティ豊か!!
あんなキャラやこんなキャラの活躍も楽しめる一冊に仕上がっているのです!!
単行本は前巻に引き続き薄めの18編収録となっていますが、このおかげで単行本刊行ペースが速まっていると考えればファンなら我慢できるかも……?
NHKで行われていた再放送も先日突然終わってしまい、DVDの14巻以降も以前発売されていない本作ですが、まだまだ突っ走っていってくれるはず!!
連載14年、500話に到達した本作の今後にますます期待するしかありません……!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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