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今回紹介いたしますのはこちら。

「バイバイ人類」第3巻 原作・渡辺恒造先生 作画・萩原あさ美先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、ひそかに、そして確実に人間と入れ替わっていく「奴ら」に孤独な戦いを挑む真矢たち。
あるび田市を中心にその勢力を拡大している奴らですが、その中核には普通の奴らとは一線を画す、普通の人間のような自我を持っている弁護士、宇都宮の存在があるようで……?



奴らを追っていた記者、大村を殺し、その疑いを真矢たちに向けようとした宇都宮。
ですが真矢の豊富な知識と冷静な作戦、そして超ハイスペックメイドさんの緒方さんの能力により、自分たちに完全な容疑がかかる前に警察を撒くことができました。
ですがこのまま警察の捜査が続けば、大村を殺した拳銃を手にしてしまった真矢たちに疑いの目が向くのは時間の問題。
早い所宇都宮を警察につきださなければ、真矢たちが逮捕されてしまうでしょう。
ですがどうやって宇都宮を警察につきだすのか?
そのためには、確たる証拠が必要ですが……すでに手は打ってあります。
緒方さんによってしかけられた、盗聴器です!
流石に警備が厳重なため盗聴器を仕掛けるのが精いっぱいで、とにかく有力な音声が拾えるまで粘るしかないと思われたのですが、意外にもその時はすぐやってきました。
宇都宮が誰かに、あれはアイツらと一緒に警察にわたらないと意味がない、最悪アレだけでも回収してくれ、出ないとわたしが片づけた意味がなくなる、と電話で話し始めていたのです!
とはいえこれだけではしっかりとした名刺が出ていないわけで、決め手にはなりません。
潜入などの不当な手段で手にした証拠は、法廷では証拠とて認められないというきまりもあるせいで、いつもの様な強硬策も取れないのです。
じっくりチャンスを待つしかないと考えていた真矢ですが、そこでそうは行かないことを示す電話がかかってきます。
……警察からでした。
警察から、大村が最後に連絡した人物の一人だから、と出頭を命じる電話がかかってきたのです!!
しかも、凛子もそのうちの一人で、彼女の周りでは不可解な事件が多いんだが一緒にいないか、と言う確認付きで!
凛子の件は知らないととぼけますが、大村と連絡をとっていた県はごまかしようがありません。
無視すれば家宅捜索になるかもしれず、そうなれば凛子の家にいろいろと隠していた武器の類が見つかってしまうわけで。
凛子はやむなく警察に出頭することにするですが、それは時間稼ぎのためです。
そうやって時間を稼いでいる間に、
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宇都宮を脅して自供させる!!
真矢の提案は、そんな無茶な作戦でした!!

真矢が警察の相手をしている間に、凛子が大村を呼び出し、大村を殺したことを認めさせる……
それを録音すれば確かな証拠になるのですが、当然それには大きなリスクが付きまといます。
最悪、凛子は殺される。
めぐみはいくらなんでも危険すぎる、とそれを止めようとしますが、凛子はその危険すらも楽しんでいるようで。
……いつも偉そうでわけのわからないことを言う凛子に対して、めぐみは不快感を感じることも少なくありません。
それでも、今日まで一緒に戦ってきた仲間が、危険な目に会うのを指をくわえてみているだなんて、とめぐみは泣きだしてしまうのです。
凛子はいつもの調子で、連絡係だって大切だ、ヘタレさんなんだから自分の仕事だけ考えていなさい、と小馬鹿にしたような言い回しをしながらも、ありがとうとお礼を言います。
反発意思あいながらも、お互いを新らしい始めているめぐみと凛子。
その気持ちは、真矢も同じなようで。
親が離婚してから、だれにも頼らず生きようと決めていたという真矢ですが、二人に向かって、恥ずかしそうにこう言いました。
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私、皆を頼りにしてる!
初めてかもしれない真矢の、全幅の信頼を寄せる言葉。
一同はそれぞれの決意を現した意気込みの声を上げ、それぞれの仕事へ向かうのでした!!

凛子は、自分が一見して凛子であるとわからないような変装をして、宇都宮を廃工場に呼び出します。
そして宇都宮に、お前があるび田市について教えてくれるのなら、証拠を渡しても構わない……と、交換条件を持ちかけたのです。
そして同時に、大村が殺されて罪をなすりつけられた、もう後戻りはできない、手段を択ばずお前らを道ずれにしてやる、と不退転の決意を持っていることもアピール。
すると宇都宮は、意外にもあっさり真実を伝えるというのです。
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……貴女の体でもってね、と!!
あらかじめ仲間はいないかと事前に周囲を見回していた凛子でしたが……奴らは、廃工場の屋根の上に潜み、普通の人間が落下すればただでは済まないその高さから飛び降りる、という方法で奇襲をかけてきたのです!!
瞬く間に取り押さえられてしまった凛子……
辞めろ、触るな、と抵抗する凛子に、宇都宮はそのストレスからも解放される、などと言いながら凛子の荷物を探り始めます。
中からボイスレコーダーを探し当て……そして、その大事な証拠である拳銃も見つけてしまいました。
拳銃から宇都宮を追跡したのも、盗聴器を仕掛けたのも、本人から言質を取って警察に持ち込むのも、すべて宇都宮は想定済みだったのです。
ただ一つ想定外だったのは、その証拠を隠しもせずわざわざ持ってきたマヌケぶりだ、とにやつく宇都宮。
そして彼は、悔しがる凛子の顔を見てこう言うのです。
その顔、思いだしますね。
大村記者の最後もそんな顔でしたね。
何も殺さなくてもよかったじゃないか、と叫ぶ凛子ですが、宇都宮は一切表情を変えず、言ってのけるのです。
邪魔だから殺した、そんなの当たり前でしょう?
それではさようなら。
宇都宮は、拳銃の銃口を凛子に向け……そして……!!



というわけで、宇都宮と直接対面することになる今巻。
追い詰められてしまったかに見えた凛子ですが、この後逆転の手はあるのでしょうか!?
いくらなんでも無策で突貫するとは思えませんが、この状況を覆す一手などそうそうあるとは思えませんが……

そして宇都宮との一戦の後、新たな登場人物が現れます。
重兼と言う名のその人物は、その立場上仲間になってくれれば真矢たちの強い助けになってくれることは間違いありません。
が、やはり本作に出てくる人物ですから、一筋縄ではいかない性格をしておりまして……全面的に信頼できる人物ではなさそう。
協力してくれる分には助かりますが、向こうにうまく利用されるだけの存在にならないように気を付けなけれBはならないでしょう……!
重兼の登場もあり、物語は新展開へ。
その新展開は、宇都宮と言う今までの「奴ら」とは一線を画す「奴ら」の正体をつかめれば、新たな道が開けるかもしれないというものとなっています。
そんな「奴ら」の正体をつかむということはつまり……そう、再びあるび田市への潜入と言うことになるのです!!

次々にやってくる緊迫の展開。
真矢たちはどうなってしまうのか、「奴ら」の正体は何なのか?
まだまだ先の気になる物語が続いていきそうですね!!

ちなみに巻末には描き下ろしのおまけ漫画が9P描き下ろし!!
こんな世の中でもやっぱりしなければならな学校生活、そこでめぐみに降りかかる試練とは!?
緊張感あふれる本編とは逆の意味で楽しめるこちらも必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!