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今回紹介いたしますのはこちら。

「ふうらい姉妹」第4巻 長崎ライチ先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、れい子としおりの仲良し姉妹のちょっと変わった日常を描いていく本作。
長崎先生の体調の問題などでしばらくの休載がありまして、前巻より3年半の時を経ての第4巻観光となりました。
そしてこの第4巻、なんと最終回。
はたして本作はどんなエンディングを迎えるのか!?
ラストエピソードとなる長編ストーリーは、4コマではなくストーリー漫画形式で紡がれます!!



そよ風に乗って、ゴミ箱を買いに行きましょう。
突然そんなことを言いだしたれい子ですが、なぜ急にゴミ箱を買おうというのでしょうか?
今も部屋の片隅にはちゃんとゴミ箱が……ない?
しおりは察します。
また、いつものようにゴミ箱ごとゴミ袋に入れて出してしまったんだな、と……
いつもそんなことをしているというのも驚きですが、今回はそのいつものやつではないようで、れい子は弁明を始めました。
彼女が言うには、今朝、れい子はどうしても無性にドラムをたたきたくなってしまったのだそうで。
ゴミ箱をさかさまにして、菜箸とハンガーをスティックに見立てれば代わりになるに違いないと考え……ものすごい勢いで、狂おしくゴミ箱を乱打してしまったのです!
さらに彼女の気分は盛り上がっていってしまい、やがて
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周りの状況も気にせずハッスル、「バンドしようぜ!!」などと口走りながらゴミ箱を叩き続けていますと……とうとうゴミ箱が耐え切れなくなってしまい、割れてしまったのだそうです……
事情は分かりました。
このままゴミ箱のない生活を続けられませんし、二人はさっそくゴミ箱を買いに行くことになります。
そこで、れい子は手作りの、おそろいのワンピースを着ていくことになりました。
二人は基本的にいつも、れい子の手作りの服を着ています。
普通の服に見えるクオリティのものも多いのですが、たまにさく裂するのがれい子独特のセンスによる個性的すぎる服。
今回は、その個性的すぎる服のほうが登場してしまいます。
いかにもつぎはぎと言った感じの生地、そしてそのフロントにでかでかと、毛虫のような存在感のある死臭で描かれた「寿司ラブ」の文字+お寿司と思われる謎の模様……
普通の人ならばノーサンキューなその服ですが、しおりはお寿司大好き!と大喜び。
二人はその服を身に纏い、街へと繰り出すのでした!!

が、いつものように無計画なれい子さん、ゴミ箱がどこに売っているのかもよくわかっていないようでして。
そこで、なんだか見るからにお金を持っているマダム、と言う風情の格好をしている女性に尋ねてみることにしました。
すると何とそのマダム、れい子たちと同じくゴミ箱を探しているのだとのこと。
しかも彼女がゴミ箱を求めている理由も、無性にドラムが叩きたくなって、ゴミ箱を使ってエキサイトした結果だというのです!!
到底あり得るとは思えない運命のいたずらによってであった二組は、意気投合。
マダムはいいゴミ箱を撃っているお店を知っているとのことで、一緒に買いに行こうと声をかけてくれたのですが……そこで、二人の個性的な服装に気が付きました。
そして彼女は、その服に対して
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まさかの食いつき!!
どこのブランドなの!?とものすごい勢いで食いついてくる彼女に、しおりがお姉ちゃんのお手製なのと解説してあげますと……彼女もそこでガタガタの縫い目や汚らしい玉止めは素人技だ、と気づきました。
それによって、いったん落ち着くことのできた様子のマダム。
そこでようやく自己紹介をしてくれたのですが、彼女の素性はなかなか驚くべきものでした。
彼女の名は、夢見さくら子。
40年前、「食べこぼしブルース」で一世を風靡して、大ベテランの大物歌手だったのです!!
もちろん芸能関係に疎いれい子たちが知るはずもなく、素直に「知らないです」と告げるのですが、さくら子にとってはそんなこともうお構いなし!!
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今度行われる彼女のコンサート衣装を、デザインしてくれないか、とれい子に頼み込んできたのです!!
突然のことに夫宇されたのか、れい子も何となくはいと答えてしまい……
なし崩し的に、コンサート用の衣装の作成を任されることになってしまうのでした!!



というわけで、まさかの衣装制作を手掛けることになったれい子。
この人となりからはとてもそうとは思えませんが、さくら子は現役バリバリ、コンサートを開けばお客さんでしっかり席のうまるビッグな歌手!
そんな大勢の客さんの前で披露される衣装を、れい子は作り上げることができるのでしょうか……!?
彼女の今の収入は、雑貨店でのパートによる月8万円。
お礼をしてくれるというさくら子の衣装デザイン、これが大きな副収入になれば、もっといい暮らしができるのかもしれません!!
……まぁ、二人は今の暮らしでも十分幸せかもしれませんが!!

とにかくこの衣装デザインの仕事は、れい子としおりのしまいに一つのきっかけをもたらすこととなります。
一曲一曲魂を込めて歌う歌手の部隊を彩るお手伝いをする、と懸命に衣装を作るれい子、そしてそれを支えようとなれないお料理にも挑むしおり。
果たしてこの頑張りが、実を結ぶのでしょうか!!
運命のお披露目を、雑貨屋の鳳やお友達の馬七先生、そしてれい子が絶賛おつきあい中の斜井田さんと言ったフルメンバーで観賞!!
そして物語は、本作らしいとぼけていながらも、ほっこり優しい気持ちになれるフィナーレへと向かって行くのです!!

最終巻と言うこともあるのか、今巻はカラーページも多数収録した豪華版!
長崎先生のセンスの光るカラーイラストに加え、エピローグまでカラーで収録!!
完結となってしまうのは寂しいですが、本作に登場した数々のキャラクターのその後が色付きで楽しめるこのエピローグで、まだまだ続いていくであろうそれぞれのその後の日常を想像してそれを紛らわすのもよろしいのではないでしょうか!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!