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今回紹介いたしますのはこちら。

「仏像パンク」第1巻 横尾公敏先生 

幻冬舎さんのバーズコミックスより刊行です。


さて、「百人の半蔵」が終了し、早くも新たな連載を始めた横尾先生。
最新作となる本作も、「半蔵」でやり切れなかったことをやろう……としたのかはわかりませんが、トンデモ時代劇バトルとなっております。
「半蔵」では相手が全員半蔵と言うトンデモ具合でしたが、本作はと言いますと、やはりそのタイトルから想像できるように……?



戦乱の世は終わりました。
人が人を殺める陰惨な時代は終わりましたが、人々が平穏を手に入れたかと言うとそうではありません。
人が人を殺めなくはなったものの、別の存在が人を殺めるようになってしまったのです。
それは……
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野良仏(のらぶつ)。
この世界では、仏像を兵器に転用し、自在に操る技術が確立しています。
戦乱を治めるために、そして激化させるためにも活躍したその動く仏像。
操仏僧と呼ばれる僧侶がその動きを制御していたのですが、戦乱の中で何割かの仏像がその制御を離れ、彷徨い動くようになってしまいました。
そして野良となった仏像、野良仏は、やがて人を襲うようになっていってしまったのです……

スルガの国、岡部宿ではあるおふれが出されていました。
ここで暴れまわる野良仏を倒せる、腕に覚えのある仏像破壊屋を求む。
岡部宿には、そのお触れを聞きつけた仏像破壊屋、通称「仏破(ぶっぱ)」が大挙して押し寄せていました。
見まわせば目に映るのは、むくつけき男、男、男……
さらには、この宿場町を守るために金剛力士を操る操仏僧まで呼ばれているようで、より一層物騒な感じが漂っております。
旅人のヤジさんとキタさんもこの雰囲気にげんなり気味。
次の宿場町まで行って、パーッとやろうじゃないかなどと話し合っていたのですが、そこで一人の少年と肩がぶつかってしまいました。
気を付けろよガキ、とヤジさんは怒鳴りつけるのですが、次の瞬間、ぎょっとすることとなります。
その少年のまなざしは、まるで今にも切りつけてこようかと言うほどの冷たく、鋭いものだったのですから!!
彼の名は、無道悪丸。
18歳の若さにして仏破をしている少年なのですが……彼にはある秘密が隠されていたのです。

悪丸が道を歩いていますと、野良仏にやられてしまったという仏破の亡骸が大量に運ばれて来るところでした。
これは相当強力な野良仏だな、とぼやきながら運んでいく大車の担い手ですが、悪丸はそれを見て……いや、その匂いを嗅いで違和感を感じたようです。
すぐさま、立ち入りが禁止されている死体置き場へと潜り込みました。
そして死体を引きずり出して調べる悪丸。
度の死体を見ても、仏像にやられたと思われる傷がない。
そして何より、胸糞悪い仏像どものニオイもしない……!
つまりこの大量の亡骸を作りだしたのは、野良仏ではなく……!!
そこで、死とい置き場にぞろぞろと刀を持った男たちがやってきます。
ここは立ち入り禁止のはずですよ、とその中のリーダーらしい男が悪丸に話しかけるのですが、会話する気持ちはないようで、悪丸の言葉も待たずにやれと部下たちに指示をします。
が、悪丸はすぐさま多節根の両端が刀になっているような異様な武器を取り出し、男たちをあっさりばらばらにしてしまいました!
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仕掛けたのはあんたらだ、俺はやさしくないんだよ。
仏も殺すが人も殺す。
一人残したリーダー格の男に事情を尋ねますと……なんと野良仏の存在自体が嘘で、今年の凶作のカバーをするため、野良仏のせいで献上金を収められないと言い訳しようとしていたとのこと。
そのカムフラージュのために仏破を殺していたらしいのですが……
当然、あの金剛力士の操仏僧もグル!!
天井を破り、金剛力士の手が伸びてきて、悪丸を捕えたのです!!
その重機のような力で悪丸も握りつぶされる……かと思われたのですが、悪丸は人間とは思えないとんでもない力でそこから脱出!!
驚愕する一同でしたが、そこに更なる驚愕が襲い掛かります!!
なんと、いないはずの野良仏が本当にこの宿場に襲撃したではありませんか!!
仏像は仏像を呼び寄せる、奴らは群れたがるのさ。
そう言って笑う悪丸は、よかったじゃねえかとリーダーの男を殴りつけ、外に出ていきます。
外では……その野良仏による蹂躙が始まっていました!!
一足先に外に出ていた操仏僧が、二体の金剛力士による波状攻撃で野良仏を倒そうとしていました。
なんといっても2対1、仏破の邪魔が入る前に倒してしまえと笑うのですが……
野良仏は、金剛力士の腕を切断!
その攻撃をきっかけとして、同、そして首も斬り落としてしまうのです!!
今まで体中が藪に包まれた状態でわかりませんでしたが、その際に顔を出した野良仏の姿。
その姿は……十一面観音でした!!
これでは金剛力士が二対一でも勝てないのもわかります。
なにせ十一面観音は菩薩で、金剛力士は天部。
仏としての格があまりにも違うのです!!
そこで仏破達も駆けつけるのですが、流石十一面観音、その仏破達もあっという間にやられてしまいました。
そんな絶望の状況だというのに、悪丸は一人十一面観音に向かって歩いていきました。
今度のくそ仏像は菩薩かよ、壊しがいがあるじゃねえか。
その首、仏(ブッダ)斬る!!
そう言って切りかかるものの、巨大な仏像を前にしてはさすがの悪丸も対応しきれず、思い切り殴りつけられてしまうのです……
他の仏破もやられた、お前だって無理だ。
操仏僧にそう言われても、悪丸は戦うことはやめません。
邪魔、邪魔だ。
俺は、無理かどうか壊してから決める。
そう言って、悪丸は自らの腕を覆っていた布を破り取りました。
その腕は奇妙な紋様が描かれた義手のようなもので……その腕を、先ほど切り落とされた金剛力士の腕に差し込むと……
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なんと、その腕が悪丸本人の腕のように変わってしまったではありませんか!!
ガキの時にもがれた両腕の代わりにもらった。
反吐が出るぐらい嫌いだが、目的のためには使える腕だ。
仏像はすべて壊してやる!!
そう言って、悪丸は十一面観音に突進していったのでした!!



というわけで、仏像に深い憎しみを持つ男、悪丸の戦いを描いていく本作。
本作は「百人の半蔵」と共通点がいくつか見受けられまして、いろいろな意味でそのリベンジともとれる内容になっている、ような印象の作品となっています!
子供のころに敵に受けた仕打ちからくる強い恨み、様々な能力や戦法を持つ一種の敵、その敵を旅しながら全滅させようという狙い、謎の人物に与えられた力、共通の敵を持つものの主人公とは別に動く組織の存在……
そんな様々な共通点を持ちながらも、本作ならではの仏像と言う要素を盛り込んだ、ド迫力なハイテンションストーリーが描かれていくのです!!

横尾先生ならではの迫力と勢いで描かれる本作、仏像とのバトルの他に謎の男や組織の暗躍と言った様々な気になる要素が用意されていまして、もう先が気になることは間違いなし!
これからもおそらくこのテンションのまま突っ走ってくれるでしょうし、今後から目が離せませんね!!
仏像モチーフの漫画と言いますと、「仏ゾーン」「仏ロック」「アースロコロッサス」と、どうにも短命なイメージが多いのですが……横尾先生のパワーでそのジンクス(?)を打ち破ってほしいものです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!