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今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄の教頭」第4巻 大沼良太先生 

スクウェア・エニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行です。


さて、近衛をつけ狙う男、椎名が副校長としてやってきた本作。
椎名は教頭に不信感を持つ新藤を引きずり込み、近衛に復讐を試みようとしているようですが……



椎名のこの絵に対する嫌がらせは加速していきます。
並大抵のことでは眉一つ動かさない近衛ではありますが……今度の嫌がらせを見たとき、近衛の表情が明らかに変わったのです!!
「きょうとうのむすこはヒトゴロシ」。
校舎の壁にでかでかと書かれたその文字を見て、近衛は……その表情こそ大きくは変えていないものの、全身から言いようのない怒気を立ち上らせているのがわかります。
この落書き……近衛の息子と言うのが、彼の最大の弱点、と言うことなのでしょうか……?

そんな嫌がらせのあったのちの日の事。
近衛はいつものように、「教育」をしていました。
教師の一人をがんじがらめに縛り、そして裏の世界のものと思われる男の口の中に拳を突っ込んでいる近衛。
近衛はそんな状態で、その教師、天川に滔々と語っていました。
借りたものはちゃんと返さないと、これから私と二人三脚で返していきましょう。
朱地高校の教師である前に、人として当たり前のことですよ。
そう言って、いつも通り力づくで言うことを聞かせようとする近衛。
ですがそこに、いつもとは違う来訪者が現れたのです。
椎名です。
椎名は、いい加減こんなことはやめにしないか、と言いながら姿を現します。
彼はここで何が起こっているのか、すべて理解している様子。
近衛の力づくの教育も。
天川が、ギャンブルで作った借金返済のために生徒の持ち物を盗んで売っていたことも……!
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近衛が調べていることは全部自分も把握できるようにしているんだ。
そう言う椎名は、近衛の「行きすぎた教育」をやめるように語り始めます。
私は君にまっとうな教師でいてほしいんだ、天川の処分は私が預かるよ。
そんなことを言われても、当然諦める近衛ではありません。
私が教育するという近衛、ですが椎名はその決定権を天川に委ねるのです。
近衛の教育は徹底したもので、自己破産なんていう安易な方法はとらさず、臓器を売るか劣悪な環境での肉体労働かというギリギリ生きていけるラインを見定めて返済をさせるだろう。
近衛はそれを教育と掲げているんだ、絶望と残酷の淵にわざわざ落として這い上がらせることを。
そんな人の世話になりたいかい?
……確かに教頭は容赦ありませんが、その人物の人生をすべて台無しにするようなことはしないはず。
ですが、こんな打ちのめされた状況の天川がそんなことを知るはずもなく……
そんな人のお世話になりたくない、息子じゃなくてこの人も人殺しじゃないか、めちゃくちゃだ、もう私にかかわらないでください!!
そう言って、天川は椎名に身をゆだねるのです!
近衛に叩きのめされそうになっていた裏の世界の男はと言いますと、これではおさまりが付かない、慰謝料払うだけじゃすまないと怒りをみなぎらせます。
椎名はその男のほうのケアも忘れません。
借りた金は全額払う、と言ったあと……男の耳元で、それで納得できないならまた近衛がアナタのところに来ますよ、と囁いて黙らせたのでした。

その後、まだまだ近衛に対する攻めは続きます。
校長から呼び出されての落書きに関しての聞き取り、そして……体育倉庫に新たに描かれた落書き。
それは……
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教頭は裏の世界の人間と友人である、と言う旨のものでした。
息子の件に関してよりはダメージは少ないようですが、それでも教頭の胸の中にはよくない感情が広がっているようです。
その近衛に近づき、嫌がらせが止まらないね、私はやってないよ、止めさせることはできるがね、と囁く椎名……
その上何か目的があるのでしょう、椎名は今晩食事に行かないかと近衛をしつこく誘ってくるのです。
近衛が我慢ならないのは、そんな椎名の不遜な態度や嫌がらせの数々ではありません。
近衛とは違った方向の、ダーティな手段であの場を収めた椎名。
そんな椎名の天川に対する処遇です。
近衛の腕力などにモノを言わせて無理やり構成させるやり方よりも、彼のやり方はよほど悪辣。
椎名は天川に自主退学をさせ、退職金をもとに債務整理して金を返させる……
教員としての職を奪い、学校からも厄介払いしようとする椎名のやり方に、近衛は憤慨するのです!
天川は人として許されざる行為はしたものの、教師と言う職業は愛していた。
それがわかっていた椎名は、多少強引にでも更生させ、一人前の教師に教育しようとしていたのですが……
近衛がそう言っても、椎名は意に介しません。
そうかい、私は君意外に興味がないんでね。
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だから今晩の食事でも、その悔しそうな顔をたくさん見せてくれよ。
椎名は嫌らしい笑顔で、近衛を誘うのでした……



というわけで、椎名との戦いがいよいよ本格始動する今巻。
過去の出来事から、近衛に復讐することしか考えられなくなってしまった椎名ですが……鉄面皮と言う言葉がぴったりとくる近衛にどのような手を使えば勝利を収めることができるのか?
椎名はその手段の一つに、近衛の息子という手を選んだようですが、それだけでは追い詰めきれないようで……
このあと、夕食の席で更なる攻めを開始!!
その後も次々と、近衛が嫌がりそうなことをしていくのですが……
ダーティな手も平気で使う近衛には、椎名もまたダーティにならざるを得ないわけで。
裏対裏、ダーティVSダーティのこの戦いは、どちらに軍配が上がるのか?
そして、近衛の謎に包まれた真実がまた見えてくることがあるのでしょうか?
本作ならではの、どす黒さが2倍に……いや、二乗になって襲い掛かってくるこのシリーズ、今巻でどうやら決着を迎えるようなのですが、その衝撃の結末は……!?

そして巻末には、大沼先生のデビュー作である「グリド・ダンディズム」を収録。
本作より一層インモラルな作品となるこの作品、先生自身も自分のすべてがつまっているという力作となっています!
大沼先生の原点も、本編と合わせて楽しめますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!