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今回紹介いたしますのはこちら。

「絢爛たるグランドセーヌ」第8巻 Cuvie先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、いよいよ幕を開けたYAGP日本予選。
ここで結果を出し、奨学金、スカラシップを取らなければ奏の本格的なバレエへの道は閉ざされてしまうと言っても過言ではありません。
運命を決める時が近づく中、奏や翔子はどうしても緊張してしまうのです。



奏が履きこんだものか新しめのものか、履くトウシューズに悩んでいるうちに、場当たりの時間が来てしまいました。
場当たりと言うのは、予選本戦が始まる前に、舞台の大きさなどを確認するために軽くステージに立つリハーサルのようなもの。
慌てる奏ですが、滝本先生はそんな彼女にしっかりとすべきことを教えてくれます。
場当たりでは舞台の大きさをしっかり把握しておくこと。
奏が踊るのは「ディアナ」、舞台全体を使って大きく踊ることで魅力が増す。
どの位置から飛ぶべきか、回るべきか、ちゃんと見て確認してきなさい。
そんな滝本先生のまなざしに力をもらい、奏は落ち着きを取り戻すのです。

ところがどうしたことでしょう。
予選出場者が一気に確認を行う場当たりでは、思うように位置の確認をすることなどできません。
ジャンプの場所を確認しようとしても他の人にぶつかりそうになってしまいますし、シューズの選択も気になったりしているうちに、もう場当たりの時間は終わってしまいました。
仕方なく壇上からはけながら、目であのあたりから……などと少しでもあたりをつけようとする奏ですが、そんな時審査員席の様子が目に入りました。
有名なバレエ学校の先生たちが多くいるなかに、ニコルズはいないのですが……その中の一人に、ロイヤルバレエスクールの校長がいるではないですか!!
驚く奏でですが、その校長、実は奏を探していました。
そのニコルズから、カナデ・アリヤに注目してきて、オーロラをロイヤル版で踊るから、と声をかけられていたためです!
日本人の顔の見わけにあまり自信が持てない校長は、リストなどから奏がいることは知っていましたが、それがニコルズの言っていた奏かどうかまでは確信が持てていない様子。
なにせ奏は、オーロラではなくディアナを踊るのですから、なおさら自信が持てないのです。
とはいえ、あのニコルズがこうまで言うのですから、そのアリヤ・カナデならば踊りを見ればわかるはず。
校長は、そんなことを考えながら審査を始めるのでした。

次々に行われる審査。
校長は辛辣な意見も言うものの、褒めるべきところはきっちり褒める、流石の審査をしていました。
参加者が踊る演目はやはりオーロラが多いのですが、お姫様系の役は女の子の憧れだろうし、プロになって個性にあわないから踊れないとなっても、今のうちに躍っておくのもいいだろう、と言っていたのですが。
そこで目に留まったのが、翔子のオーロラでした!
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動きは少し小さいものの、品の良さを感じさせるその踊り。
舞台に上がるまでは、びっくりするほど緊張していた証拠ではありますが、皆に励まされ、オーロラは体が覚えている、今できる精一杯はいつも通り踊ることだ、と何とか自分を奮い立たせ……
完全に、いつも通りの踊りを披露して見せたのです!
袖でその踊りを見ていた奏も、いつも通りだ、安堵。
一安心したところで、自分の心配を始めます。
美味い人がたくさんいるなかで、自分がアピールできるのは何か?
滝本先生は、早い回転、高い跳躍だ、とアドバイスしてくれました。
貴女が踊るのはディアナ、大きな踊り、舞台全体を使って踊りなさい。
慣れない舞台でそれができるのか、不安は禁じ得ないのですが……
奏が翔子に力を与えたように、今度は翔子の「いつも通り」の踊りが、奏に力をくれることになるのです!!

奏が舞台に立ちました。
流れるように、力強く、速く、安定した踊りを見せる奏!
おろそかになりがちなアラベスクのキープもしっかりと行われ、今回の踊りも奏らしい、元気よく、楽しそうなものになりました!!
そして問題化と思われていた、舞台全体を使うという問題も問題なくクリアしています。
滝本先生も頷くその会心の踊りの原因は、翔子の「いつも通り」の踊りにありました。
翔子が「いつも通り」、ステップの幅、シェネでの移動距離といった踊りの大きさもいつも通り踊ってくれたおかげで、奏は気が付くことができたのです。
この舞台の横幅は、いつものスタジオの1.5倍ほどある、と!
場当たりでは確認しきれなかったこのことに気が付けた奏は、これで思い切り踊ることができました。
いつものようにセーブしなくていい、
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思いっきり跳べる!!
思いっきり回れる!!
そんな自分のすべてを出すことのできる踊りを披露できたうれしさもあるのでしょう、終始楽しそうに踊り切った奏の踊りは、驚きと拍手を持って終わることができたのでした。
……が。
その演技を見て、校長はこう言いました。
元気いっぱいだな。
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やっぱり、人違いかな?
と。



というわけで、YAGPが開幕する今巻。
悩み、緊張もしたものの、立てなおしながら戦いを続けていく奏達。
まずは予選を通過し決勝へ、そしてその決勝でスカラシップを勝ち取らなければいけないところですが……
この会心に見えた踊りですが、ある大きなミスをしていたことにこの時のかなでは気が付かなかったのです!
果たしてこのミスがどう響くのか……?
奏や翔子のレベルならば、予選で落ちることはおそらくないといっていいでしょう。
でしょうが、この予選の結果が決選でどう影響するのか、と言う点も心配になってくるわけで。
翔子と奏は、無事に予選を通過し、そして決戦でも結果を出すことができるのでしょうか?
そして絵麻のほうも忘れてはいけません。
奏との出会いをきっかけとして、大きく成長を遂げたと言っていい絵麻。
彼女の持ち前の才能に加え、精神面が成長し、実力を一層飛躍させた絵麻は、現時点でこのYAGP参加者の中で頭一つ抜けているのは確実です。
彼女がこのYAGPでどのような評価を受けるのかも、奏達の結果を左右する一因になるわけで……
今後の運命を決定づけると言っていいYAGP。
躍動感あふれる演技と、それぞれの心の動き、周囲の想い。
丁寧に描かれ、物語が動き続ける今巻もまた必見ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!