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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第14巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、潮の運命を決める団体戦、その準決勝が幕を開けた前巻。
潮達ダチ高が対するのは、越えなければならない大きな壁の内の一つである、天王寺率いる鳥取白楼!!
果たしてこの戦い、勝利の女神がほほ笑むのはどちらなのでしょうか……?



先鋒としてぶつかるのは、小関。
白楼は、合気道をベースにしたトリッキーなタイプの榎木です。
絶対王者、と言われていた白楼ですから、メンバーに選ばれているというだけでその実力は証明されているようなもの。
実績の上では、榎木のほうが圧倒的に上ですし、相撲において重要とされている、心技体の三つのどれもがハイレベルにあると言っていいでしょう。
ですが、小関もずっと相撲に対しての愛でひたすら鍛錬を積み上げてきたわけです。
生まれもってのものもあり、こと体においては榎木に負けていないどころか、上回っていると言っても過言ではないはず!!
小関は頭から榎木の胸にぶつかり、そのまま両手でがっしりと前ミツを取ります!!
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これは合気道の技術を警戒し、腕をとらせないための作戦です。
合気道の技術から発展させた腕取りが榎木の得意技。
その技を封じ、一気の寄りで決着をつけるのが小関の考えた必勝法というわけです!
が、榎木も当然この作戦を想定していないはずもありません。
前まわしを取られながらもなお腕を攻め、小関の理想を許さないのです。
榎木も榎木なりに、相撲を続けてきて、白楼のスタメンの座を射止めるまでに様々なドラマを経験してきたわけで。
相撲にかける情熱は小関と同様に熱く煮えたぎっていて、小関のその思いを真っ向から受け止めるレベルにあったのです!!
榎木の徹底的な腕攻めにより、とうとう廻しを着られてしまう小関。
そして榎木はそのまま両腕を小関の脇にねじ込んで両まわしを取り、もろ差しになったのです!!
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これこそが榎木が中学時代から5年間天王寺を追い続けて培ってきた、技術の結晶!!
榎木はこの時点で勝利を確信します。
小関の決まり手は、ほぼ「寄り」一択。
確かに訓練の末練り上げた体、そして潮とともに鍛え上げた心は榎木も認めざるを得ないものです。
が、その二つだけで勝てるほど自分の相撲は軽くない!!
榎木が見せたのは、小関のお株を奪うかのような一気の寄り!!
もろ差しを許してしまった小関は、もはやなすすべなく土俵を割るしかない……と思われたのですが!!
その、技の未熟さこそが、この後の波乱を呼び込む足掛かりとなるのです!!
確かに一人での練習期間が長かった小関の技が未熟なのは否定しようがないでしょう。
ですがその技の未熟さこそが、小関の「伸びしろ」!!
未熟であればあるほど、成長も早いもの。
そして相手に技がないと思っている相手ならば、その術中にはよりはまりやすくなる……!!
小関は土俵際で、起死回生の一発を放ちます!
廻しをとらず、片手を相手の首にかけて捻り倒す……
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首捻りを!!
狙いすましたとはいえ捨て身の技であるこの技……はたして、勝利を手繰り寄せることができるのでしょうか!?

続く次鋒戦も見逃せません。
白楼は、白楼一の巨漢にして正統派、首藤。
派手さこそないものの見るものを圧倒させるその巨体は、その強さに疑いの余地をはさませません。
対するダチ高は……何と、三ツ橋!!
今だ勝ち星ゼロ、本大会トップクラスの低身長と軽量の三ツ橋に勝ち目などあるのでしょうか。
誰もがその体格差を見て、三ツ橋の変化を予想します。
実際、真っ向からぶつかっては勝ち目は全くないでしょう。
ですが、変化というのはわかっている相手にとっては付け入る隙にしかなりません。
まして三ツ橋は超軽量級ですから、どんな奇策を弄しても、首藤はどっしりとかまえて、動きだしを見てから対処しても何の問題もないはず……
この絶望的な戦力差を前に、三ツ橋がとる戦法は、なんと……!!

中堅は、ダチ高のポイントゲッター・國崎と、白楼の国宝二本刀の一振り、加納です。
天王寺の存在感故にかすんでしまいこそするものの、白楼ナンバー2の彼の実力もまた言うまでもないでしょう。
ですが対する國崎も、天才の呼び声高い実力派!!
アマレスというバックボーンを最大限に活かす國崎ですが、それだけで加納に勝てるのか……?
緊迫の戦いは続きます!!

そして今巻の最後を飾る副将戦は、五條と、未知の強豪・バトバヤルです。
団体戦で出場できる外国人は1名。
名門・白楼の外国人枠を手にしただけでもうかがえるその実力、それはいかなるものなのでしょうか?
日々成長を続けている五條も今や大事な戦力と言えましょうが……どうもこの大舞台で緊張し放題にしている様子!!
緊張さえほぐれれば熱戦間違いなしのこの勝負も見逃せません!!



というわけで、ダチ高VS白楼が繰り広げられていく今巻。
この場にいるどの選手も、心に秘めた決意は相当なもの!!
相撲は心技体が大事だとは言われますが、かつては「心気体」と言われていたことからも、その中でも心の力が占めるウェイトが大きいことがわかります!
もちろん体や技も大事。
ですが、最後の最後、ギリギリのところで勝負を決するのはやはり気持ちの力!!
その気持ちの強さで勝るのは、白楼なのかダチ高なのか!?
相撲の勝負は、一瞬で決まってしまうことも珍しくはありません。
その一瞬のぶつかり合いに、自分の全てをぶつけるこの戦い……
心技体が上回るのはどちらなのか?!
見どころ満点の4番勝負……それぞれのドラマと共に描かれていく、両校の激突から目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!