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今回紹介いたしますのはこちら。

「プリマックス」第10巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・蒼木雅彦先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、空子の私的イベントと化したアイドル大戦。
様々なアイドルたちが醜態を見せていく中、圧倒的カワイイでクレッセントムーンとアイサキアオは勝ち上がっていきます。
プリマックスもいろいろ醜態を見せながら何とか勝ち残ったのですが、残り八組となったところで試験はおこったのです!!



ライブをする、と言うのが勝負の方法でした。
ギャラは何と一人あたま1億円。
相当なリターンが用意されているこの対決ですが、もちろん相応のリスクも用意されていました。
最初に舞台に立ったのは、クレッセントムーン。
いつものように誰が見てもカワイイライブを行うクレッセントムーンだったのですが、そのステージ上の大型モニターにとんでもない映像が映し出されてしまったのです!
それは……アイドル大戦を前に、月子が強引にツバメの唇を奪ったシーン!!
アイドルに恋愛と言うのは基本的にはご法度、ましてそれがトップアイドルならなおさら……!!
葬送に脱落することになってしまったクレッセントムーン、そしてアイドル人生がぶち壊されてしまうこのライブ対決、アイドルたちは軒並み腰が引けてしまうのです。
……そんな時でした。
あの警備員兼運営的な、マッスル着ぐるみの中から

妖怪アイドルババア、蒲池が登場したのは!
どんな屈強な男がいたとしても、アイドルとして復活するためrにひたすら体を鍛えていた蒲池を止められるものなど降りません。
蒲池は押し寄せる警備を蹴散らし、そしてステージに立ちました。
久しぶりに立つステージは、蒲池にあのころの想いを昨日のことのように思いださせます。
復活を夢見て潜伏していた30年分の闇が、一曲で晴れるとか、あるのかね。
しみじみとそう思い起こしていますと……やがて、蒲池の姿はあの全盛期のころへと戻っていきました。
もちろん実際にはあの「30年後」の姿なわけです。
ですが、蒲池の圧倒的なカワイイへの想いが、その場で見るすべてのものにその姿を全盛期のそれへと錯覚させるものがあったのです!
あっという間に会場は興奮のるつぼへと変化しました。
一気に一つになった会場……
流石80年代アイドルだ、とプリマックスも蒲池の力を認めるほかありませんでした。
そしてモン太の我慢も限界を迎えようとしています。
プリマックスも、行こう!!
そう叫ぶモン太……ですが、おそらくプリマックスが壇上に上がれば、そこで公開される映像はおそらくプリマックスの「正体」になるでしょう……
それでももう、モン太はもちろん、ニーサン先輩あたりも止まりません!!
いざ出陣、と言うところで……登場したのは、空子でした!
今までほぼ自分の思い通りに進んでいたこの大会が、蒲池の乱入によって持っていかれてしまった……
この会場は、自分たち「お嬢」のために存在するのに。
そんな思いゆえの出陣なのでしょう。
空子は、ゆっくりと蒲池のもとへ向かい、地面からにゅっと顔を出した巨大な蛇腹パイプのようなものから、何かを発射しました。
それは「一億砲」。
空子の有り余る財力を使い、一億円をひとまとめの玉にしたもので……
空子は。その金をやるから帰れ、と蒲池に持ちかけたのです!!
蒲池はその誘いを、ふざけんなの一言で一蹴、しようとしたところ、空子の一億砲がもう一発放たれ……!!
2億円。
その蒲池の余生を働かず快適に過ごすことのできる金額を前に……邪念がよぎってしまいます
これで、みじめな生活から脱出できる。
そう考えた瞬間、蒲池が使っていた、カワイイの魔法は解け……
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もとのババァに戻ってしまったのでした……

ここからは私のステージだ。
そう言って空子withお嬢はライブを始めます。
が、そこで立ちはだかるのはワルコとプリマックス。
ワルコに取って、空子はどうしても倒さなければならない相手なのです。
空子は武装した警備員を呼び、ワルコを蹴散らそうとしました。
武装警備員はワルコ得意のスタンロッドの利かない装備をしていまして、ワルコはなすすべなくボコられてしまいます。
その間に空子は、プリマックスの前に気てこう吐き捨てるのです。
ライブやれ。
できるもんならやってみろ。
その言葉は、間違いなくプリマックス最大の秘密である、その正体を暴露する映像が用意されていることを意味するのでしょう。
ですが、モン太は全く怯まずやると返答!!
かっこよくステージに立つのですが……局すら始まらないうちに、その映像は流れ始めてしまうのです。
プリマックスのメンバー、ツグミ以外が全員その女装を脱いで、男に戻っていく姿が……!!
流石に度肝を抜かれてしまう観客と同業者たち、そして笑う空子たち……
プリマックスの面々も、もう終わった、これはもしかして夢なんじゃないか、と絶望を越えて現実逃避に入りかけるありさま……だったのですが!!
そこで、声を張り上げるものがいたのです!
2億円とともに場外にはいき出されようとしていた蒲池。
蒲池が、叫びました!!
あーバカ!!!
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始めちゃえよ!!
チンコのあるない程度だろ!!
……そう、そうでした。
そもそもモン太が目指したカワイイは、性別なんて超越したところにあるはずのものです!!
モン太の瞳には一気に輝きが戻り、プリマックスのみんなに檄を飛ばします!!
僕らの目指した、
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「カワイイ」はここにある!!!!
完全に吹っ切れたプリマックスのメンバーは、全員がバッチリ本名で名乗りを上げ……ライブを、はじめたのです!!!



というわけで、最終巻となる本作。
とんでもない展開になってしまったアイドル大戦ですが……だから何だというのでしょうか!!
確かにプリマックスが男であるという事実は、多くの人々に衝撃を与えたことでしょう。
ですがそんなこと、カワイイの前では実に些細な事!!
いまプリマックスにとって大事なのは、ここで自分たちの目指すカワイイを、余すことなく観客に見せつけること!!
この上ない舞台の上で行われる、カミングアウト後のプリマックスのライブ……
そのライブが、このアイドルの墓場ともいえるアイドル大戦に大きな波紋を投げかけることとなるのです!!

このあと、物語は一機に盛り上がりまくり、なんだかものすごいテンションでクライマックスへ一直線に進んでいきます。
この会場に残ったアイドルたちが見ているのは「カワイイ」のみ。
ですがその会場を作った「お嬢」だけはそれを見据えてはおらず……?
そんなアイドルたちの戦いとともに幕を開けたのが、本作で最悪のライバル関係と言える空子VSワルコ。
こちらも目の離せないバトルとなっているのです!!

今まで登場してきたアイドルに見せ場を作り、そしてヨクサル先生らしい突っ走って突っ走ってゴールしていくフィナーレを迎える本作。
その怒涛のラストももちろん見逃し厳禁なのですが……
おまけ漫画もまた、いつにもまして見逃せません!!
主役となるのは、ツバメとワルコ。
微妙な関係だったこの二人の決着こそが、本作のおまけのラストを飾るにふさわしい……かもしれません!
最後の最後までサービス満点の本作、皆でカワイイの星を拝んで終わりましょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!