iy0
今回紹介いたしますのはこちら。

「いぬやしき」第9巻 奥浩哉先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


さて、激戦のすえ、晧を倒すことができた壱郎。
とりあえずの脅威は去りましたが、晧の巻き起こした大災害の被害を受けてしまった人々はたくさん残されています。
壱郎は、できる限りその人々も救おうとするのですが……



気が付けば日が昇っていました。
壱郎は、ようやく家へと帰ったのですが、その姿は上半身裸でズボンはボロボロと言うひどいもの。
いつも通りであれば、そんな姿で朝帰りすれば心配されるというよりも、何をして異端だと罵倒されていたところでしょう。
ですが、ただいまと言っても誰も出てくる気配はなく……
よくわからないまま、一郎はリビングへと向かうのです。
するとそこには、奥さんと娘と息子、そして犬までもがそろって立って待っていました。
状況が全く理解できない壱郎なのですが、その時ちょうど流れたニュースで何となくその状況を理解します。
ニュースではこう言っています。
これが朔也東京新宿に現れた老人です。
人々が見ている前で、老人は手を当てるだけで次々にけが人を治していきます。
この男性はネットで言われているとおり、神様なのでしょうか?
こんな奇蹟がこの世に存在するのでしょうか?
……そのニュースとともに映し出された映像には、壱郎の姿がしっかりと映し出されています。
あまり付き合いのない人ならばともかく、家族がその映像を観れば間違いようもありません。
……あなた…………あなたなの……?
ようやく絞り出された、奥さんからのその言葉。
壱郎は言葉に詰まりましたが、すぐに覚悟を決めたようです。
目を閉じ、うつむいて……
iy1
自分の体を開き、中の機械部を家族に見せたのでした!!
……驚きのあまり、家族は目を剥いて何も言葉を発することはできません。
壱郎はそんな家族に謝り……事情を説明します。
ごめん、僕は犬屋敷壱郎じゃないのかもしれない。
あの公園に散歩に行った夜、気が付いたらこうなってた。
たぶん、僕はニセモノ。
犬屋敷壱郎とそっくりに作られた機械なんだと思う。
衝撃のカミングアウトに、今だ家族は動くこともできません。
それを拒絶と取ったのでしょう。
無理もありません、今まで家族だと思っていたものが、血の通わない機械だったのですから……
壱郎は今まで黙っててごめん、と言い残して家を去ろうとしました。
が、そこで奥さんが壱郎の肩に手をやり……尋ねてきたのです。
新婚旅行……は?
壱郎は少し戸惑ったものの、彼女のその質問に答えます。
あ、熱海。
気味が秘宝館に行きたいって言って、ロープウェイに乗って、熱海城の階段で滑って僕がおしりを打って。
お昼ご飯が遅くなって、お店が開いてなくて、たまたま一見開いていたお店のお魚定食がすごくおいしくって……
思い出を語るうち、涙をこぼし始める壱郎。
そんな壱郎を……奥さんもまた涙を流しながら、抱きしめます。
iy2
お願い、うちに居て。
その奥さんの言葉に続いて、あの騒動で父に命を助けられた娘もまた泣きながら叫ぶのです。
お父さんだよ、どう見たってお父さんじゃん!!
感動的な家族の絆が見せられた……かと思いきや、息子のほうは今一つ釈然としない様子。
いや、おかしいよ、おかしいって。
泣きながら抱き合う三人と、一人困惑する息子……
犬屋敷家は、これからどうなるのでしょうか……

その夜のことです。
壱郎と電話しながら、直行は家に帰ろうとしていました。
直行の心配は、晧のことです。
倒したはずではありますが、あの晧の死体というか、機体が発見されれば騒ぎになるはずです。
ということは、まだ活動をしている恐れがある……
それがはっきりわかるまで、警戒はした方がいい。
壱郎にそう告げて、直行は電話を切りました。
ちょうど家に到着し、部屋に入ると、そこには……
iy3
その、晧がいるではありませんか!!
いったい彼の目的は何なのでしょうか。
晧はやはり、直行が自分を止めるために奔走していたことを知っていて、復讐に来たのでしょうか……?
緊張が走る中、晧が、そして直行が発した言葉は……!!



というわけで、戦いが終わった後、がらりと変わった二人の物語が描かれる本作。
壱郎は報道によって神のような存在だと持ち上げられましたが、会社では日陰者だったためかその神と同一人物だとは気づかれなかったようで、意外にも今まで通りの生活が遅れているようです。
逆に家族との生活は、今までの冷たい扱いが嘘のように仲良しな生活がおくれていて……
そして、晧は息の美はしていたようですが、壱郎に敗れたことでその心境にも変化が出始めたようです。
なにせあの戦いで腕はもぎ取られ、万全の状態だったとしても自分を上回る壱郎が存在する……
こんな状況では、今までのような好き勝手はできないでしょう。
そんな晧は、なぜ直行のもとに現れたのでしょうか?
その真意は……

ともかくこれで平和は訪れる、と誰もが思っていました。
ですがここにきて、とんでもない事態が巻き起こってしまいます。
晧の事件は日本を揺るがしましたが、今度怒ったその出来事は、文字通り世界中を驚愕させることとなり……!!
その状況で、壱郎がとる行動とは?
そして、晧は……?
全ての決着は、最終巻となる第10巻でつけられるようです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!