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今回紹介いたしますのはこちら。

「リトルウィッチアカデミア」第1巻 左藤圭右先生 

KADOKAWAさんの角川コミックス・エースより刊行です。


左藤先生は、13年に「動物探偵まどかの推理日誌」の作画として連載デビューした漫画家さんです。
そんな左藤先生が挑むのは、17年にテレビアニメ版の放映が開始された、同名作品のコミック版。
その内容はと言いますと……?



きらびやかなステージの上で広がる、ファンタジックな舞台。
少女達が目を輝かせて見つめる舞台上には、ひとりの「魔女」が、次々に美しい「魔法」を披露していました。
魔女の名は、シャイニィシャリオ。
彼女はその中で、お決まりの口上を述べるのです。
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手を伸ばせば、始まるの。
あなたの物語が!

カガリアツコは、子供のころ見たシャリオのステージに心を奪われました。
それ以来、彼女の夢は「シャリオのような魔女になる」こと。
魔女になるため、ホウキに乗って飛ぶ練習などをしてみたもののもちろんそう簡単にホウキでとべるはずもありません。
時にはけがをして、友達に魔女なんかもうはやらない、などとからかわれたりもしましたが、それでも彼女は決してあきらめませんでした。
なれるもん、なるんだもん、魔女に。
その決意を決して揺るがすことはなく努力を続け……そして、ようやくその一歩を踏み出すことができたのです!
人を助け、時に人を楽しませる魔女を、今でも排出し続ける魔法学校、ルーナノヴァ。
シャイニィシャリオも学んだというその名門学校に、入学が許されたのでした!!

アッコは入学案内にかかれた地図を頼りに、ブライトンベリーの街にやってきました。
地図によれば、この街にルーナノヴァに行くためのターミナルがあるようです。
アッコはもうこの時点で、これがシャリオのすっていた空気か、と感動しまくり。
そのテンションのまま、街の人々にルーナノヴァイキのバスの停留所はどこですか、と尋ねて回るのですが……
どうしたことか、誰も知らないのです。
地図には書いてあるのに、これはどう言うことなんだろう?
首をかしげるアッコでしたが……さんざん探し回った後、遠くの丘の上に地図に書いてあったものと同じ形の大木を発見します。
あれが停留場に違いない、とさっそくかけだすアッコ!!
ですがようやく手がかりを見つけた嬉しさからか、前を歩いていた少女にぶつかってしまうのです!
派手に荷物をぶちまけてすっ転んでしまうアッコ。
幸い相手の少女は手に持っていたものを少し落としてしまった程度でしたが……その眠たげな瞳をした髪の長い少女が落としたモノは、ルーナノヴァの入学案内だったのです!!
それに気が付いたアッコは、大興奮!!
一人で心細かったんだ、と鼻息も荒く自己紹介し、彼女にひたすら自分語りをしちゃいます。
シャリオのショーを見てから魔女になるのが夢だったの、もちろんシャリオは知ってるでしょ?
シャリオのレアカードが私の宝物、でも私の周りにシャリオ好きな子全然いなくて。
魔法界でもシャリオはすごいんだよね?
そんなことを一方的にまくし立てていたアッコでしたが、何も言わず半ば無視していたその少女は突然アッコの頬に軟膏のようなものつけ……そのまま思いっきり指ではじいたのです!
すると……アッコの口は、閉められたチャックに変わっていました!!
初めて自ら体験する魔法に感動するアッコでしたが……要するにこれは玉r手と言うことでしょう。
魔法の解き方もわかりませんし、どうすればいいんだと悶絶していたところ、バランスを崩して川に落っこちてしまい……
ずぶ濡れのままバス停を目指すことになるのでした。

魔法は解けたものの、気分は最悪です。
そしてその最悪な気持ちは、ターミナルでさらに加速することになってしまいます。
そこではすでにそこにはルーナノヴァ生三人が学校に向かおうとしていました。
が、アッコは彼女たちに大笑いされてしまうのです。
この「レイラインターミナル」はバスの停留所ではなく、ホウキの停留所。
バスなんて来るはずもなく、ここでホウキに乗ることによってルーナノヴァまで一気に運ばれる場所なのです。
だというのに、アッコはホウキに乗れないわけで……
ルーナノヴァ始まって以来、ホウキに乗れない魔女なんて一人もいないはずだ、と笑われたアッコ……
始業式に遅れたら魔法界から追放、とまで言われ、アッコは困惑します。
……それでも、アッコはあきらめません。
シャリオのカードを見つめ、そして……
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手を伸ばせば始まる、私の物語が!
そう言って、停留所の壁をよじ登り始めたのです!!

停留所に、また一人の魔女がやってきました。
大荷物を持った、メガネのショートカットの彼女、遅れちゃうよと言いながらやってきたのですが……そこに、大荷物が置いてあるのを発見しました。
誰かの忘れ物かと思った彼女、ここを使うのは基本的にルーナノヴァの関係者しかいないはずですから、届けてあげなくちゃと自分の大荷物に加えてさらにその荷物を持ってホウキにまたがりました。
荷物が多すぎて飛ぶか不安でしたが、ホウキはふわりと持ち上がり……行けそうです。
ところが安心したところを狙ったかのように、上から何かが落ちてきたのです!!
それは……壁から落ちてきたアッコでした!!
事情を聞いた眼鏡の彼女は、優しい子のようで、このまま二人乗りで一緒に行こうか、と言ってくれまして。
彼女の名はロッテ。
アッコはロッテに感謝してぎゅっとハグするのですが……レイラインに乗ると、その手に込められた力は一層強くなるのです!!
予想以上のハイスピードでカッ飛んでいくホウキ!!
怖い、無理!と泣きごとを言いまくるアッコでしたが、どうやらこのスピードはロッテにとっても予想外だったようで。
なんでもレイラインは「塩」を嫌うようで、アッコの大荷物に塩が含まれているのではないか?とロッテが訪ねてきます。
……アッコが持っていたのは、梅干しでした。
梅干し大好きなアッコですが、流石にここではそれを捨てないと無事にルーナノヴァにはたどり着けなそうで……
ところがその時、アッコの大事なシャリオカードが舞い飛んで行ってしまうのです!!
とっさに手を伸ばしたアッコ、体をねじったそのせいでホウキはバランスを崩してしまいました!!
そしてコントロールを失い、後方を飛んでいた先ほどの髪の長い少女にぶつかってしまい……そのまま、墜落してしまったのです。

目を覚ますと、そこはうっそうとした陰気な森でした。
ここがルーナノヴァ……なわけがありません。
髪の長い少女、スーシィはこの森がどこなのかわかっているようです。
アルクトゥルスの森。
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……魔法樹で守られた神聖な場所、古い伝説にある禁じられた森……
一度迷い込めば魔女でも出るのが難しいとされているというここにやってきたということは……
このままでは、始業式に間に合わない!?
シャリオのような魔女になるというアッコの夢は、第一歩から足を踏み外してしまうのでしょうか!?



というわけで、人気アニメ「リトルウィッチアカデミア」のコミック版となる本作。
基本的には原作をなぞっていくのですが、オリジナル要素、オリジナルストーリーを豊富に挿入して進んでいきます。
この第1話の時点ではキャラクターを膨らませる程度のオリジナル鹿追加されておりませんが、そのあとは原作にはないお話をしっかりと描いていってくれるのです!
第3話では、アマンダ達はみ出し者三人組、そしてその対極ともいえる超優等生のダイアナが登場して球技大会を行うという完全オリジナルストーリーが展開。
第4話では、原作第3話のホウキレースの後日談ともいえるオリジナルストーリーが展開、第5話ではロッテとスーシィ、アマンダ達との絆を深めるお話が描かれるなど、アニメ版で描き切れなかった部分を補完する内容のお話になっています。
尺の都合上、アニメでは描き切れなかったみんなが仲良くなっていく過程をさらに膨らませてくれる、ファンならば必携の一冊となっているのです!!

原作よりもよりコミカルな部分を膨らませている感じのある本作、絵柄も頭身がやや低めでかわいらしい感じになっております。
その分表情や動きが豊かで、キャラクターが生き生きと動き回っている印象を強めてくれます!!
個人的にはもっとダイアナに活躍してほしいところですが……どうでしょうか!!
そのあたりは今後の展開にも期待したいところです!!

あと気になったのが、本作に登場したスーシィの親が、てりてりお先生版の親御さんと全くの別人になっていると言うところ。
そもそも原作がアニメ版とアニメミライ版&劇場版では違う世界の可能性もあるわけで、コミック版もそこまで細かく統一していないということなのでしょうが……どうなんでしょうか!!





ついでにと言っては何ですが、角川つばさ文庫版「でたらめ魔女と妖精の国」のお話もちょろっと紹介させて頂こうと思います。
児童向け文庫と言うことで、難しい展開はなく、実にわかりやすいお話になっているのですが、その内容はばっちり面白く仕上がっております。
遠足にやってきていたアッコたちがオリジナルキャラクターのちょっとした騒動に、巻き込まれるお話で、その内容は原作の味わいに近いものに。
そしてただのオリジナルエピソードではなく原作の様々な内容をきちんと踏まえた内容になっていて、アニメ版を見ていた方なら一層楽しめることうけあい!!
アッコたち三人だけでなく、アマンダ組やダイアナまでしっかり活躍するお話になっておりますので、ファンならばこちらも必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!