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今回紹介いたしますのはこちら。

「ジャガーン」第1巻 原作・金城宗幸先生 漫画・にしだけんすけ先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


金城先生は08年にマガジンの漫画賞で奨励賞を、10年にジャンプの赤塚賞で佳作を受賞と各賞を受賞したのち、漫画原作者として様々な作品を生み出している先生です。
「神さまの言うとおり」「僕たちがやりました」と言った様々な人気作を作りだしてい金城先生ですが、今回は「アイアムアヒーロー in NAGASAKI」のにしだ健介先生とタッグを組んでの新作となります。
その内容は、と言いますと……



夜中のコンビニの前でたむろする若者三人。
そこに、一人の警官がやってきます。
近隣住民から苦情来てるから帰りなさい、と若者たちに語りかける警官。
ですが、若者たちはその警官の言うことを聞きません。
それどころか、どんな人生を送ってきたかって顔を見ればわかる、あんたみたいな大人にはなりたくない、などと憎まれ口まで叩いてくるのです。
それを聞いた瞬間、警官は懐から拳銃を取り出し、若者たちにぶっぱなす……という、妄想をします。
そうできたらいいだろうな、と言うささやかな反抗心を胸に秘め、警官は作り笑いを顔面に貼り付け、ショーもない大人でごめんな、でもこっちも仕事だから頼むよ、と仕立てに出てお願いするのです。
あぁ、撃ちてえ。
そんな気持ちをひた隠しにし、彼らに合わせるように道化を演じながらなだめすかし続けるのです。

良いこと教えてやるよ、蛇ヶ崎。
若い奴なんて馬鹿なんだから、バカのふりをしてればいいんだよ。
そう、先輩警官は、コンビニに若者を何とかやり過ごした警官、蛇ヶ崎に語りかけます。
そんな先輩警官の話も何とか調子を合わせてやっぱりやり過ごしておりますと、奥の部屋から女性警官のベルが休憩から戻ってきます。
ベルは現れるなり、先輩警官をバブル世代の悪い所と鼻毛が出てると注意した上、蛇ヶ崎も一緒になって何をやってるんだ気持ち悪い、と辛辣な言葉を投げかけるのです。
さらにベルは話の流れで、ひびが先が付きあっている彼女とは最近どうなんだと尋ねますと、蛇ヶ崎はいつもの調子でだったら別れちゃえばいいのに、バカみたい、とさらに罵倒。
それでも蛇ヶ崎は言い返すことができず、確かに、などとおどけた調子で返すのでした。

家に帰ると、そこには同棲中の彼女が待っていました。
彼女の出す話題は目下、そろそろ結婚してもいいんじゃないかという話題。
両親にあってくれないかと切り出す彼女に、にこやかに俺も会いたいと答えるのですが……内心では冷め切っています。
彼女が嫌いだというわけではありません。
彼女との付き合いを続け、結婚と言う現実が近づいてくると……見えてくる「未来」のリアルさに嫌気がさしてきてしまうのです。
この後の彼女との結婚生活、仕事の毎日、そして棺桶に入る自分。
そこまでがありありと想像できてしまい、どうしてもげんなりしてしまい……
そんな彼ができることと言えば、自分の面白くないことをする相手に拳銃をぶっぱなす妄想をすることくらい。
ぶっぱなーす。
彼の尊敬する市のマスコットキャラ、ぶっぱなす師匠のことを思い描きながら。

つまらない、追い詰められる、作り笑いの毎日に生きている実感すら失いかけていたある日の事。
酔っ払いの介抱をしているとき、その流れで先輩警官と一緒にその酔っ払いとともに電車に乗り込んでしまう事態になってしまいました。
その電車の中で今度は、部下らしき人物に罵声を浴びせまくる男と遭遇してしまいます。
先輩警官はよしておけと言うのですが、大声で怒鳴りまくるその男にいら立ってしまったのか、蛇ヶ崎はその男に注意に向かいました。
電車の中で人目もはばからず大声で部下を罵倒する男だけに、警官に他のお客さんの迷惑ですよと注意されても素直に効くはずもありません。
何様だよ、偉いんか警察は?とすごんできます。
ですが……その男の様子が、徐々におかしくなってくるのです。
サラリーマンなめてるだろう、何か言いたきゃ実績残してから言えや!
徐々にヒートアップしていくその男の顔がだんだんと巨大化し、口が大きく開き……開いた口の中からまた口が現れて、その下から口が、と何層にもなった
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異形の怪物と化したのです!!
何見てんだよ低所得者が。
そう言った男は、部下を長く伸びたベロで切断し殺害!!
さらに、居合わせた乗客を次々に切断していくのです!!
呆然とする蛇ヶ崎の背後で、先輩警官が叫びます。
射殺しろ、行くぞ蛇ヶ崎!!
慌てて蛇ヶ崎も拳銃を取り出すのですが……
先輩が引き金を引く前に、その頭部は胴体から離れていて……!!
そして、覚悟を決めて発砲しようとした蛇ヶ崎の指も切断されてしまい、続けて鋭いベロが蛇ヶ崎の首を狙って伸びてきたのです!!
蛇ヶ崎の脳裏には、こんな言葉がよぎります。
クソ、一発食らい撃っときゃよかった……
切断された指を怪物と化した男に向け、蛇ヶ崎はつぶやきます。
ぶっ、ぱなす。
それが彼の最期の言葉に……なりませんでした。
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蛇ヶ崎の伸ばされた右腕から「なにか」が発射され、そして怪物となった男が爆発四散したのです!!
何が起きたのか全く分からない蛇ヶ崎。
ですが、それを見れば自分の身に何かが起きてしまったことだけは実感せざるを得ないのです。
彼の右手は……
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まるであの怪人化した男のように、偉業に変化していたのですから!!



というわけで、幕を開ける非日常の日々。
この後、男が怪人化した理由、蛇ヶ崎の右腕が変化した理由などが、ある存在から明かされることとなるのです。
そして戸惑いながらも、蛇ヶ崎はいやおうなしに戦いに巻き込まれていくことになり……!!
もちろん、この戦いが素直なヒーローもののような勧善懲悪のバトルになるはずがありません。
彼の右腕に込められた力と、その代償。
そして、彼に次々と降りかかる、あまりに残酷な運命……!!
その過酷すぎる運命に直面したとき、蛇ヶ崎の中に沸き上がる思いとは?
死と隣り合わせの激しい戦い。
誰が怪物……「壊人」となるかわからない恐怖。
新たな胸囲の予感。
そして、蛇ヶ崎の体に巣食う不安……!!
様々な恐怖と、新たな世界が広がり続ける本作、今後の展開は予測不可能!!
これからも目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!